表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/53

32

「かっ、解放してくれるんですか? お願いします! 命以外でしたらなんでも差し出します!」

「あばれるな!」


 縛られた状態で必死に頭を下げようとして、ウィルは再度ステラに拳骨を落とされてしまった。ちょっとかわいそうだな。


「いや、難しいことをお願いするつもりはないんですよ。僕に服従して、うちのモンスターになってくれますか?」


 モンスターはダンジョンマスターに攻撃できない。モンスターにしてしまえばこちらの安全は保障されるので、秘密を漏らさぬように命令し解放すれば良い。こちらの心配事はなくなり、ウィルは晴れて解放される。ウィンウィンの取引だ。しかし、ウィルの顔色は優れず、微妙な表情のままこちらを見ている。

 

「あっ、モンスターになった後は解放しますので、安心してください。こちらに絶対に危害を加えないという保証が欲しいだけですから。」


 しばらくの沈黙の後、ウィルはモンスターになることを承諾した。


「分かりました。でもなるべく早く、帰らせてください。」

「ええ、できるだけそうします。ただ帰る前にいろいろ確認させてください。」


 スマホを取り出し、アプリでウィルが本当にモンスターとなっているか確認する。一覧の中にウィルがを見つけた。これでひとまず安心だ。


「念のため二つ命令します。今後はうちのダンジョンに敵対したり、不利になるようなことをしないこと。あと、この部屋にいる3人には嘘をついたり誤魔化したりしないこと。いいですね?」


 僕の問いかけにウィルはこくりと頷いた。緊張しているようにも見える。


「それじゃあステラさん、縄を解いてあげてください。」

「ああ、分かった。」


 さて、どうするか。ステラが縄を解いている間にウィルを開放する前に、何か確認することはないかと考える。近場に村や町はないかとか、冒険者のような存在がこちらを攻撃するような心配はないかとか。貴重な外の情報を持っているのだ。なるべく多くのことを聞きたい。


「エージ様よろしいですか? 彼に少し聞きたいことがあるのですが。」


 何から聞こうか迷っていると、ノワールから声をかけられた。ノワールも何か気になることがあるのだろうか。考えがまとまらない僕が聞くよりも、まず彼女に任せた方が良いだろうと思い先を促す。


「どうぞ、気になることがあれば聞いてみてください。」

「ありがとうございます。それでは、ウィルさん持ち物をすべて見せてもらってよろしいでしょうか。薬草やキノコを集めに来ていたということですが、どんなものが取れたのでしょうか。」


 予想外の質問にちょっと驚いた。確かにどんなものが取れるか教えてもらうこととは悪いことではないと思うが。

 ふぅと軽くため息を吐くと、ウィルはカード化した自分の持ち物をテーブルの上に並べだした。松明に、テント、弓矢など様々のカードがあるな。ナイフなんて無駄に6本も持っている。だがしかし、薬草や

キノコは見当たらない。というか、装備を見て感じたのだが、とても採取目的の装備には思えない。


「ウィルさん、あなたは何をするためにこの森に来たんですか。」 

「あぁ、全部話すよ。新しいダンジョンがあるかも知れないと聞いて調査に来た。薬草とかキノコの話は嘘だ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ