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「……。レントだ」


 そういうとレントは持っていた剣をステラに投げつけた。キンッ、と金属同士がぶつかる高い音が鳴り響く。ステラが投擲された剣を叩き落とした音だ。その隙にレントは、素早く鉄棒を取り出し再度投げる。魔法は効いていないようで、狙いはちゃんとついているようだ。、


「グッ!」


 数本投げた打ちの1本の鉄の棒がステラに当たるが、鎧にはじかれた。肉体に大きなダメージは無い。


「チッ、ピーターさんみたいにはいかないか」


 再度切りつけるステラの剣を、右手に持った具現化した盾で防ぎながらレントは呟いた。よく見ると、左足から血が流れている。先ほどのゴブリンが投げた斧により傷を負ったのだろう。

 その隙に、ノワールが再び呪文を唱える。今度はスリープを唱えたようだがこちらも不発に終わったようだ。なんというか、集まった魔力がかき消されているように感じる。


「ダメです。魔法は効きません」


 悔しそうにノワールが報告する。 


「クソ、みんな下がれ!守ってやる余裕はないぞ!」


 ステラの隣にいるゴブリンは、先ほどから援護しようとしているが、戦闘についていけず、何もできていない。ステラの言う通り、邪魔になる前に一旦引いた方が良いだろう。


「ステラ以外全員下がって!ウルフはウィルに連絡!もしもの時に備えて増援を呼んで下さい!」


 そう叫びながら、後退する。ウルフ達は言葉を話せないが、意図は通じている。ウィルなら適切な判断をしてくれるだろう。たぶん。僕の脇をウルフが駆け抜けていく。遅れてゴブリンも走っていく。


「お前がボスなんだろ?逃がさない。お前だけは殺すからな」


 ぞわりと背筋に冷たいものが流れる。ステラの剣を立てで受け止めながら、こちらを見るレントと目が合う。その視線に、今まで感じたことのない、黒い感情を感じる。殺気だ。思わず足を止める。ダメだ。怖くて背を向けれない。今すぐにでも逃げ出したいのに。

 

「この死にぞこないが!お前の相手はアタシだ!」


 ステラの体全体に魔力の流れを感じる。おそらく、魔力を消費して身体強化を行うスキル、怪力を発動させたのだろう。体全体を使いステラがレントを押し込むと、彼は尻もちをついて倒れた。


「フンっ!」


 ステラが大剣を振り下ろす。レントが縦を掲げ防ごうとするが、大剣はその勢いを保ったまま盾を押し込む。盾越しに強烈な一撃が叩き込まれた。


「ぐそぉぉぉぉぉぉ!」


 ひしゃげた盾をおろし、叫びながらステラを睨みつけるレント。盾越しに頭を強打したせいか、鼻から血が噴き出している。


「ヌン!」


「おぉぉぉぉぉ!」


 先ほどと同じ動きで、今度は無防備な頭に鉄の大剣が叩きつけられる。その様子が、ゆっくりとスローモーションで僕の目に映る。剣が頭に当たると、頭が潰れて、脳髄が飛び散っていく。目玉は飛び出してステラの方に飛んで行った。先ほど僕を睨んでいた目玉だ。


 スローモーションが終わると、血生臭い匂いが漂ってきた。音はしない。夢から覚めて、現実に引き戻されたような気がした。そうすると、急に気持ちが悪くなる。僕は洞窟の壁に頭から寄りかかると、ゲロを吐いた。

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