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スーツから動きやすい服装に着替えて外に出た。外というか洞窟の中だけど。
「お待たせしました。」
先に外に出て待っていてもらったノワールに声をかける。
「お気遣いありがとうございます。」
ぺこりとお辞儀をするノワール。さっきから感じていたけど、壁を感じるというか、偉い人扱いに戸惑ってしまう。
彼女と一緒に、ドアから少し離れた位置にある魔方陣のそばに移動する。
「召喚する前に質問だけれど、呼び出したモンスターが急に襲い掛かってくるなんてことはないよね?」
「もちろんです。召喚されたモンスターは、マスターの配下にいる限り危害を加えてくるようなことはありません。」
「そうか。安心したよ。それじゃ、召喚の方法を教えてもらえるかな。」
「では、アプリのホーム画面のメニューからモンスターの項目を選択してください。」
言われた通りにスマホ操作すると、画面がモンスター管理画面に切り替わった。デフォルメされたキャラと名前が表示されて一覧となっている。その中にはエージ、ノワールもいた。
「えっ?私もモンスターなんですか?」
「ダンジョンに所属している生物はすべて表示される仕様となっております。未召喚のモンスターをクリックすると、召喚するためのボタンが出ますので、そちらをクリックして下さい。」
とりあえず、自分をクリックしてみると、ステータスが表示された。
名前:エージ
レア度:3
レベル:1
HP:38
MP:35
STR:25
DXE:33
VIT:29
MAG:43
AGI:26
INT:56
スキル
サンドボックス:ランク1
ダンジョンマスター:ランク1
レア度はゴブリンより上だな。ステータスの高さは比較対象がいないためわからない。スキルのサンドボックスは何だろう。特にサンドボックスなる特技に覚えはない。
ノワールに聞いてみると、ダンジョンマスターはこちらの世界に召喚される際に特別なスキルを一つ習得できるらしい。スキル名をクリックすると説明が出てきた。
サンドボックス:素材を加工し道具や建造物を作成できる、創造魔法の一種。ランクが上がると加工できる素材が増える。
説明文を読んでピンときた。某有名な建造物を作ったりするゲームのジャンルのことか。なんとなく理解できたが、どうすればスキルを使えるのかはわからない。
ついでに、ノワールのステータスを確認する。
名前:ノワール
レア度3
レベル1
HP:28
MP:50
STR:17
DXE:35
VIT:20
MAG:48
AGI:51
INT:36
スキル
闇魔法:ランク1
吸血:ランク1
ノワールは魔法を使えるらしい。後で詳しく聞いてみよう。
次にゴブリンのステータス画面を表示させると、表示されたステータスの下部に少し大きめの文字で『召喚する』のボタンを発見した。
ボタンをクリックすると、魔方陣がピカっと光った。カメラのフラッシュをものすごく強くしたような感じだ。
光が収まると、緑色の肌をしたゴブリンが立っていた。
「ギギ、ガブガーッ!ゴゴギギ!」
その他モンスターのステータスについては、別途公開いたします。ほぼフレーバーになるかと思います。