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「全員で外に出ようか。」
ゴブリン3体、ゴブリンリーダー1体、グレイウルフ2体、大トカゲ1体。召喚できるモンスターを、とりあえずすべて召喚したのだが、洞窟の中が獣臭くなってしまったな。
「あっ、ノワールさんは直射日光に当たって平気かな?」
たしか吸血鬼は、ニンニク、日光、十字架が弱点だったはずだ。
「ダンジョンの領域であれば問題ありませんよ。領域の外で日光に当たると気持ち悪くなってしまいますし、夜の方が得意ではありますが……。」
洞窟の出口に向かって歩きながら、ニンニクと十字架はどうかと聞いてみるが、こちらは大丈夫のようだ。
洞窟の外に出ると、一面に森が広がっていた。少し観察してみたが、人が入った形跡などはない。あっても気付ける自信はないが。遠くを見渡せないが見える範囲では集落などはない。振り返って洞窟側を見ると、絶壁が広がっている。見上げてみると結構高そうだ。落石注意だな。
「ノワールさん、モンスターはどうすればいいかな。」
配下なのだから、このまま遊ばせておくわけにもいくまいが、何を指示すればいいのかわからない。
「そうですね。まずは周囲の探索から始めてみてはいかがでしょうか。ゴブリン達には木の実や薪を集めさせて、グレイウルフやオオトカゲには食料となりそうな動物を狩りに行くように指示を出すのが良いかと思います。まずは食料を確保することを第一目標にすべきですので……。」
顎に手をあてながら、少しうつむき加減にノワールが答える。
「これだけの人数(?)の食料を確保するのは大変だな。一度にすべて召喚してしまったのは失敗だったかもしれないね。」
家にある食料の備蓄量を考えながら、顔をしかめた。食料を確保できなければ、最悪餓死だ。
「我々モンスターは、食事をとらなくても餓死することはありません。ただ、食事をとれるに越したことはありませんが……。」
「えっ?どういうことですか?」
「ダンジョンに所属する生物は、空腹を感じず、餓死することはありません。ただ、食事をすること自体は可能です。食物を取り込むことで、体内の魔素を生み出す機能を強化し、レベルを上げることができます。」
「信じられないな……。普通の生物は十分な食事をとらないと生きていけないんじゃないのかな?少なくとも僕のいた世界ではそうだったんだけどね。」
周囲にいるゴブリンや大トカゲは、どう見ても生きている。
「ええ、人間や野生の動物は食事をしないと餓死します。モンスターが特別なだけです。少々長くなりますが、モンスターについて説明をしてもよろしいでしょうか?」




