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《完結》とんでもない侯爵に嫁がされた女流作家の伯爵令嬢  作者: ヴァンドール


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10話

 帰り道は、エマ先生の子爵家の馬車に乗せていただき、侯爵邸まで送っていただいた。

 馬車を降りると、ちょうどそこに旦那様とマリアさんが、親密な様子で出かけるところが目に入った。

 二人は私たちには目もくれず、旦那様は馬車にマリアさんをエスコートしながら乗り込んだ。

 そんな二人を尻目に、私はエマ先生をお誘いした。


「もしよろしければ、お茶でもご一緒しませんか?」

 

「そうね、邪魔者がいないのならご馳走になってゆくわ」


 私は早速リサに、二人分のお茶の支度を頼み、私室へと先生を案内した。すると先生は呆れた顔で聞かれた。


「あんな場面を毎日見ているのよね、貴方が心配する気持ちも分かるわ」

 

 そう言って、ため息をつかれてから言われた。


「遠回しな事などせずに、子供を貴方が産んだことにしろと言われたら、教会裁判所に訴えると言えばいいのよ。

 だいたい貴族の血を重んじるこの国では本妻が貴族であるなら、その本妻の産んだ子以外は嫡子として認められないのだからもっと強く出るべきよ」 


 私もため息をついた。

 

「継母が、婚姻の際に多額の資金援助を受けてしまったので強くも出れなくて」

 

「そんなの関係ないわ、出る所に出られて困るのはあちらなんだから。それに貴方の実家である伯爵家には、もうすでに貴方の戻る場所などないのでしょう?」


 確かに先生の仰る通りですが、残された使用人や領民達を思うと、まるで関係ないとは思えなくてと伝えた。


「貴方の気持ちはよく分かるけれど、まあ、今回出す小説を読んで踏み止まってくれたら一番良いのだけれど、それでも駄目ならその時は全てを洗いざらい世間に公表しなさい。その為の協力はいくらでもするから」


 そう言ってくださった。

 先生に指摘されて、初めて気づかされた。

 私は確かに資金援助ということにどこか弱みを感じて、そこまで頭が回らなかった。そうだ、いざとなれば全てを公表するという手があるのだわ。そしてそうなればこの結婚そのものを無かったことにできるのでは? 『婚姻の無効』

 という手もある。そう、先生に伝えた。


「それはとても良い考えね」

 

 さて、出版は既に決まったことなので、これからどう転ぶか、どちらにしても、何とかなりそうな気がして気持ちがとても楽になった。

 今のこの環境は結構、気に入ってはいるから子供のことさえ分かってもらえればそれでもいいかな? この眼鏡姿さえ我慢すれば済むことね。そして、その時は遠縁からでも養子を取ることを提案してみますか、と納得した。



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