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七.孤独とは 3

今日はちょっと短めです。おまけにまぁ進展がありません。過去の私を殴りたい。「どんだけとろとろ書いてんじゃボケ」って言いたい。


「お待たせ致しました。少弐様、代わりのお部屋のご用意ができましたのでこちらへお願い致します。」


展望車の連絡扉から現れた車掌は先刻の少し気落ちしたような様子を感じさせないはっきりとした口調で男を呼びに来た。

車掌は無表情を貫こうとするあまり、結構口調に感情が出るようだということは男もなんとなく察していたので、もう先ほどのことは気にしていないのだろうと判断する。

男はまだ涙の痕がくっきりしているおっさんに一言断りを入れると車掌の方へ振り向いた。


「感謝する。だが、今は少し用事があるから紙にでも書いてそこら辺に置いといてくれると助かるんだが、引き受けてくれないか」


「承りました。」


初めて会ったときから男はうすうす感じていたが、やはり彼女に敬語がなんだか向かない気がした。


彼女がペンのようなものを取り出し、何かに書きつけるような動作をし始めると同時に男は再びおっさんの方を向いた。

男は車掌に用事と言ったが、要は目の前のおっさんから話の続きを聞くことである。

さすがにあそこまで聞いておいて、では失礼、というのも人情に欠けるような気がした男は、少なくともおっさんの満足がいくまでは聞いてあげようと思ったからだった。

おっさんはまた語り出した。


「娘はまだ10歳になったばかりだった。なのにある日から次第に咳き込むようになって、ついには血を吐き出したんだ。病院も見つからなくてどうしようかと思っていたところで妻が古い馴染みを頼ったかなんだかでようやく医者がきて、娘は治療を受けることができた。」

(医者じゃないから詳しいことはわからないが肺病だろうな、別に珍しい病気じゃないが篤くなれば容易に人は死ぬ、幼いならなおさら危険な病気だ)

「医者が治療に訪れるたびに複雑な表情をするもんだからよく焦ったもんだ。」


それでも完治に向かっていったということは、相当医者は凄腕の人物だったのだろう。

古い馴染みを頼ってこれだけの医者を連れてきたのなら、このおっさんの妻は方々に顔がきくような人物だったに違いないと、男は知りもしないおっさんの妻を思い浮かべる。


「それで娘が助かりそうになったことまでは良かったんだがなぁ、まさか仕事であいつの不倫を知ることになるたぁ思わなかったよ。」


ただでさえ辛そうにしていたおっさんの顔がさらに曇ったのを見て男は少しの慰めにでもなればと優しく言葉を掛ける。


「それは災難でしたね」


一歩手前で話が終わっていたら、いい奥さんに恵まれましたね、きっと娘さんを幸せにしてくれますよ、とか掛けてやれば良かったが、今の男にはそれ以上の言葉が思いつかないのも確かなことであった。


「俺は長野っちゅう政治家を追っていた。長野は黒い噂のよく立つ野郎だったからスクープの一つや二つくらい撮ってやるのは楽勝だと思っていた。けど、あいつと来たら物的証拠が何一つ取れねぇ。俺もここで諦めりゃぁ良かったんだがな、諦めてたまるかとかいう愚かな気持ちを燃やした俺はあいつだけを追い続けた。なのに、なのに、あんたは災難だと言うが、初めて掴んだスクープがこれだったときの俺の気持ちが貴様に分かるか?」


男が言葉選びを誤ったか、などと思う暇もないうちにおっさんが掴みかかってこようとするが、透けたおっさんの手は男の肩を貫通してしまう。

それでも掴んでこようとするおっさんを見かねたのか、車掌がおっさんの襟を掴んでやめさせた。

やめさせた方法は、、、少し解説し難い。

霊が掴めるのはどういうことかとも思った男だったが、死神だからできるのかと案外すんなり自己解決に至った。


「感謝する」

「申し訳ありません。私が目を離していたばかりにこのようなことになってしまって。」

「いや、見てただろ」

「?」


車掌はおっさんの襟を掴んだまま、首を傾げているが、しっかりとおっさんの話に耳を傾けていたことは、男からすれば一目瞭然であった。


「あと、言おうか迷っていたが、車掌、さん? あんた敬語似合ってない」


言った後にことの重大さに気づいた男は殺されるのではないかと思い、焦って訂正を試みようとしたが、車掌から返ってきたのは意外な返事だった。


「やはり、そうでしょうか。」

「へっ?」


男は不意打ちに弱かった。


「では、今後そういうような言葉遣いは控えさせて頂きますね。」


自分で言っておいて返事に困った男が軽く2,3回うなづくと、車掌はおっさんを席に戻し、話の続きを聞くことを男に提案した。

男はそれを承諾し、おっさんも提案に従う。

先ほどの車掌が余程怖かったのか、声が小さくなりつつもおっさんは自らが亡くなるまでにあったことをまた語り出すのだった。


ついに、ようやく、次回はけっこう進む。このとろさ加減、ホントいい加減にして欲しい。じゃあ、整理して描き直せよって話なんですけど、いかんせん時間が確保できないもので、、、夏あたりには全体的な補正をかけようかなと思ってはいるんですが、、、

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