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スキル操作で現代ダンジョンを生き抜く!  作者: ももんが


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37/45

037:B1F侵入

方角に誤りがありましたので、一部変更しました。

「とりあえず、次の攻撃からはオレがフォローに回るんで、攻撃パターンAに戻すよ」

「あの調子でドロップされたら注目され過ぎるもんね」

「あそこまで極端だとは思いもよりませんでしたわ。研究対象になってもおかしくはございません……」

「モルモットヒカルっち……」


 好き勝手なことをつぶやきながらも、ミクとアネゴは小走りでオレの前方に移動し、パターンAのフォーメーションへと変更する。

 『川越ダンジョンまつり』までフォーメーションは、口頭の説明のみで実施練習はしていなかったけど、昨日と今日でだいぶ慣れた感じがする。特にアネゴとヒメはいつもダンジョンで活動しているだけあって、呑み込みが早くて助かる。ミクもそれに引きずられて、急成長している感ハンパないしな。


 予選ラウンドでは、移動可能エリアは1FとB1のみ。しかも制限時間は一時間。急いで移動しても、ダンジョンの広さを考えれば、B1まで移動し探索するまでが限界の距離だった。

 だけど、決勝ラウンドで移動が解放されたエリアはB3までの4エリア。しかも制限時間は三時間。予選時の三倍もある。予選と比べると攻略の幅が広がるから、どう攻略するかで勝敗が左右されそうだな……。

 とは言え、B2Fから出現する魔物と遭遇するまでは、これまで通りで問題ないはず。

 今後の攻略方針を整理しているうちに、分岐地点近くまで到達したので、分岐地点からはギリギリ見えない位置で一旦足を止めると、怪訝な顔をしたミクから質問される。


「どうして止まるの?」

「この先、B1Fに入るまではあまり魔物と遭遇しなさそうだから、他のチームに露払いしてもらおうかと」


 可愛らしく首を傾げるミク。納得してないな。もう少し詳しく説明するか考えていると、オレが口を開くよりも先にアネゴが補足する。


「ベルーガを先に行かせて、途中まで先導してもらう感じだね」

「そういうこと。B1の進行先を確認するまでは、オレ達は体力温存の方向で!」

「なるほど……」


 趣旨を完全に理解したかは分からないけど、取りあえずミクも納得した様子でオレの後方に待機していると、複数の歩行音が聞こえてくる。恐らくは『深淵のベルーガ』のメンバーたちだろう。

 『深淵のベルーガ』に向けて、こちら側にまだ人がいることを感じさせるように、二十式小銃の銃口を通路の奥の方へ向けて、不規則に数発の弾を発射させる。『深淵のベルーガ』が、わざわざ鉢合わせのルートを選択するとは思えないからな。


 『深淵のベルーガ』らしきメンバー達は、分岐点で少し足を止め何やら会話している様子。再度の後押し狙いで、今度は5メートル先位の壁を狙い一発発射する。すると、壁に当たった魔弾は跳ね返り「カツン」「カツン」と何度か音を立てる。撃ったオレが言うのもなんだけど、魔弾も跳弾するのか……。

 その音を聞いて、分岐には入らずにB1へ向けて歩き出したようだ。狙い通りうまくいったな。ホッと一息。


 近づいての移動は避けたかったので、一分程度間をおいてから移動のハンドサインを出して移動再開。ハンドサインを使用したことを汲んだようで、全員無言で攻撃パターンAのフォーメーションで移動を始める。


 移動中に何度か戦闘音が聞こえてくるので、その度に一旦停止して戦闘音が聞こえなくなるまで待機する。それを三度ほど繰り返すと、再び戦闘音が聞こえることなく、ついにB1Fへと繋がる階段に到達する。

 分岐地点からここまで長かったー。しかも露払い付きだったから魔物と遭遇することもなく、手持ち無沙汰感がハンパなかった。

 それでは、いよいよ初B1Fに踏み込むとするか。予選では1Fだけで済ませたから、川越ダンジョンまつり初侵入なんだよな。

 そんな感傷的なことを思いながらも、階段では魔物と遭遇しないので、フォーメーションは一旦解いて、オレが先頭になり警戒することなく素早く降りていく。


「ヒカル、早いってば」


 あれ? 意外。ミクって階段降りるの苦手な娘?


「B1入口で待機するので、自分のペースで!」


 ベルーガが向かう先を知りたかったので、オレは先行して階段を下りていき、B1入口で待機しながらB1内に耳を傾ける。


 B1は、階段を出るとT字路になっていて、右ルートと左ルートの二つに分かれている。

 左ルートは、ほぼ東西に細めの楕円で広がり、楕円の半径の距離がこの階層の広さより若干少ない程度の長さがあるため、左ルートを一周すると相当の距離になる。

 また、右ルートも楕円になっているが、左ルートより緩やかな楕円が南東方向に、おおよそこの階層の中央辺りまで広がっている。

 ちなみに二つの楕円は一部重なっていて、T字路の左ルートを進むとすぐに現れる北へと向かうルートと東へと向かうルートがあるが、東へと向かうルートは、途中の南へと向かう分岐まではT字路の右ルートと重なっている通路なので、T字路の右ルートから一周すると、最終的には東へと向かうルートへと到達する。

 ちなみに、南へと向かうルートを辿れば、B1侵入してすぐの右ルート選択時と同様、B2Fへの最短ルートになる。


 そして、どうやらベルーガは、左右のうち左のルートに向かったようで、その方角から戦闘音らしき物音が聞こえてくる。

 左ルートは北側に向かうと、途中で行き止まりの分岐ルートがあるので、魔物討伐数狙いであれば、この階層では最高の狙い目だろう。


「おまたせー」


 この階層の攻略が大体まとまったところで全員集結したので、簡単に攻略内容を共有する。この階層で出現する魔物は、1Fとさほど変わらないので、攻略内容は至ってシンプルなんだけどね。

 ちなみにこの階層からは、稀にホブゴブリンが出現する。敏捷力だけはグレイウルフよりも低いが、筋力と耐久力は今までの魔物より優れている。

 今までの魔物は一撃で仕留めていたが、恐らくホブゴブリンは一撃では仕留められないと踏んでいる。まあ、この辺の情報も既に共有済みなので、特に心配はしていないけど油断は禁物だ。


「全員準備はいい?」

「「「もちろん」」」


 それじゃ、B1F攻略と行きますか!



ここまでお読みいただきありがとうございます!

これからも応援よろしくお願いいたします。

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お読みいただきありがとうございました。 初投稿作品です。お手柔らかにお願いします!
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