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石材を5~6枚集めた頃に、ふと小さい石を叩いたらどうなるのかと疑問が頭をよぎった。
試しに、足元に転がるこぶし大の大きさの石ころを叩いてみる。すると一度石を叩いたら石が消えてしまった。
「おっ?」
「エージ様どうしました?」
ノワールが手を止め話しかけてくる。
「いや、小さな石を叩いたらどうなるのか試してみたら、1回叩いただけで消えてしまったんですよ。」
「それは、カード化できなかったということですか?」
「そうです。ただ石が消えて、カードが出てこなくて。」
消えた石はどこでへ行ってしまったのか。消えてしまうというのは、こちらの世界でも異常なのではないだろうか。
「しばらく小さい石だけを叩いてみます。もしかしたら体積が足りないから石材のカードが出なかったのかもしれません。小さい石だけを叩き続けて、石材のカードが出ないか試してみます。」
そう言って小さな石を叩き続ける。腰を屈めて石を叩くのは腰に負担がかかりそうだな。
しばらく小石を叩き続けて疲れてきた。周囲には小さめの石がほとんどなくなってしまい、そろそろ石を探すのが面倒になってきた。もう2、3個叩いて何も起きないようであれば、やめようかなと思っていたところで、カードが出た。
名前:砂利
レア度:1
品質:C
説明:大量の小さな石。
うーむ。当てが外れたな。苦労して得たカードだが、使い道がなさそうだ。思わずため息が出てしまう。
「ふぅ。ノワールさん、大量の小さな石を叩いたら、こんなカードになりました。」
苦笑しながら、砂利のカードをノワールに手渡す。
「なるほど。理に適っていますね。」
感心したようにノワールが砂利のカードを見ている。その様子を見ているとなんだかおかしくなってしまい、思わず笑ってしまった。
「どうかしましたか?」
「いや、ノワールさんって真面目だなと思いまして。」
「?」
キョトンするノワールを見ていると、苦労して小石を叩いたことが、無駄ではないように思えた。
時計を見るともうすぐ11時半か。昼休みまであと30分と一瞬考えたが、今は仕事中ではないのだから気にしなくていいやと思い直す。何も問題ないはずなのだが、なんだか落ち着かないというか、これから少し悪いことをするような気持ちになる。
「少し早いですけど、休憩にしましょう。お昼ご飯の準備をしてきます。ノワールさん、苦手なものはありますか?」
「いえ、苦手なものはありませんが、頂いてもよろしいのですか?」
「ええ。一人で食べても楽しくないですからね。申し訳ないですけど、お昼ができるまで少し待っていてください。」




