ダンナ短編集
―――またもや、喧嘩の原因も忘れる些細なコト。
あの日も、私が一方的にダンナにマシンガン文句を言っていた。相変わらず、ダンナは余裕のスルー。
私「―――このハゲタコがーっ!!」
するとダンナが、珍しくすっと振り向いて、
ダンナ「タコはやめて!! イカにして!!」
……。
………。
この言葉に、一気に怒りのボルテージはダウン。
脱力した私はこのダンナの言葉に、一言も言い返せなかった。
……。
あ……、ハゲは別にいいんだ……。
■ ■ ■
ある夜、私が洗面所に行くと、ダンナはお風呂に入っていた。
既に出ようとしているのか、フェイスタオルで身体や頭をガシガシ拭いているのが、若干透けているお風呂の扉から見える。すると、
ダンナ「いまのうちに髪の毛拭いておけば、ドラちゃん使わなくて済むしな~」
独り言が聞こえた。
ドラちゃん……?
ドライヤーのことか?
……。
―――はっ!!
それは、バスタオルのコトであった。
今日も我が家のバスタオルの柄は、ドラえもんである。
■ ■ ■
私は大のゲーム好きである。
付き合っていた頃から、ウチにダンナを呼んで、一緒にピコピコとゲームをしたりしていた。
結婚した今も、家事や仕事の合間を見計らい、PS3やPSPに熱中。
そんなある日、私が寝転びながらゲームをしていると、
ダンナ「そういえば最近、マイティボンジャックで遊んでるの?」
と、聞いてきた。
え?
マイティボンジャック? 何それっ!? そんなの私、持ってたっけ!?
混乱している私の顔を見ながら、ほら、あれだよ~と、手振りで教えようとするダンナ。
ダンナ「オレンジ色の身体で鼻が長くて~、あ! なひょーんって言うヤツ」
なひょ……?
………。
…………え、まさか。
クラッシュバンディクーのことでした。
……もうホント、いい加減にしてよ。
お読みいただき、ありがとうございました(*^_^*)