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地下の通路を通り、自分の部屋に戻っていく。長い通路の先にある、長い長い階段を上っていく。冒険者が来ることがわかってから、外の居住区は使用を禁止し、代わりに標高の高い場所に出口を設け、そこに新しい居住区を設けた。ちょうど、洞窟がある絶壁の真上部分になる。そのため外に出るにはこの長い階段を登りきる必要があるのだ。
階段を上がっていくと、一定の段数毎に用意した休憩所代わりの踊り場が見えてくる。踊り場には、体力のないグレイウルフやゴブリンが休憩しているが、僕には不要だ。こちらの世界に来てから、以前とは比べ物にならない程に体力、筋力が上がっているのを感じる。
階段を上がりきり外に出る。出口が野ざらしというのも味気ないので、一応、簡単な屋根を付けている。周囲にはいくつもの家がある。僕が建てた豆腐ハウスだ。斜面を整地しながら平地を作りながら居住区を拡張しているため、施設を増やすにはまだまだ時間がかかる。
少し歩き、少し大きめの家にはいる。僕の家であり、会議室でもある建物だ。ノワール、ステラ、ウィルに
作戦が終わったらこの部屋に集合するように伝えてある。
会議室に入ると既に僕以外全員が席についていた。
「遅くなってしまいましてすみません。入り口を塞ぐのに、思ったより手間取りまして」
一言断りを入れてから僕は席に着いた。
「さて、それでは始めましょうか。冒険者達はダンジョン内への閉じ込めに成功。後は予定通り、放置して餓死するか、弱るまで放置するつもりです。生死はこちらでわかりますので、しばらく待ってみて死なないようでしたら、その時にまた考えましょう」
「特に異論はないぞ、主殿。どのくらい放置するつもりだ?」
腕を組みながらステラが質問をする。
「水がないと人間は一週間で死ぬと聞いたことがありますので、一週間は放置してみるつもりです。それより早く死んでくれればいいんですけどね」
「エージ様、魔法を使えるものがいた場合は、水の補給ができるかも知れません。油断しない方がいいと思います」
「いや、あんな薄暗いところに閉じ込められたら頭おかしくなって一週間も生きられないだろ。きっと、数日したら保存食や水の奪い合いとか起きるんじゃないの?」
ノワールの指摘に、生活魔法の存在を思い出す。確か、ウォータの魔法で水を生成できたはずだ。魔法が使えれば、水の問題は解決できるが、水だけで人間がどれくらい生きていられるのか。それはわからない。だが、ウィルの言うことも一理あるな。閉じ込められて自暴自棄になれば、精神が持たないだろう。それに、松明の効果でダンジョンに敵対するものはダメージがあるはずだ。単純に閉じ込められるよりも厳しいとは思う。
「まぁ、とりあえず数日は経過を見て、問題がありそうならまた考えましょう。洞窟内の生存者が減るようなことがあれば、同士討ちが始まったと予定できますし……」
特に現状問題は無いので、まずは放置する。一週間後に全員が生き残っていたとしたら、その時に対策を考えればいいだろう。
「じゃあ次の問題ですけど、次の人間の動きはどうなると思いますか?ウィルさん」




