028:予選スタート
いつもお読みいただきありがとうございます。
フォローしていていただいた方ありがとうございます!
お楽しみいただければ幸いです。今後ともよろしくお願いします!
午前十時、予定通り予選がスタートした。
最初の予選には、群馬の代表チーム『赤城サンブレイク』が出場する。このチームの実力は関東ナンバーワンと言われている。
黄昏の月《トワイライトムーン》の予選は最終組なので、控室のモニターで『赤城サンブレイク』の実力を見せてもらうことにする。
このチームは六人パーティーで、リーダーは大剣、サブリーダーが大盾、それに双剣使いに弓使い、魔法使いに僧侶と、非常にバランスが取れた王道の代表のようなパーティだ。
第一組の予選が始まって早々『赤城サンブレイク』の実力の片鱗を見た気がする。メンバー六人の連携が非常にいいんだ。
大剣使いと双剣使いが先頭で、その後ろに大盾使いが続く。
前衛のみで解決できそうなら前衛の二人で対応し、複数の敵の出現し前衛のみではきつそうな場面では大盾のガードで魔物を怯ませてから対処し、大盾の後方で待機している弓使いと魔法使いと僧侶がフォローする。
僧侶は司令塔的な役割をしているようで、ダンジョンの音声はないが、どうやら複雑なケースでは、細かな指示役を行っているように見える。
王道の振る舞いを、当たり前にこなす姿は、ベテランの域に達しているといっても過言じゃない。
「このパーティー、なんかエグっ」
「とても完成されたパーティーですわね……」
千堂さん、藍澤さんともに高評価。このチームの良さが分かる二人も、相当レベルが高いけどね。
うちのパーティーはスタイルが違うので直接参考になることはないけど、正統派スタイルであれば理想的なスタイルだと言えるんだろうな。
まあ、うちのパーティーのスタイルが違うのは、オレのせいでしかないんだけどね。
「そうだ。予選の開始前に、護身用として魔銃化したハンドガンを全員に預けます。受け取ってください」
異空間から、三つのタクティカルベルトを取り出す。
それぞれのタクティカルベルトにはホルスターが装着され、その中に魔銃化したハンドガンが収納されている。
そのうちの、グロック26が収納されたタクティカルベルトを藍澤さんへと渡して・・・・・・。
「藍澤さんの主な活動は後方支援になると思うので、用意した中で一番コンパクトな魔銃を渡します。何か質問とかありますか」
「いえ、以前レクチャーしていただいたので問題ございません」
「1MPの魔力を充填すれば15発撃てます。これだけ覚えておいてください」
特に質問もなさそうなので、おさらいでグロック26の性能を簡単に説明する。
----------------------------------------
名 称 :グロック26(魔銃化)
攻撃力 :5
弾消費 :1/15MP
装弾数 :15
スロット1:レーザーサイト+1
スロット2:フラッシュライト+1
----------------------------------------
次に、ストライクガンを収納したタクティカルベルトを千堂さんへと渡す。
「千堂さんと美玖のどちらに渡すか悩んだんだけど、総合的にステータスが高く安定している千堂さんにしました」
「ねえ、輝っち。今日はパーティーの活動中だし、あの呼び方にしない? 敬語もなしで」
あの呼び方? コード名のやつか。今から、切り替えていこう。
「了解。あらためて。アネゴには、この魔銃を」
「りょ!」
「覚えてほしい動きなんだけど・・・・・・」
そう言いながら、三人から少し距離を取る。
自分で装備しているハンドガンを取り出し、銃を横に倒して前に突き出す動作・・・・・・銃口打撃と言われる動きをレクチャーする。
腕だけで突き出すのではなく、腰を落として突き出す感じを意識して説明する。
普段はショートソードを使用しているヒメは、腰を使う動作はイメージしやすかったようで、難なくその動作を習得する。
さすがだ。
「この技を使うときの想定は、魔物が向かってくる時に迎え撃つ時なので、押し出すというよりは銃口でストッピングする感じになるかと。アネゴに渡した魔銃は、スパイク状のフロントが接触した時点で追加ダメージを与える挙動になるから、接近戦時には有用かと」
「おおぅ。なんかエグそ……」
最後にアネゴに、ストライクガンのステータスを共有する。
----------------------------------------
名 称 :ストライクガン(魔銃化)
攻撃力 :5
弾消費 :1/15MP
装弾数 :15
スロット1:レーザーサイト+1
スロット2:フラッシュライト+1
スロット3:スパイク+2
----------------------------------------
「最後にミクにはこれ」
残った最後の銃。収納したタクティカルベルトをミクに渡す。
「この銃は、ハンドガンなのにフルオートが可能なので、これでガンガン攻撃してもらおうかと。ミクはMP高めなので、ある程度ならMP枯渇もないはず」
「ん。分かった」
グロック18Cのステータスを共有する。
----------------------------------------
名 称 :グロック18C(魔銃化)
攻撃力 :5
弾消費 :2/30MP
装弾数 :30
スロット1:レーザーサイト+1
スロット2:フラッシュライト+1
----------------------------------------
「それと、今回のダンジョンまつりの記録を取るため、こんなのを用意しました。じゃーん!」
そう言いながら、自前で用意したドローンを取り出した。
「「「…………」」」
なに? 無反応? 今回ダンジョンのアイザワからドローンは貸し出せないって聞いたから、頑張って用意したんだけど……。
「えっと、この前借りたものに比べると雲泥の差なんだけど、全体の動きをある程度は抑えられるはずなので、今回のダンジョンまつり後に行動の確認に使えればなーと思ってます」
うーん。反応薄っ。
「上空5メートルあたりから、接続した端末を中心に動画撮影していく感じになるかと。ちょっと動かしてみるね」
そう説明しながら、ドローンのスイッチをオンにすると、それなりの勢いで上昇していく。そのまま天井まで上がると、そこから更に上昇し続けている。
多分7メートルくらいまで上昇している? 思った以上におバカな挙動に、オレ茫然。
「市販品ってこんなよね。ドンマイ!」
アネゴがボソッとつぶやく。
ううっ。もしかして、みんなはビミョーってことを分かってたのか? 少し浮かれていた自分が恥ずかしい。穴があったら入りたいんですけど……。




