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八犬伝異聞録シリーズ

人物紹介(主人公や八犬士・脇役・悪役)

作者: 皆麻 兎

主要登場人物


三木みき) 狭子きょうこ

 性別:女

 年齢:18歳

 身長:158cm

 物語の主人公。現代を生きる高校3年生の少女。愛称は狭。歴史(特に日本史)が好きで、進学予定だった大学では史学を専攻しようと考えるほどで、性格は、明るくて活発。空手が得意で、多少の護身術は心得ている。また、逆境でも立ち向かえる強さを秘めている。

 『里見八犬伝』の世界へタイムスリップする前は、物語に関する内容のもの。そして、それ以降は犬士達や、自身に関わる夢を見てきた。そんな彼女の正体は、3つの姿を持つ特異な存在。一つ目は、“先の世より来た姫”=三木狭子。二つ目が“千里眼を持つ者”=前世の自分・琥狛。3つ目は物語の中で判明するという具合である。狭子が見る夢や白昼夢のような者は、この“千里眼”という能力が発動しているがためである。また、主人公にこのような能力をつけたのは、“自分のいない場所で起きている出来事を描くため”に作者が考えた設定でもある。

名前の由来は、“きょうこ”という名に特別な理由がないが、“狭”の字を使ったのは、八犬伝に纏わる話のため、“犬”を意味する「けものへん」がある漢字を入れたかったためである。また、彼女の前世・琥狛の“狛”も、同名の単語と異なる漢字を使用しているのも、そういった理由があるためである。主人公を“現代の高校生”にした理由は、今を生きる現代っ子の視線で八犬伝の世界を捉え、時代劇特有の昔の言葉を多用する必要のない(というより使えない)状態を作り出すためである。



犬塚信乃戌孝いぬづかしのもりたか

性別:男

年齢:18歳

身長:174cm

里見の八犬士の一人で、孝の珠を持つ青年。左腕に牡丹の痣を持つ。

長禄4年(1460年)7月戊戌の日、武蔵大塚で生まれる。父は犬塚番作、母は手束たつか。原作では、読者の前に最初に姿を現す犬士であり、この作品でも、主役的な存在と言える。使用する太刀は足利家の宝刀・村雨丸、脇差は桐一文字で、文武両道のできる青年。

 性格は天然で、結構あっけらかんとしているタイプ。しかし、正義感が強く、名にある字のごとく、父母をよく慕う青年である。主人公・狭子とは、古賀へ行く道中に通る武蔵国・円塚山まるつかやまにて出逢う。高校の制服を着た彼女を目の当たりにして、最初は驚いていたがすぐに順応できたという、臨機応変な対応ができる人物ともいえるであろう。容姿端麗で、その様子は手配書にも特徴として書かれたほどだ。ちなみに、彼のモデルは正月ドラマで放送された『里見八犬伝』で信乃を演じた滝沢秀明。



犬川荘助義任いぬかわそうすけよしとう

 性別:男

 年齢:19歳(?)

 身長:178cm

義の珠を持つ。背中に牡丹の痣。長禄3年(1459年)12月1日、伊豆生まれ。幼名は荘之助。父親は北条の荘官・犬川衛二則任。「荘介」の表記もある。狭子達と出逢うまでは、大塚村の荘官夫婦の元で下男として働いていた。下男としての名は額蔵がくぞう

文明2年(1470年)、12歳のときに大塚家に引き取られた信乃に世話役兼監視役としてつけられ、信乃が自分と同じ痣と珠を持っていることを知り、出自を明かして義兄弟の契りを結ぶ。

 性格はおおらかで、優しい青年。一見、ひ弱そうな青年に見えるが、拷問にも耐えうる強靭さを併せ持つ。周りへの気配りを忘れない人物で、狭子の事を愛称ではなく、“殿”をつける辺りも、彼の真面目さがうかがえる。円塚山で道節と斬り合いになったり、濡れ衣を着せられて牢につながれたり等、八犬士随一の苦労人と見なされる。モデルは、これも同じくドラマ『里見八犬伝』で佐藤隆太が演じた同名の人物。



犬山(いぬやま)道節(どうせつ)忠与(ただとも

性別:男

身長:175cm

忠の珠を持つ。左肩に牡丹の痣。長禄3年(1459年)9月、武蔵国豊島郡生まれ。父は煉馬家重臣・犬山道策貞与。信乃の亡き許嫁・浜路の異母兄。生まれながらに左肩に瘤があった。幼少時に父の妾(浜路の母)に毒殺されたが、墓の中で蘇生した。乳母は音音である。犬山家が仕えた煉馬氏は豊島氏とともに扇谷定正らに滅ぼされ、父も討死したため、姨雪世四郎・十条兄弟らとともに扇谷定正を仇として執拗に付け狙うことになる。彼は家伝の書を研究し火遁の術を使いこなしていると原作にはあるが、今作ではまだその術を披露していない。円塚山で、網乾左母二郎から村雨丸を奪取し、浜路の最期を看取っている。また、狭子がタイプスリップする前や、実際に出会うためにどこかしらで登場していて、犬士の中でも前半でのキーパーソンでもある。

性格は堅物で頑固。しかし、君父への忠誠心は人一倍強い。狭子と初めて出会った時に挙動不審になっていたのは、彼女が死んだ妹・浜路にそっくりだったからである。モデルは特になし。


※犬士の生まれ年はほぼ一緒のため、これ以降は年齢欄を省略します


犬飼現八信道いぬかいげんぱちのぶみち

 身長:180cm

信の珠を持つ。右の頬先に牡丹の痣。

長禄3年(1459年)10月20日、安房国洲崎で漁師糠助の子として生まれる。幼名玄吉。

珠は、お七夜の祝いに糠助が釣った鯛の腹からあらわれた。母は産後の肥立ちが悪く病死、以降は天涯孤独の身として育ってきた。古賀で牢につながれるまでは、捕り物(今でいう警察官みたいな仕事)をする役人であった。武勇に優れ、刀や十手、弓の扱いに長ける。最初は「見八」と名乗っていたが、行徳で珠に連なる奇縁を知り、名に玉偏を加えて「現八」に改める。

 性格は無愛想だが、義に厚い青年。年齢は信乃達と変わらないが、話し方が年配者を思わせるような雰囲気を持つ。「嘘をつかない」を信条としているため、初めて狭子に出会った時は、その男装した出で立ちに不信感を覚える。女性嫌いの節もあるが、狭子との出会いでそれが変化し、彼女に惹かれる人物の一人。また、犬村大角とは、古賀にいたころからの知人でもある。モデルは誰というのはありませんが、「ツンデレキャラにしたい」という想いから、考えました。



犬田(いぬた)小文吾(こぶんご)悌順(やすより

 身長:186cm

悌の珠を持つ。尻に牡丹の痣。長禄3年(1459年)11月20日、行徳の旅籠屋・古那屋文五兵衛の子として生まれる。身長からわかる通りの巨漢であり、相撲や喧嘩の仲裁を得意とする。16歳のとき、行徳の町を荒らした犬太という悪人を義侠心から殺したため、「犬太殺しの小文吾」、これが転じて犬田小文吾と呼ばれるようになり、また自ら悌順の諱を定めて名乗ることになった。

性格は真っ直ぐで正直者。頭はあまりよくないが、犬士達の間ではムードメーカーの役割を果たす。狭子達に出会うまでは、妹・沼藺ぬいと共に宿屋を営んでいた。それもあってか、彼女と年の近い狭子を妹のように可愛がってくれている。刀を差してはいるが、力が強いため、刀よりも拳で戦う事が多い。モデルは、これもまた正月ドラマ『里見八犬伝』で照英が演じた同名の人物。



犬江親兵衛仁いぬえしんべえまさし

性別:男

年齢:15歳

身長:160cm

仁の珠を持つ。脇腹に牡丹の痣。原作では山林房八と沼藺の子だが、この作品では微妙に違うので、彼の出生については特に書きません。生まれつき左手が開かなかったが、これは沼藺が幼少の頃に飲み込んだ珠を握って生まれたためであることがのちに明らかになる。

性格は甘え上手なタイプ。囚われた狭子を、自らが囮になって助ける等、知恵もあり、文武両道の少年。ただし、完璧な部分が多いため、高飛車な言動も…。

原作では、「後半の主人公」とされているが、この作品での親兵衛の設定はかなり異なっている。狭子らが行徳を訪れた際はすでに失踪していたり、彼らが見つける前に里見家に仕えはじめ、京都へ出向いていたり…。当作品の設定上、美味しい所をあまり得られていない人物。作者も、彼の設定や立ち位置にはかなり迷いながら書いています。ちなみに、モデルは某恋愛ゲームに出てくる忍の少年。八犬士の中で唯一、“僕”と言いそうな少年にしようと思って考えました。



犬坂(いぬさか)毛野(けの)胤智(たねとも

 性別:男

 身長:168㎝

智の珠を持つ。右肘から二の腕に牡丹の痣。千葉氏の重臣・粟飯原胤度あいはらたねのりの妾の子。馬加大記の策謀により、籠山逸東太の手で胤度は討たれ、粟飯原一族は滅ぼされた。馬加の討手を避けた母は相模箱根の犬坂村に逃れ、3年に及ぶ懐胎のあと、寛正元年(1460年)毛野が生まれた。母とともに女田楽の一座に入ったため毛野も女装で育てられ、旦開野あさけのと名乗っていた。そんな経歴から、敵である関東管領らに復讐をしようとその機会をうかがっている。

 性格は、大人びていて掴みどころがなく、他人ひとをおちょくるのが好きなSタイプ。信乃と同じく容姿端麗だが、彼の場合は長きに渡って女装をしていたにも関わらず、誰にもバレなかったという経歴を持つ。智に優れ、男装した狭子を一見して女だと見ぬいていたりする。また、原作と同様で“対牛桜の仇討”段階では仲間に加わらないため、一筋縄ではいかない人物。木から降りられなくなった猿を簡単に助けたりする等、軽業を得意とする。モデルはよしむらなつき著の漫画『里見☆八犬伝』の犬坂毛野。



犬村(いぬむら)大角(だいかく)礼儀(まさのり

 性別:男

 身長:177cm

礼の珠を持つ。左胸に牡丹の痣。寛正元年(1460年)生まれ。父は下野の郷士赤岩一角、母は正香。幼名は角太郎。父と共に古賀公方に仕えていたが、妙椿みょうちんの祈祷により、古賀を追われる。その後、犬村家の一人娘である雛衣と結婚。犬士では唯一の既婚者という事になる。狭子達と出逢うまでは、返璧たまかえしの里の草庵に住まっていた。

性格は優しさと大人らしい知性を感じさせる、穏やかな人物。既婚者であるが故か、女性である狭子の女心にいち早く気が付く。幼少から武芸を習っていたが、彼の場合は書物に精通し、武人というより、知識人という印象の方が強い。彼のモデルも、某恋愛ゲームに出てくる大人な忍さん。



狭子や犬士達を取り巻く人々


伏姫ふせひめ

里見義実の娘。八犬士の象徴的な母。

母は真里谷入道静蓮の娘・五十子いさらご。作中の嘉吉2年(1442年)夏、三伏の頃に生まれたため伏姫と名づけられた。その後、怨霊となって現れた玉梓たまずさの言葉に追い詰められて、自害。これによって数珠にあった玉が飛散し、犬士誕生の発端となる。

“聖母”的な印象の強い彼女は、主人公・狭子を八犬伝の世界へ誘った張本人である。また、狭子の夢に出てくるなど、彼女とも何らかの関わりがあるようだ。

犬士の中で、最も関わりの深いのが犬江親兵衛。今作では描かれていないですが、原作と同様、彼は「神隠し」によって伏姫の元へたどり着き、その手許に引き取られて育てられたのである。



丶大法師ちゅだいほうし

俗名は金碗(かなまり)大輔(だいすけ)孝徳(たかのりであり、金碗八郎孝吉の息子。伏姫の婚約者でもあった。

彼は富山で、伏姫の自害に立ち会うことになる。このとき八方に散った数珠の玉の行方を探し出すために大輔は出家し、「犬」の字を分解して法名を「丶大」とした。

 性格は穏やかで、冷静に物事を見極められる人物。原作では、“お酒をすごい飲む”らしいが、今作での彼はそういった節もない真面目な人間。古賀で狭子と出逢い、仏のお告げに従って、彼女と行動を共にする。



浜路はまじ

 犬山道節の異母妹で、犬塚信乃の許嫁。また、狭子とうり二つの顔を持つ少女。悪女を実母に持ち、悪夫婦を養父に持って親の見栄ゆえに贅沢三昧をさせられるという環境に育ちながらまともな娘に育った、奇跡的存在。幼時より信乃の許嫁と聞かされて育ち、一途に信乃を思う。信乃以外の男と結婚させられそうになって自害を図り、信乃のために村雨丸を取り戻そうとして斬られて死ぬというのが、原作の設定。

今作においての彼女は、既に故人である。これは犬士列伝にある“大塚物語”を省略した事にもあるが、彼女が既にこの世の人間でない設定は作品を書いていく上で、かなり重要だったためである。狭子がタイムスリップする前は、かなりの頻度で夢の中に登場していた。猿石村では狭子にとり憑くなど、主人公との関わりが深い人物である。



里見義実さとみよしざね

 安房里見家初代当主。伏姫の父。『八犬伝』の物語の因果の種を蒔いた人物。



音音おとね

犬山道節の乳母。若い頃に姨雪世四郎と過ちがあり、十条力二郎・尺八兄弟を生む。煉馬家の滅亡後は息子の嫁たちとともに上州荒芽山の庵に住み、ここが信乃・荘介・小文吾・現八・道節の五犬士結集の場となった。

そんな彼女の正体は“神護鬼”という神霊などを見る能力を持つ“鬼”である。その能力から神霊となった伏姫と出逢い、狭子の存在を知る。そのため、出会った時から狭子が“未来から来た人間”である事を知っていた。また、狭子が持つ“三世の姿”の3つ目を最初に勘付いた人物でもある。

ちなみに、音音が“鬼”という設定は作者のオリジナルな設定。そして、狭子の出生の一部を話したり、犬士達の今後の動きを助言するなど…今作における彼女の存在は、結構大きかったりするのである。



曳手ひくて単節ひとよ

 音音や道節に仕える双子の忍。彼女達も“鬼”の血を引く者達。伏姫に感銘を受けた音音の命もあって、敵に襲われる狭子を助け出したり、犬士達のサポートに回ってくれるとても頼もしい少女達。双子である彼女らの見分け方法は、目下に泣き黒子がある方が単節…という次第である。忍である事と、鬼の末裔である事に関してはこれも作者によるオリジナル設定である。



姨雪世四郎おばゆきよしろう

犬山家の元家臣。十条力二郎・尺八の父。名ははじめ世四郎。音音と密通していたことが彼女の妊娠によって発覚し、犬山家から暇を出された。煉馬家滅亡後は神宮川で船頭をしながら管領家への復仇の機会を窺う。また、信乃や荘助と顔見知りであり、犬士達が刑場破りをして逃亡する際、彼らを手助けした。



■十条 力二郎りきじろう尺八しゃくはち

 世四郎と音音の息子で双子の兄弟。父と共に敵を食い止め、2人で犬士達を逃がす手伝いをした。



■染谷純一

 現代で生きる高校性で、狭子の幼馴染。歴史好きの彼女とは対照的で、歴史の授業が嫌いな少年。八犬伝に出てこない人物である彼は、本当の意味で“キーパーソン”といえる人物である。本作で直に登場する事はないが、狭子の出生や敵である素藤との関連性など、重要な要素が多いのが特徴。数少ない、今作オリジナルのキャラクターである。



沼藺(ぬい)

犬田小文吾の妹。原作では、義のために小文吾に斬られようと謀る夫・山林房八。そうとは知らず夫と兄の板挟みになり喧嘩を止めようとして夫の刀に斬られてしまう悲劇の女性。ただ、今作では狭子の存在によって死を免れるのである。



雛衣(ひなきぬ)

犬村大角の妻。彼とは遠縁の親せき関係に当たる。幼いころ、誤って「礼」の玉を飲み込んでしまったせいか、偽一角に斬られた後、その体から玉が飛び出す事となる。性格は物静かで、おしとやか。しかし、夫である大角の事を誰よりも理解している人物。



政木狐(まさきぎつね)

黄金色の毛と九つの尾を持つ神狐。神狐とは、良い行いを数多くこなした際に変化する神の狐を指す。

一応、雄という設定だが、性別や年齢については不明である。

なぜか関西弁を話し、狭子達とは合流地点・穂北へ向かう途中で出会う事となる。八犬伝において九尾の狐とは、とても神聖な生き物とされてきたという。

当作品では親兵衛と共に京へのぼったりするが、これは今作のオリジナルな設定。



政木(まさき)大全(だいぜん)孝嗣(たかつぐ)

里見家に仕える若武者だが、父は扇谷定正の正室の執事・河鯉守如。若い頃、処刑されそうになった所を政木狐に救われたのをきっかけに、里見家に仕える事となる。

原作では関東大戦において大手柄をあげるが、今作では逆に(事故ではあるが)主人公・狭子を窮地に追いやるきっかけを作ることになってしまう。



犬士達と敵対する人々


玉梓たまずさ妙椿みょうちん

 年齢:不詳

 安房国にある滝山城前城主・山下定包の妻。夫が討たれた後、「畜生道に貶め、この世の煩悩の犬と化してやる」と呪詛を残して処刑された。その後、人々の恨みや妬み等の力から、怨霊として復活。伏姫を自害に追い込んだり、妙椿という尼僧と名乗って犬士達を窮地に追い込むなど、八犬伝の悪女代表といった女性。

 性格は気位が高く、常に情緒不安定。妙椿となった後は怪しき美貌で男を狂わせ、妖術の使用や、妖を刺客として利用する。手を組んでいる素藤は、従者としている一方、裏切られる事を恐れて心を許さず、常にある程度の距離を置いている。水鏡を利用して、犬士の集結を察知したり、狭子の存在を知ったりする。また、それによって狭子の正体に気がつき、彼女を狙う事となる。



蟇田権頭素藤ひきたごんのかみもとふじ

 年齢:23歳(見た目年齢)

 身長:180㎝

 上総国にある館山城の城主。里見家の姫・浜路に横恋慕して、いろいろと画策する・・・というのが、原作での設定。しかし、今作の彼は全く違う人物である。白髪と少し色黒な肌。金色の瞳を持つ彼は、古来から生きる鬼で、鬼としての名は“蒼血鬼そうけつき”。古き時代に大陸から渡ってきた西洋の鬼(=吸血鬼のような鬼)と、日本にいた鬼の血を引く。そのため、吸血鬼ほどではないが、人間の血を好んで食らう。

性格は冷静沈着、冷酷で残忍。普段から余裕そうな笑みと、ポーカーフェイスの姿勢を崩さない。それは、平安時代頃から永きに渡って生きているからと思われる。

また、他人の反応を見て楽しむなど、Sっぽい面が強い。

狭子とは武蔵国にある大塚村近くの山林の中で出会う。しかし、彼女の事を“琥狛”と呼び、自分の物にしようとつけ狙う。また、狭子の幼馴染・染谷純一を知っている等、謎の多い人物。狭子と彼女の前世・琥狛の両方に関わりがあるため、ただの悪役だけではない不思議な男。鬼ではあるが、武器は刀を使用する。鬼は元々、身体能力が普通の人より高いため、斬りあいの大半において、刀を片手で持って戦う。犬士の中でもめっぽう強いとされている信乃とは互角以上の戦いを繰り広げられる凄腕の剣士でもある。ただし、原作と1箇所だけ忠実な設定があるが、ネタばれのため、これ以上は書きません。



牙静がぜい

 年齢:28歳(見た目年齢)

 身長:186㎝

こげ茶色の髪と金色の瞳。そして、漆黒の着物をまとい、素藤に仕える鬼。冷静沈着で寡黙。普段時や戦闘時でも、淡々とした表情を崩さない。素藤と同じ蒼血鬼で、鬼の身体能力を生かし、刀ではなく拳で戦う。偶然の賜物だが、一番最初に狭子と接触する事になる鬼。柔術の他、鬼としての能力で人間の記憶を操る事ができる。今作品のオリジナルキャラクター。



狩辞下りょうじげ

 年齢:22歳(見た目年齢)

 身長:176㎝

 素藤に仕える鬼の忍。少し肌蹴けた忍の着物を身にまとい、群青色の髪と金色の瞳を持つ。長く伸びた髪は、ポニーテールのように高く吊り上げて結ってある。好戦的な性格で、弱い者を嬲り、恐怖におののく表情が好きというとんでもない男。武器は忍び刀を使い、スピードに関しては主である素藤に引けを取らない。蒼血鬼は、吸血鬼と違って血を飲まないからと言って死ぬわけではない。ただし、彼はそれを承知していても、興味を持った獲物の血は必ず食らうという吸血鬼の本能の部分を大きく受け継いでいる。



足利成氏あしかがのなりうじ

 古賀公方。今作において、彼の出番はほとんどないが…偽物の村雨丸を献上された事から、信乃を逆賊扱いにして、お尋ね者にさせた張本人。そこから、よほどの小心者であることがよくわかる。そして、その小心者である性分を妙椿に利用され、犬猿の仲である関東管領・扇谷定正と和睦をする事となる。



扇谷定正おうぎがやつさだまさ

 関東管領。その地位は公方である成氏より下だが、今は彼に匹敵するほどの力を持ち、公方もこの人物を警戒している。また、毛野の一族や道節の一族を滅ぼした事から、この犬士達からは復讐の相手として狙われている。彼もまた、妙椿に利用されてしまう人物の一人である。



籠山逸東太縁連こみやまいっとうたよりつら

 関東管領・扇谷定正の家臣。また、毛野の父・粟飯原あいはら 胤度たねのりを直接手にかけた張本人のため、毛野に狙われる。いずれは定正に取って代わろうと企む、欲深い男。原作では、いろいろと主を変えて生き延びている。



巨田助友おおたすけとも

 逸東太と同じ、定正の家臣。白井にて、外山の残党が主の命を狙っていると知り、道節に罠をしかける人物。そこから、頭の良い人間とも考えられる。逸東太と違う点は、彼と違って、主君に忠実な点である。原作では荒芽山に集っていた犬士達に追手を差し向けているが、今作ではそこまでの事はしていない。



■赤岩(偽)一角あかいわいっかく

 犬村大角の父。しかし、その正体は化け猫が一角に化けたもの。元が化け猫のため、かなり歪んだ性格をしている。



船虫ふなむし

 赤岩(偽)一角の後妻。妖婦のように婀娜っぽい女性で、性格は我儘で残忍。原作では方々に登場しては、犬士達を苦しめる悪女だが、今作では少ししか登場しない。


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