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Angeloser -エンジェルーザー-天使に押し付けられた能力で無双をできる訳でもなく…  作者: 野村陸翔
プロローグ

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2/8

二話 

貴方あなたは死にました。残念ですね」


  淡白な声が無慈悲な現実を告げた。

 神々しい空間だった。

 この世のものと形容するには失礼に値するほどにこの空間は神々しかった。

 その神々しい空間に神々しい椅子があって皇后みたいな恰好をした女の子が座っていた。その女の子が言ったのだ。


「可愛い……」


 一言目に出した言葉は選択を失敗した。


「はい?まあ。それが世界の摂理ですけれど……。口説くどいているのならもっといい言葉がいいですね」と言った。


 なんだ?顔がいいからってちょっと調子に乗っている女とか嫌なんだが。はあ。気分が悪くなった帰らせてもらおう。

 え?待て。どこに?


「あの……何言ってんだよ?」

「何を?口説く言葉ですか?それを女にいてどうするんですか?」

「違う、違う。もっと前、開口一番のその……」

「だから、貴方は死にましたと、毒殺でひょひょいと」

「それでも意味が分からないだろ」


 理解が全く追い付かない。そんな記憶があったのかどうなのかすら怪しい。

 思い出そうとすると頭を殴られたような痛みがする。

 それがもどかしく涙が出てくる。今までの人生の素行が最悪だったと自覚しても生をもう謳歌おうかできないと考えるとぽっかり穴が開いたような気がするのだ。


「どうして涙を流しているんですか。そんなに人生良かったんですか」

「まあ。そうだよ!そうだ。返せ。俺の人生」

「そんなこと言われましても……。それは貴方の経済的負担を負担していたモノノベ財閥の社長に言ってください」

「うるせえ!あたれる人が居れば何でもいいんだよ」

「なんてヤケな」

「一回一発殴らせろ」

「はあ?」とそんな言葉を聞くまでもなく拳を作りながらその女の子に走って行った。


 あたふた、あわあわする女の子ではなかった。ただ冷静に「しょうがないか」と一言吐いて、女の子の人差し指から光のビームが出た。いやホント、ビームが出た。ビームとしか言えないものが出た。

 そのビームは無慈悲に俺を貫いた。貫いて俺は地に伏せた。


「安心しなさい。それはちょっとだけ死ぬのが怖くなくなる治療ですよ?あらゆる異世界転移者に打ち込んだ優れもの。まあ。聞いていないか」


 ややその女の子の口角が上がった。それを見るものは誰もいないのだが。

 それからしばらくして岡村おかむらチハヤは体を上げた。


「ここはどこ?お前は誰なんだ?俺はどうなっている?」


 記憶喪失のテンプレートな文言を吐いた。


「あ。最初からですか。設定少々ミスりましたね。まあ。良いか……」


 何やらこいつはブツブツと耳障りなものだ。


「貴方は死にました」

「そうですか」

「うん。生への固執は減少したね。OK」

「なんですか?そんなさっきからブツブツと言いたいことあるんなら直接言ってくださいや。殴って差し上げるんで」

「いえいいぇ、何でもないですよ。無視してください。こほん。ここはですね。生とも、死とも、天国でも地獄でもないとこです。分かりやすく言うなれば最後の審判」

「最後の審判?」

「ええ。貴方がどうなるのか決めるのが私の役目なんですよ?」

「そんな偉いように見えないが?乳臭いガキにしか見えないが」

「イラ」


 おっとムカつかせてしまった。


「まあ。この際その無礼も許しましょう」

「許させてあげよう」

「クソガキがあ。微塵切りにしてやる」


 上から目線で話しただけなのに怒り心頭に発したのか、その女の子は胸元を掴む。首を宙づりにしようとする。


「そんなに怒ると血圧上がりますよ?」


 余計、彼女の怒りを増進させるように言ってやる。

 彼女は怒髪天どはつてんく勢いで襟元はしまっていく。


「クッッ。こんなことしても大丈夫なんか?多分神様的な人だろ。ここで不祥事なんて起こしたらどうなるか分かったもんじゃないだろ?」


 俺は保身のために脅した。脅し材料はあくまで全て憶測である。タダの妄言もうげんにも取られるかもしれない言葉なので、逆に逆撫《さかな》でしてしまうかもしれない。一か八かである。


「あ……」


 彼女は手を緩めた。どれくらい緩めたかと言うと俺の首を宙づりのまま置くような、投げ捨てるようないい加減な手の離し方だった。


「ヤバい。ヤバい。私の完璧なキャリア計画が……全て破綻する……せっかく秘密裏に手を引いて《《死んでも良さそうな人を殺したのに》》……」

「は?」


 聞き捨てならない言葉を吐いたぞ。こいつ。


「何だって?俺が死んだのもお前のキャリアアップのために死んというか殺されたのか?」

「へへっ」


 可愛さを前面に押し出し、彼女はにこっとした。可愛いと一瞬騙されたけれど、許されるかよ。すかさず、俺はそれに激昂した。


「ふざっけんなああああ。俺の高尚こうしょうな人生を返せええええええええええ」


俺は殴りかかろうとした。しかし、彼女はビームを俺の脳天目掛けて適格に打ってくる。衝撃で俺は倒れた。

 

「ハハハっ。間一髪。こんなとトラブルがあろうかと天界は記憶を消去する能力も与えてくれるのです。これで証拠は隠滅ですね。アハハ。これも全て貴方が勘が良すぎるのが良くないのよ」


 俺は起き上がった。

 何もかも分からない。


「ここはどこですか。貴方は……」

「残念ながら貴方は死にました」



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