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「あっ、どうもよろしくお願いいたします。えっと、とりあえず上がって下さい?」
「はっ、失礼いたします。」
玄関の前で跪く女の子に、とりあえず家に入るように促そうとするも、なぜか語尾が上ずり疑問系になってしまった。対して、女の子は申し訳なさそうな顔をしながらこちらの意図を察して、返事をしてくれる。
改めてドアを開けて彼女を見ると、先ほどのアプリで見た吸血鬼と似ている。アプリではイラストが表示され多少デフォルメされていたが、そっくりだ。
「あっ、そちらで靴を脱いで下さい。慣れないかもしれませんが、この家では土足禁止ですので。」
玄関で靴を脱ぐことを注意しながら、とりあえず居間に通す。ラミアやセントールを選んでいたら、室内が汚れていただろう。選ばなくてよかったなと心底思う。
居間には炬燵(現在はあたたかい時期なので、既に炬燵布団は外してあるが)が出してあるので、そちらに座って貰おう。
「そちらで座ってお待ちいただけますか。今コーヒーを入れてきますので。」
「そんな、マスターに淹れていただくわけにはいきません!どうぞお構いなく!」
「いえいえ、ちょうどコーヒーを飲もうと思っていましたので、ついでですので…。」
「でしたら、私がっ!」
「あー、でも食器とかコーヒーのある場所わからないですよね?すぐ済みますので少し待っていてください。」
心底申し訳なさそうな顔をしている彼女。少しやりづらい。
彼女に背を向け台所に行き、電気ケトルで湯を沸かす。インスタントコーヒーをコップに入れながら彼女の様子を見てみると、どうやら座って待っていてくれているようだ。どうもつけっぱなしのテレビに気を取られているらしい。もしかしたら、テレビを初めてみるのかもしれない。
お湯が沸くまで、少し彼女を観察してみようか。顔は整っており、目はやや釣り目だがきつい印象はない。年齢は18歳くらいだろうか、身長は160㎝ぐらいでやせ型。黒いワンピースに黒いニーソックスをはいている。こちらでは一般的な服装なのだろうか。などと考えているうちに、お湯が沸いた。
「はい、どうぞ。」
彼女の目の前にコーヒーを置く。ありがとうございますと言うと、彼女はコップを手に取りコーヒーを飲みだした。
自分の分のコーヒーを炬燵の上に置くと、自分も彼女の正面に座り話を切り出した。
「えっと、いろいろと聞きたいことがあるんだけど、まずは質問してもいいかな。」




