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「ふん。道理で隠れるのがうまかったわけだ。 どうせ一人じゃないんだろう。他の仲間はどうした?」
ステラが腕組みをしながら問い詰める。
「物音がするんで俺が先行で偵察していたら、あんたに捕まったんだ。痛ぇ!」
「あんたじゃない。ステラだ。」
「ステラさん。話が進まないので自重してください。」
ノワールが冷たい目でステラを見つめてそう言い放つと、ステラは舌打ちをした。
「チッ。分かった。続けろ。」
「わ、分かった。それで、仲間は俺以外に5人。しばらくたって俺が戻らなかったら町に戻ることになっている。町に戻り次第、今回のことをギルドに報告して今回の依頼は終了のはずだ。その後は本格的な探索が開始されるんと思う。」
ウィルの発言にドキりとした。ついにダンジョンが攻め込まれるのか。
「なぜ……。なぜダンジョンがあるかもしれないと思ったんでしょうか。人里は近くにないですし、我々の行動半径はそんなに広くなかったと思うのですが……。」
疑問に思っていたことが、つい口から出てしまう。
「教会から依頼があったんだ。どうも新しい使徒様が誕生したようでな。そいつのスキルが、どうも未発見のダンジョンの位置がわかるとか、そんな能力を持っているらしい。その裏取りが今回の俺たちの依頼だったんだ。まさか本当にダンジョンがあるとは思わなかったけどな。油断したよ。」
使徒。神から祝福された高位の神官だ。使徒となった瞬間に強力なスキルを与えられる。また、、教会はダンジョンを破壊することを目的に活動をしている。それが神の意思らしい。ノワールに教わったこの世界の常識の一つだ。
それにしても不幸なことだ。その使徒様のスキルとやらのせいで、ダンジョン発生からかなり早期に発見されてしまったことになる。
「なぁ、エージさん、だっけ? 痛ッ!なんで殴るんだよ!」
「ムカついたからだ。目上の相手なんだから敬意を持って話せ。」
「はぁ? まぁいいや。エージ様に頼みがある。」
「なんでしょう。」
「俺をここで匿ってくれないか! 頼む! 何でもやるから!」
勢いよく土下座をしながらウィルは懇願する。
「さっきも言いましたけど、ウィルさんは解放するつもりですよ。こちらに敵対しないのであれば、どうもしません。」
「それじゃ困るんだよ! モンスターになったことが神殿にバレたら殺されちまう! 今回みたいなダンジョン絡みの依頼の後は、モンスターになってないか検査されるんだ……。ここから追い出されたら行き場がないんだ! さっきまであんた達の敵だったかも知れないが、頼む、助けてくれ!」
単純にダンジョンの戦力が増えるのであれば、拒む理由はない。冒険者であれば、これから来るダンジョンへの『侵略者』の知識も豊富にあるだろう。
「分かりました。ウィルさん、これからよろしくお願いいたします。」
遭遇編のキャラステータスにウィルを追加しました。
また、活動報告に一部システム的な設定を呟きます。




