海外の動き
九州内では石油や米の確保ができたことにより、国内の経済及び食糧事情が大幅に改善された一方で各県主導で廃棄された農地を使って農作物を育てる活動や家庭菜園が推奨され、一軒家の家では庭などを使い、マンションやアパートは屋上や駐車場を使って農作物を育てた。特にジャガイモは二つに切って土の中に埋めるだけでいいので簡単で人気だった。
電力問題も解決しはじめ、八幡製鉄所を中心に産業が徐々に復旧し始めていた
その一方で海外では・・・
アメリカ
ホワイトハウス
「プレジデンテ。CIAからの情報で日本の九州と言う島と連絡が取れなくなったそうです」
「それで?」
「九州と言う島は88年後とかいう未来から来た九州らしくてですね。これがCIAから送られてきた日本の新聞の写真です」
「なっ、これはフェイクなのか?」
「いいえ、プレジデンテ。写真を偽装することは難しいでしょう。しかもこの奥にいる軍艦、この時代の技術じゃ相当難しいです」
「戦争になれば勝てると思うか?」
「プレジデンテ。未来が石油以外の燃料を使っていれば負けるでしょう」
「分かった。CIAに事実かどうか確認させろ」
「了解ですプレジデンテ」
アメリカ大統領フランクリン・D・ルーズベルトはそう部下に指示した
イギリス
「首相、日本の動きが怪しいです」
「何?もしかして我々と戦争する気かね」
「いいえ、どうやら九州と言う島が未来から来た九州と言う島に置き換わってしまったそうなのです」
「はい?」
イギリスの首相ボールドウィンが部下からの報告を聞き返す
「ですから九州と言う島が未来から来た九州に置き換わってしまったそうです」
「本当なのか?」
「えぇ、新聞に写真が掲載されていたそうです。政府も大騒ぎだそうです」
「まずいな」
「本当ですね、未来技術を使ってこちらに攻めてこられたらと思うと恐ろしい。九州と独自に交渉できないか探らせろ」
「分かりました。すぐに手配させます」
ドイツ
「ハイルヒトラー」
ヒトラーの部下がヒトラーのいる総統府に報告しに来た
「報告です。日本の九州と言う島が未来から来た九州に変わったというニュースが日本国で流れています」
「ほう、興味があるな。それは嘘ではなく事実なのか」
「はい、新聞で写真も公開されたようですから」
「そうか、日本国に確認を取れ。もしよければ大使館職員に偵察に行かせろ」
「わかりました総統。それでは失礼します」
「うむ」
「未来の軍事技術ねぇ・・・」
部下が去った後、ヒトラーが悪い笑みを浮かべていた
東京、外務省
「ドイツ本国の命令で、九州が本当に未来から来たのか確認させてほしい」
「は、はぁ・・・上に確認を取りますので少々お待ちください」
「こっちはお前たちが九州と貿易しているのを知っているのだからな!」
ドイツの外交官が日本の外務省職員に詰め寄る
ドイツが九州の件について外務省に直接説明を求めていることがほかの国にもバレ、「我こそも」と言う感じでイギリス、アメリカ、フランスなどの大使が外務省に行き、ドイツと同じように外務省に詰め寄った。
これを聞いた広田は困りながらも下関から対岸の門司の町まで行くことを許可した
下関
情勢上の問題で、別々になったが下関からの偵察が行われた。
各国の職員は対岸の門司港の様子を写真に収める。
そしてちょうど目の前を通っているのが輸送艦くにさきである
くにさきは戦車の輸送で偶々別府港におり、霧で脱出できない状態でそのまま転移してきた
会談の成功により、佐世保へと移動している最中であった
各国の職員は
「あれは九州の空母か?」
と質問するが日本国もわからないので「わからない」と答えた
くにさきは護衛艦の中でも大きい部類に入り、就役当初は空母と勘違いされたほどである
その後は海上保安庁の小型巡視船などを写真に収め帰っていった
防衛装備の生産
海自の船体、エンジンなどはともかく、小銃、砲、ミサイル、車体、航空機体などは九州で作られておらず生産が可能になるように研究を開始しなければならない
8月1日
福岡市で九州の防衛産業関連及び参入予定企業を集め、説明会を行った。
もし、輸出許可がでれば莫大な利益になると予測され、企業の間で注目を浴びた。
2日
主に二菱や日芝などの主要企業を中心として、九州の中小企業が下請けをする形となった。
生産にあたっては製造するための機械の調達、保存されているデーターベースから設計図を読み込んだり、自衛隊の装備品を分解して研究するなどして生産へ向けて始動した。
九州選挙
一時的に臨時的な内閣を作るため、選挙を実施した。
選挙にあたって定員は40名。なお、大統領(国民より直接選ばれるため)は選挙とは別で選ばれることになった。
議席(多い順)
国民党20名、民主党9名、共産党7名、保守党3名、その他1名という結果になった。
大統領
大橋(元福岡県知事)がそのまま引き継ぐことになった。
国民党においては転移前にも与党を務めている政党で、今回の選挙についても与党を務める
国土交通省、内務省、財務省、防衛省(西部方面総監部)、文部科学省(のち内務省に併合)、厚生労働省(内務省に併合)、外務省が設立され、基本的な国の運営ができるように整備された。
東京
「九州についてだが編入命令を出すか?」
「どうだろうか、攻撃されないか?」
「恐れているのか永野」と陸軍大臣の寺内が海軍大臣の永野に向かってニヤニヤしながら質問する
「恐れているのではない。この編入によって九州の軍が反抗すればわが軍はただじゃすまない」
「それはわかっている。だが何としてでも我が帝国の支配下に置き、あの未来の技術を手に入れたい」
「自治を認めるという方針でどうでしょう。そうすれば奴らも静かになるでしょう。そして徐々に九州を編入していくのです」
一人の大臣が提案する
「よし、それで行こう。貿易船に使者を乗せて伝えてほしい」
「直ぐに手配しましょう」
この作品は実際の団体、企業、人物とはまったく関係がありません