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8話

 私は、やっと書き終えた作品を持って出版社へと向かった。

 いつも通り馬車の御者には先に帰ってもらい、そしてソラさんの待つ部屋へと着いた。

 出来上がった原稿を渡すと、ちょうどお茶を持ったきてくれた人が

「いよいよ完成したのですか? 

楽しみですね」

 と言って出ていった。


 その後、先日ラミナさんから渡された小説の感想を伝えると

「そうなのよ貴族、平民問わず大人気でね、ライバル社の人だけど大したものだと思うわ」

 そして

「この完成した作品も楽しみだわ

後でゆっくり拝読しますね」

 と言い

「題名はもっとインパクトのあるものを皆んなで考えませんか?」

 と言われたので

「そうですね、取り敢えず読んでください。今回のものは少し実体験も織り交ぜてみたので、かなりリアルなものなんです」

 と言って出版社を後にした。


 その後、約束をしていたエマ先生のお屋敷に向かった。

 エマ先生は私に会うと

「私が提案したとはいえ、その前髪はかなり鬱陶しくなくて?」

 と笑っている。

「確かに鬱陶しさは感じますがこれも身を守る為なんで我慢します」

 と言うと

「年頃の女の子がお洒落もできないなんて悲しいわね、今度また社交界でも一緒に行きましょうよ」

 と言ってもらい

「確かに先日の王宮ではとても楽しかったです。それに次回作の参考の為にも是非お誘いください」

 とお願いをした。そしてエマ先生に

「年頃の女の子ではなく一応形だけですが人妻です」

 と付け加えた。

 するとエマ先生は

「あら、そういえばそうなのよね、すっかり忘れていたわ」

 と笑っていた。

 そしてこんな生活いつまで続けるつもりなの? と聞かれたが、取り敢えず不便もないので、完全に小説家としてやっていける自信がつくまではと考えています。

 と答えて

「思った以上に快適なんですよ。お陰で見てください、この手もすっかり元通りになりました」

 と言うと確かに実家にいた頃に比べたら幸せなのかもしれないけれど、女性としての幸せはこのままでは一生やってこないわよ。

 と言われてしまった。

 只、今は小説を書くことだけに没頭したい。

 いつか私にも愛せる人、愛してくれる人は現れるのかしらと考えたがやはり今はもう少しこの自由を満喫したい。

 

 先生は

「まあ、今は急ぐ必要はないのだから好きにやってみるといいわ」

 と言ってくれた。

 そして私は先生にいつも心配していただきありがとうございます。

 とお礼を言って、先程提出した新作の題名を皆さんでインパクトのあるものにしようということになりましたので是非、先生にもお知恵をお貸しくださいとお願いをしてから先生のお屋敷を後にした。

 最近、執筆ばかりで体がなまっていた私は、辻馬車が拾える所まで散歩がてら歩きたいと言って先生のお屋敷を後にした。

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