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 「モンスターになることのメリットは、先ほどもお話ししたように食事がいらなくなることと、食事によりレベルが上がりやすくなることです。

 生物がレベルを上げるためには、大きく、食事をとること、作業や訓練をすること、生物を殺すことの3つがあります。モンスターの場合、生命維持活動のための食事が不要なため、食べたものはすべて体の強化につながります。

 そのため、モンスターとそうでない生物が同じ生活をした場合に、必然的にモンスターの方が高いレベルとなります。」 

「ダンジョンを運営する側からすると、大変ありがたいメリットだね。」

 特に食事が必須ではないことが大きい。軍隊を維持するための兵糧や兵站がいらないようなものだ。


「次にデメリットについて説明します。一番大きいデメリットは、子孫を残せなくなることです。既に妊娠している場合は問題ありませんが、モンスターになってからは、妊娠をすることもさせることもできなくなります。」

「ちょっと待って。それは、僕もなのかな?確認だけど、ダンジョンマスターはダンジョンに所属していることになるからモンスターと考えていいんだよね?」

「おっしゃる通りです。エージ様はダンジョンマスターなので、モンスターでなくなるためには、他のダンジョンマスターの配下に加わった後、放逐されなくてはいけません。ですので、モンスターでなくなることはかなり難しいかと思います。

 その、妊娠させることがができなくなるということでして、子供を作る行為は可能です…。ご心配されているのはそちらでしょうか?」


 声が徐々に小さくなり、ノワールの顔が、少し赤くなった気がする。なんだか焦る。思わず目が泳いでしまう。これは逆セクハラなのでは?


「いや、だいじょうぶでしゅ。続けてください。」

 噛んでしまった。全然大丈夫じゃない。


「はい。それでは説明を続けさせていただきます。」

 早く続けてくれ。


「他のデメリットとして、モンスターはダンジョン領域以外ですと、傷が治りにくくなります。そのため、ダンジョンの外で戦う場合は、注意が必要です。

 最初のうちはダンジョン領域から遠い場所にモンスターを送り込むようなことはお勧めできません。」

「なるほどね。傷の治りにくさは、どの程度変わるのですか?」

「同じ怪我をした場合、ダンジョン領域の外では、完治するまでに2倍の時間がかかるとお考え下さい。」


 ちらりと時計を見ると、まだ9時過ぎか。

「よし、じゃあ全員集合。指示を出すのでそこに種族ごとで並んでください。」


 一応、初めての指示なので少し真面目にやりたいと思い、モンスター達を整列させた。並ぶのが遅かったゴブリンを、ゴブリンリーダーが殴っているな。ノワール以外の配下はしゃべれないが、こちらの指示はわかってくれるようだ。

 「いまから、全員で洞窟周辺の森の探索をお願いします。

 ゴブリン達は、木の実や薪なんかの、使えそうなものがあったらここまで持ってきてください。グレイウルフは狩れそうな動物がいないか探して、できれば仕留めてきてください。大トカゲは食べれそうな虫を探して食べて、レベル上げを頑張ってください。

 ダンジョン領域からあまり離れず、危険を感じたらすぐにダンジョンまで戻ってきてください。また、昼の12時にはこの場所に集合のこと。以上!」


 結局、ノワールのアドバイス以上のことが思い浮かばず、指示した内容はほぼそのままだ。グレイウルフと大トカゲは、うまく連携できないような気がしたため別行動にした。

 指示を受けたモンスター達が森に入っていく。それを見送りながら、次に行うことを考える。


 


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