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アンコモンユーザー  作者: 大神パン


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7/12

公正な取引

FF14のヘビィ級が来るまでに、私はこれを書ききれるだろうか?それはそれとして、レイド楽しみです。

それはそれとして、マテリア代が全然無い…。どうしようか…。

 ◆◇◆◇◆◇ 

 ーーー『探索者の仮宿』へ簡易移動しました。


 先ほどの魔猪を倒した後、プレイヤー達が一番最初に必ず通る初期街こと『ルートレス』で、チュートリアルの案内を受けた後に元の鳥人の村まで戻る。

 一度通過した街や拠点は、自動的にブックマークされて"簡易移動"…言ってしまえばワープする事が出来る。

 勿論、名前の通りゲーム内処理的にはしっかりと移動しているのか、移動費はしっかりと消費されている。…何なら意外と馬鹿にならない額だ。

 カリンがゲームスタート時の拠点こと『探索者の仮宿』まで戻って来たのは、例の”魔猪の心核”の取引の為だ。

 どうやら、初期街で取引するには不都合な品らしい。それに、アンコモンも手持ち金が足りないので卸してくるとか言っていた。


 (あれかな?ちょっと高級品だから、人目の少ない所で取引したい…みたいな感じかな?)


 鳥人の初期拠点『探索者の仮宿』は、一見するだけでもスカスカだと分かる。鳥人族の特徴を考えると、今なら不人気の理由も分かる。

 間もなくして、アンコモンがやってくる…が、両手にアタッシュケースを持っており物々しい。


「お待たせKarinさん。わざわざコッチまで来てもらって助かるよ。よいしょっと。」

「いえいえ…それにしても大荷物ですね。取引以外にも何か?」

「?ああ、そうか。初心者だとまず見ないからね。これは"マネーケース"っていうアイテムで、ゲーム内通貨を入れて手渡せるアイテムだよ。マーケットを経由しない通常取引だと上限額が決まってるからね。取引の手間が省けるから、高額取引の際には必ず持ってきているんだ。」

「へー……。……高額取引?」


 アンコモンさんの説明を逆説的に考えると、通常取引の上限額でも足りない取引が行われるという事だろうか?

 いやまさか。

 習慣的に持ってきているだけだ。そうに違いない。


「さて、取引内容の確認をしよう。"ワイルドピグレッドの荒皮"が18枚に、”魔猪の心核”が1つで良かったかな?」

「あ、出来れば他の使わなそうなモノも、出来れば引き取ってもらえますか?全然使い道が見当たらなくて…。」


 ボスドロップの皮や牙、探索道中で手に入れた草やら石も、自身の所持品欄をやや圧迫している。直ぐに使わないなら、使える人に渡すべきだろう。


「チュートリアルマップで手に入る物だと……、Karinがサブ職業に興味が無ければ今買い取るよ。」

「サブ職…。確か、戦闘や探索以外の職業でしたっけ?」

「そうそう。モノを作ったり、土地を広げたり、建てたりできる職業。如何せん時間も金もかかる分野だから、初心者向けとは言えないけどリターンも大きいからね。」

「んー……。保留と言うことで、持っておきます。すいません、皮と核の取引のままでお願いします。」

「それじゃあ、肝心の取引価格なのだけど…、荒皮の市場価格の税込平均値が5500C。心核は600.000Cだ。そこから10%を上乗せして、合計768.900Cで買い取ろうと思うけど、如何かな?もちろん、ご足労いただいた足代も別途渡させてもらうよ。」

「ーーー????」


 私の聞き間違いじゃなければ、とてつもない金額を提示された気がする。

 少なくともチュートリアルでは100Cで購入できる、即時回復の回復薬が"高額な貴重品"として紹介されていた。足代とは言っているものの、ルートレスから探索者の仮宿の移動費など5Cだし…。なんなら、現在の私の全財産は400Cだ。ちょっと装備更新しようか、節約しようか考えていたのが馬鹿に思えて来る。


「UnCommonさん?桁間違えて無い?チュートリアルで得られる金額じゃない気がするのだけど…。」

「誠に遺憾ながら桁間違いはしてないよ。現在、荒皮等の素材が超高騰していて、普段の14倍近くの値段になっているんだ。あ、心核は昔から高いけどね。」

「ふぇぇ…。」


 驚きのあまり、情けない声が出てしまう。確かに、こんな金額の取引を、大勢の前で出来ないのも頷けるし、心核を適正価格で買い取ると言った時のアンコモンさんの表情も理解できる。


「……先程の金額でKarinさんが合意したら、この取引は完了だ。」

「合意は全然構わないのですけど…、本当にこのような金額貰ってもいいのでしょうか?こう…お金って苦労して集めるモノでは?」

「うん。そこはコチラも懸念している。初心者に大金を渡す…というよりは、大抵の人が大金を手に入れると、そのお金に依存してしまう事が多いからね。」


 はははと、乾いた笑いで眼を逸らしながら答えるアンコモン。実感が籠った言い分だ。

 実際、カリンも大金を得られたのは嬉しいものの、使い道が今の所無いのも事実だ。文字通り宝の持ち腐れ。

 どうしようかと考えていると、アンコモンが3枚の紙を提示してくる。紙にはカーソルが表示され、それぞれゲーム的にもアクセスできるみたいだが。


「メッセージカードという消費アイテムでね。早い話、チャットだと共有が難しい長文用の資料だ。一括コピーもできるし、一部界隈ではメッセージカードを使ったアート界隈もある。」


 3枚のメッセージカードには『各マーケットについて』『金のかかる趣味』『2037年7月市場価格調査資料』のタイトルが表示されている。


「詳しい内容はメッセージカードを見てほしいが、軽くお金を使った楽しみ方を案内しようかとね。もちろん、全て無視して貯金するのも手だが、序盤からモチベーションを上げていくのは大切だからね。」

「モチベーション…。やっぱり、装備を強くしたり、ガチャしたり?」


 スマホに入れているソシャゲでは、大抵キャラクターの育成でお金が莫大に消費されていくが、何分カリンはこういったMMORPGは初めてだ。だが、ガチャ等で高レアリティのキャラクターや、好きなキャラクターが引ければモチベーションはとても高くなる。


「このゲームでガチャが実装されたら阿鼻叫喚だろうね。んー…Karinさんはオシャレには興味あるかな?自分自身の分身であるキャラクターに、自分好みの格好をさせる。オンラインゲームでも、非常にポピュラーな楽しみの一つだ。」

「オシャレ……オシャレですかぁ……。」


 自分のキャラクターを見回す。最新ゲームのグラフィックには遠く及ばないまでも、それなりの3Dモデル。自慢ではないがキャラメイクに2時間以上も掛けたのだ。そのキャラクターを着飾れるとなると……少し気になってくる。


「次に付属品だ。コッチは高額になりがちだから、纏った収入が得られる環境になってからをおすすめするかな。付属品の具体例としては、ペットや騎乗生物、従者や偵察隊だね。要は、君に見せたアレやコレだ。」

「ああ。あの大怪鳥とNPCの。」

「NPCに関しては、チュートリアル固有だけど……まあ、似た形で自分だけのNPCを保有する事もできるね。もちろん、雇用費用として定期的にお金が引かれていくから、付属品を購入する際は注意が必要だよ。」


 確かに、自分好みのキャラクターを作ったりして仲間に出来るコンテンツは魅力的だ。ただ、いざ作ってみようかと思っても中々コレといったキャラクターを作れる自身が無いのも事実だ。カリン自身も、他のゲームからの引用みたいなモノだし…。


「最後は、サブ職業の育成だね。いわゆる先行投資かな。サブ職は≪建築士・錬金術師・発明家・鑑定士・料理人・開拓者≫の6つあるのだけど、オススメは鑑定士と錬金術師かな。序盤でも役立つし、後々の金策にもなるから選択肢が多い。同時に、サブ職専用装備や経験値稼ぎに鑑定遺物や錬金術素材が必要となるから、どうしてもお金がかかるんだよね。」

「……もしかして、心核とかも…?」

「ご名答。これは発明家で使う素材だね。極端な話、楽して経験値稼ぎするイコール莫大なお金が必要なのさ。」


 確かに、心核とかの超高額素材が必要と言われれば、確かにまとまったお金が無いと難しいだろう。

 アンコモンさんが丁寧に説明してくれたのは嬉しいのがだ、余りにも選択肢が多すぎて中々選びにくい…。できれば他有識者の意見が欲しいところだが…。

 ふと、思いついたのは姉の存在だ。気は進まないが、絶対に有力情報を持っているという確信もある。


「……ありがとうございます。ちょっと考えてみます。」

「そうするといいよ。形はどうであれ、君が正しく得たお金だからね。どう使うかも君の自由さ。じゃ、取引を完了するね。」


 こうして、カリンは一日で小金持ちになった。

 

 ーーーーーーーーーーーー

 名前:Karin

 探索Lv:6

 職業:守人 /Lv:6

 サブ職業:-- /Lv:--

 装備:古びた守人槍(要レベル3/ノーマル/専装)

 ーーーーーーーーーーーー

 名前:UnCommon

 探索Lv:80

 職業:魔獣使い /Lv:80

 サブ職業:発明家 /Lv:80

 装備:鳥葬の杖(要レベル60/エピック/汎用・固定・強化不可)

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