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アンコモンユーザー  作者: 大神パン


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12/12

解決策

FF14のパッチ7.4が来た影響で、執筆時間が少なくなってしまった。

極トーマスはしばき倒しました。あとは来年までに新式装備を量産するだけですね。

 F.Oにはレベルシンク機能が存在する。

 5回目の大型アップデートを得て、現在の最大レベルは80となっており、低レベルと高レベルの差は圧倒的なモノとなっている。その為、高レベルプレイヤーが初心者と遊ぶ際にはゲーム性を損なってしまう。そこで使用されるのが、低いプレイヤーに合わせてレベルやステータスが調整されるレベルシンク機能だ。高レベルプレイヤーにメリットが少ないと思われがちだが、レベルシンク機能を利用してパーティーを組めば、相応の報酬が貰えたりする。レベル差があるPTでも機能を使えば、双方に旨味があるように設計されているのだ。

 逆に、レベルシンク機能を強制的に使わなければならない箇所もある。それが、チュートリアルでもあったランダムマップエリアだ。F.Oの世界には、様々な場所に『探索地』と呼ばれるランダムマップエリアが設定されており、探索地内では希少なアイテムや装備が入手できる上、最奥に設定されているボスを倒す事で大量の経験値や限定アイテムが入手できる。既にレベル上限に至っても低レベル帯の探索地に訪れる理由は大抵がソレだ。アンコモンも例外に漏れず、チュートリアルエリアすら周回するハメになった訳だ。

 一方、低レベル帯やストーリーを進行している者にとって、入手しても使い道の無いアイテムが所持品欄に溢れる事が多々ある。だが、ルートレスといったプレイヤータウンの市場に流す事によって、何故か高額で売れる事が多い為、低レベル帯の金策としても機能しており育成に一役買っている。

 

 そういう訳でF.O自体は、高レベルプレイヤーと初心者が遊ぶ事に関してはルールが整備されている為、双方に旨味がある仕様になっている。つまり、カリンがアンコモンに手伝いを依頼する事は、双方にとっても悪い話ではない…のだが。


 (やっぱり、こちらの都合で効率的なレベリングを教えてくれとか言うのは間違いなんじゃないかな?しかも、一週間以内に30レベルまででしょう?)


 現在のカリンの探索レベルは17。守護者の職業レベルは20になった。この間約二週間だが、これでもけっこうハイペースで進めたつもりだ。それこそ、今後の探索地エリアを全て初見でパーフェクトに攻略し続けでもしない限り、無理な気がする…。

 幸い、イベントムービーやストーリー会話が多くは無いのが救いかもしれないが、その分探索速度に依存している為、自力が求められる。それこそ、最高なのはアンコモンさんに頼り切って攻略を進める事だが…。


 (いや、私達はパーティー上限の4人で攻略してるから、逆にパーティーに入って貰うのは難しい?いやいや。私はアドバイスを聞きに来ただけで、手伝いまでは…。)

Karin(カリン)さん?店前でどうしたのかい?」

「わっ!?」


 店前でウロウロしていたら、前回の様に光りの柱で戻って来たアンコモンに声を掛けられる。また不審者をしてしまったようだ。

 ここまで来たら、流石に何も無しで帰る訳にはいかない。とりあえず相談してみる事にした。


「えーっとですね…。実は相談があって来ました。」

「相談?いいよ。素材の加工方法とかかな?それとも探索地の攻略?」

「どちらかというと後者ですね…。実は……。」


 アンコモンに事情を話す。来週に配信者主催の参加型イベントがある事。そのイベントはレベル30で到達できる外征イベントである事。そして、既に参加表明を出してしまった事。…流石のアンコモンも苦笑いしている。だが、聞く姿勢自体は真面目で、取り合ってくれない訳では無さそうだ。

 

「ふーむ…。成程。道理で最近初心者が異様に増えてた訳だ。有名配信者の影響かぁ。それは盲点だった。」

「はい。…私達のグループも、配信者の影響で始めた者なので他人事という訳ではありませんが。」

「さて、Karin(カリン)さん。ぶっちゃけ、当日までにレベルを上げて、イベントに参加するだけというなら、結構簡単だ。」

「そ、そうなのですか!?」


 流石有識者というべきなのだろうか。予め攻略サイトを覗いて、レベリング手段とかを軽く確認したが、複数人向きでは無かったり、大量のお金が必要だったりと、私達4人では現実的ではないモノばかりだ。


「多分、二日あれば行ける。」

「ひぇ~…。」

「ただ、Karin(カリン)さんも身を以て感じてると思うけど、このゲームはレベルも重要だけど、それ以上にプレイスキルで差が開きやすいゲームだ。スキルの理解度。位置取りの上手さ。柔軟な対応力。リアルプレイヤ―能力も、レベルに応じて難度が増えていく。」

「それは…確かにその通りです。実際、昨日も氷土の中ボスでヒーヒー言ってましたからね。適正レベル以上の筈なのに。」

「氷土の中ボス…《アイス・カトブレパス》かな。確かに、"凍りつく視線"の攻撃は、気付きにくいからね。」


 昨日苦戦していた中ボス《アイス・カトブレパス》は、氷洞窟の中で戦う、牛のような怪物だ。"凍りつく視線"は、戦闘中に敵を目視していたキャラクターに対して10秒の行動不能を付与してくる攻撃だ。更に言うならば、その直後に、地響きを起こして洞窟のツララを落としてくる。行動不能キャラは直撃して即死してしまうようで、特に壁役であるカリンも何度か直視してしまった。ネタさえ理解していれば、対応できるが未だ咄嗟に振り向くという行動に慣れていないのも事実だ。

 

「それに、Karin(カリン)さん達の目的が外征イベントともなれば、相応のプレイヤースキルも求められる。流石に配信者のチャンネル内で下手な姿を見せるのは、君たちが望むところではないだろう?」

「も、もちろんです!」

 

 言われてみれば確かに。レベルを上げて装備を整えたとしても十全に使いこなせて無ければ、宝の持ち腐れと言ってもいい。実際、自分たちが簡単に探索レベルを30まで上げて、十全な装備や道具を揃えても、スキルや効果が分からずに右往左往する未来が見える。


「だから、Karin(カリン)さんの言う配信に参加するなら、レベル上げと同時に操作する本人の技量も磨かなければならない。これは、Karin(カリン)さん達のモチベーションがおおいに関係してくるんだ。なんせ、簡単な事では無いからね。」

「モチベーション…。大丈夫だと思います。その配信者の為にゲームを始めてる訳ですし…むしろ、色々な意味で後に引けない状況ですから…。」


 横目で友人グループのチャットを見ているが、正に阿鼻叫喚な惨状だ。まるで、蜘蛛の糸にでも縋りたい程に切羽詰まっている。


「そういう訳なら…協力しょう!可能であれば、明日を使って訓練しよう。具体的な時間だが…」

「…え!?い、いいんですか?は、はいっ…時間ですね!えーっと…。」


 思わず流れで、明日の約束を取り付けてしまった。

 アンコモンは、明日の為に協力者を当たってみるとかで、直ぐにどこかにいってしまったが…。

 …カリンは内心ガッツポーズをとりながらも、友人グループのチャットに解決の目星と、明日の予定について調整した。


[深緑の守人槍](要レベル30/エピック/専装)…バニラ版(DLC抜き)の最終ダンジョンを攻略する前に製作可能に武具。通称《深緑(ふかみどり)シリーズ》。対抗馬として《外征探索シリーズ》があるが、入手何度的には深緑シリーズがお手軽。装備性能としては、元となっている新緑シリーズと同じで最大HP・攻撃力に大幅の補正が入る。

 

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