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《完結》とんでもない侯爵に嫁がされた女流作家の伯爵令嬢  作者: ヴァンドール


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4話

7月5日より毎日4話ずつ投稿させていただいています。

 教会での結婚式は、吹き出しそうになるのを抑えるのに苦労した。

 変装をした私の姿を見た、皆さんの唖然とした顔といったら、今、思い出しても笑ってしまう。

 是非、エマ先生やソラさんにも見せてあげたいなと思わずにはいられなかった。


 お陰で誓いのキスも省略されたくらいだ。

 結婚式まで伸ばされた髪は目を覆い、大きめの黒縁眼鏡はウエディングドレスを台無しにするほどには効果があった。

 おまけにおさげの髪型も。

 少々やり過ぎ感はあったが、まあ、これからのことを考えればこのくらいで丁度良いかと。


 継母は遠くから睨んでいたが、後の祭りだ。

 それより基本実入りがあるので機嫌良く、さっさと帰って行った。

 侯爵様のご両親は、こんな私にも気遣ってくださるほどお優しい方たちで、その優しさがかえって心苦しかった。

 

 当の本人である侯爵様は憮然としたまま話しかけてもこない。

 愛人のマリアさんは蔑んだ表情を向けてくるが、私の姿には嬉しそうだった。


 そして、予定より早く王都に戻ることとなり、侯爵様のご両親にお別れの挨拶を済ませてから馬車に乗った。


 中にはいつからいたのか、マリアさんが身を潜めて乗っていた。

 馬車の扉が閉まるとすぐに、侯爵様の隣りにべったりと張り付くように座り、前の席にいた私は居ない者として扱われた。


 王都までの道のり、私は只、寝たふりをして過ごし、途中、宿泊した宿では一人部屋だったので、ひたすら執筆作業に励んでいた。

『なんて充実した時間かしら』

 そう心で思いながら。


 そして、王都にある侯爵様のお屋敷に着くと、流石は侯爵家、使用人の数も多く、皆さんがお出迎えをして下さった。


 普段使いのドレスに着替えたとはいえ、私の外見に皆さん見入っていたが、侯爵様とマリアさんが先に降りると皆さん頭を下げた。


「お帰りなさいませ」

 

 そして、後から降りた私には、エスコートせず先に降りた侯爵様に代わり、一人の男性が手を差し伸べて下さった。


「奥様、私が執事のジョンソンです。これから宜しくお願いいたします」


 と、丁寧な挨拶をしてくれた。

 それに続き今度は女性の方に挨拶された。


「私がメイド長のミレーヌで、後ろに控えている子が奥様付きのメイドのリサと申します」


 こちらも丁寧に紹介をしてくださった。

 私も皆さんに向かって会釈をしながら挨拶をした。


「今日からこちらでお世話になりますアンリといいます。宜しくお願いします」


 そして早速、私の使うこととなった部屋へと案内された。 


 そこは、とても清潔感があり、思った以上に広々としたお部屋で、机まで用意されていたので、思わずテンションが上がってしまった。


 あれほどこの結婚に落ち込んでた日々が、こんな自由で幸せな日に変わるなんて夢のようだわと思いながら、頭の中には次々と新しいストーリーが浮かんできて、すぐに紙にペンで書き留めていた。


 今までは朝から夜遅くまで働かされながら時間を作っていたのに、これからはその全ての時間を執筆に回せると思うと、この結婚そのものに感謝さえしたくなった。


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