nightswimming 1
7月の話。
毎日、毎日、暑い日が続いた。
実家暮らしながら、申し訳ないと思って、昼間はエアコンは我慢していた。
そんな頃、遠方で働いていた友人が、一足早く休暇を頂いて、帰ってきた。
いわゆる
「じもってぃ」
地元の幼馴染だった。
「幼馴染」
変な期待をしてはいけない。
同性の友人で、その日は二人でお酒を飲んで。
友人には申し訳ないと思いつつも、私の財布の事情から当然、家飲みで。
それでも彼は笑ってくれた。
いっしょに昔話に花を咲かせた。
特に盛り上がるのは中学時代の話。
卒業アルバムの顔写真の事は、いつ話しても笑いの種だ。
「この一列やべぇ」
とかいって、昔のアルバムをわざわざ出してきて盛り上がるのだ。
そんな話をしているうちに。
「中学校に行ってみよう。」
「中に入ってみよう。」
という話になった。
私は今、割と、世捨て人なポジションにいる人間なので。
仮に、警察のお世話になっても、問題はないけれど。
彼は違う。
気がかりなので忠告することにした。
「大丈夫、大丈夫!」
正に二つ返事。
忠告なんてお構いなし、と言った感じだった。
彼はもともと、こういう性格なので、言っても無駄だと思っていたけれど。
深夜の学校に無断で入る・・
ドラマならともかく・・・
でも、たぶんこの流れは変わらないな。
そう思った、実際少し興味があったし。
彼は
「幽霊(笑)」
という人物なので。
大物なので。
一緒のノリで話していると、怖いという気持ちは起きなかった。
続