扉を叩く訪問者たち
「広田首相、どうされましたか」
「中華民国が九州に接触した」
「なっ、本当でありますか」
「あぁ、九州と中国が密約を交わしていたらマズイ」
「直ぐに外交官を派遣し、説明を求めましょう」
めかりPA
「貴国に中華民国の使者が入国したと情報が入ったが誠か?」
「はい。中華民国が要求してきた内容は国交開設のみでした」
中国による戦争回避の協力要請については秘匿された。
「そうか、本当にそれだけだな?」
「えぇ、何を心配しているのですか?我々が中国側につくメリットはほとんどありませんよ」
「ならいい」
「今後他国が接触してきたならすぐに帝国に報告してくれ」
「わかりました」
10月20日
鹿児島港にアメリカより外交官が上陸した。
アメリカ側は中国より佐世保に大日本帝国海軍が居ると情報をもらっており、フィリピンから鹿児島へと入港したのだ。
「ここが未来のジャップの国か」
「思ったより栄えているな」
鹿児島市の職員がやってきて事情を聞き、すぐに鹿児島県庁へと案内される
「流石は未来の技術と言ったところだ」
とアメリカの外交官2人は鹿児島市街を見て感想を述べる
鹿児島県庁に着くと
「ようこそ」と知事が挨拶をする
「お出迎えご苦労です。我々は米国より派遣された外交官のものだ、話がしたい」
「分かりました。それでは担当者が車で時間がかかります。早くて今日の19時ぐらいでしょう。それまでホテルでゆっくりしてください」
「ありがとう」
彼らは鹿児島市内にある高級ホテルに着くとその高級さときれいさにびっくりする
「おい、ジョンこのふかふかのベット最高だぜ」
「あぁ、景色も最高だなマーク」
その夜、ホテルの会場にディナーが用意され、ジョンとマークの2人は九州からの担当者を待っていた。
担当者は福岡から新幹線を使い急いで鹿児島に到着
会場の扉が開き、スーツ姿の九州外交官が入場する
「初めまして、外交官の外崎です」
「どうも、アメリカ外務省のジョンとマークだ」
「よろしく」
その後、しばらく食事をしながら談笑する
「このような豪華な食事を出せるという事は九州は食料に困っていないのか?」
「いいえ、足りない分は帝国から輸入していますね」
「なるほど、ところでここの街並みは素晴らしいな。福岡と言うところはもっと大きいのか?」
「ええ、ここ、鹿児島より大きな街はあります」
「今回我々が来た目的は国交開設と貿易である」
「国交開設はいいとして貿易ですか」
「貴国が望むものをこちらは輸出できる」
「なるほどそれであなた方は何を求めてらっしゃる」
「我々は未来の家電であったり自動車であったりを輸入したい」
「なるほど、それはまったく問題ありません。こちらとしてはトウモロコシや小麦などの穀物、石油、肉類を輸入したい」
「そうですか、後日書類にまとめて改めて協議しましょう外崎さん」
「分かりました」
「ところで、未来の軍事技術と言うものに政府は興味を示しておりましてね」
「視察したいと?」
「えぇ」
「陸海空どれがお望みですかな」
「すべて見たいが未来を感じられるものがいい」
「それならば空か海ですね。私としては空をお勧めしますが」
「では空軍を視察したい」
「分かりました。明日宮崎県の新田原基地を案内いたしますよ」
「それは楽しみだ」
「えー、九州内にいる全外国人に臨時の国籍を付与することを可決しました」
九州は取り残された外国人旅行者や労働者を救済するため、臨時に国籍を付与し日本国民としてサービスを受けれるようにした。
九州内にいる外国人からは安堵の声が上がった一方で時代なんてどうでもいいから母国に帰りたいという人たちも少なくはない。しかし、この時代は植民地だったりと九州としても返すことができなかった。