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「待たせたな。ん? 主殿はどこだ?」


「気分が優れない様で、今は自室で休まれています」


 ウィルさんと同じ質問です。この場にエージ様がいないので気になったのでしょう。


「む、そうか。マスターはダンジョン生まれではないからな。仕方ないのだろう」


 そういうとステラさんは、少し表情を曇らせます。やはり、ステラさんもエージ様のことが心配なようです。


「おっ、ステラさん。なんか強敵だったみたいッスねー。怪我とかダイジョブッスか?」


「怪我はないぞ。かなりの強敵だったがな。1週間閉じ込められていた奴とは思えなかったぞ。ま、最後は頭をカチ割ってやったがな」


「うげぇー、そんなん見たら、エージさんじゃなくても気分悪くなるッスよー」


 ステラさんとウィルさんの雑談が盛り上がっています。雑談をするために皆様を呼んだわけではないのです。軌道修正しなければ。


「コホン。エージ様が戻られた際に状況を報告するためにも、皆さんと情報を共有したいのですがよろしいですか?」


 じろりと二人を見つめます。お二人とも多少不真面目なところがあります。もう少し緊張感を持っていただきたいのですが……。


「相変わらず真面目だな。まぁいい。とりあえず今回の戦利品を出すぞ」


 そういうとステラさんがカードを取り出し並べていきます。武器や防具、松明に水筒など、あのレントという冒険者の持ち物が並べられていきます。特に高価なものはありませんが、ダンジョンでの装備や道具の生産はエージ様頼みですので、どれも貴重な品になります。特に毒消しやポーションのような薬品類はこちらで生産できませんので、安物でも大事にしなければなりません。

 

「それにしても多いっスねー。」


「あぁ、他の冒険者のモノも混じっているんだろう」


 ダンジョンに侵入した冒険者達は、確か18人でした。ダンジョンに閉じ込めてから、同士討ちがあったようで、我々が確認に行った際は、冒険者は一人しか残っていませんでした。


「他の冒険者の装備は見つかっているのでしょうか?」


「今ゴブリンとウルフ達に探させている。洞窟のどこかにあるのだろうな。事後報告となってすまんが、量が多く、運ぶのが大変だろうから、洞窟の拡張はいったん止めさせて捜索をさせているぞ」


「いえ、賢明な判断です」


 18人分の装備ですから、カード化しても運ぶのは骨が折れるでしょう。ステラさんの判断は妥当だと私も思います。


「それから、これは……。主殿に見せるべきか迷ってる分だな」


 そういうと、ステラさんは新たにカードを取り出した。人骨、人肉、ゴブリンの皮……。おそらくあの場にあった死体からはぎ取ったものなのでしょう。


「あー、これは確かに迷うッスねー。エージさん、死体とか苦手そうだし」


「うむ、我々の方で処分した方が、主殿に不快な思いをさせないで済むかと思案してたのだがな……。しかし、ダンジョンの財産であるモノを勝手に処分するのも気が引けてしまい、正直どうすべきか判断がつかんのだ」

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