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あちーぶ!  作者: キル
92/292

『亡国の異世界 7つの王国と大陸の覇者』22

~~~ギンカ~~~


 テレポートに関して、ギンガに起こった出来事をそのまま話したら納得してくれた。偶然先輩と会えたのは良かった。こういう運の良さは嬉しい!


 紫帆先輩はこの先の街に向けて移動の最中のようで、当然一緒に行動する。紫帆先輩はギンガと合う直前に、兵隊を見かけたようだ。戦争でもあるのかな?


「兵隊が出てきた街に行けば情報でもあるでしょ」


 確かに、今のギンガたちでは判断がつかないのでその方が早い。畑の間を縫った道を進み街へ近づくと、活気のある街なのか喧騒が聞こえてきた。


「ラブレーダンプリングはいかがですかー。1個4G、2個で6Gですよー」


 饅頭売りだ! 気になるけど……無一文。紫帆先輩を見ると。


「魔石を換金しないと、今は1Gすらもお金がないわね」


 紫帆先輩が何個か取り出した魔石は、直径1センチサイズの魔石だ。ありふれた魔石なので金額的には1つ5G程度にしかならない。


「冒険者ギルドに行きましょう。確実に買い取ってもらえるわ」


 ギルドの看板はベータの頃と変わらないので、それを頼りに街をうろついたら、ギンガが看板を発見できたのでギルドに入ることができた。ギルドでは初期装備っぽいプレイヤーが何人かいるな!

 受付に並び、冒険者登録を済ませる。試験があったので思い切り斧を目標に叩きつけたら終わった。紫帆先輩も登録試験が無事に終わったので、一緒に受付に戻り説明を聞いて登録の完了をした。


「ちょっと待っててね。換金してくるから」


「はーい!」


 近くの椅子に座って、素材買取のカウンターに向かった紫帆先輩を待つ。


『ここは何をする場所なんだ?』


 ふたりだけになったからか、アクアが話しかけてきた。


『街の人たちの依頼をうける場所だよ! 雑用もあるけど、魔物との戦闘依頼が多い!』


 アクアとの会話は頭で考えるだけなので助かる。もし声に出さなきゃ伝えられないなら、ずっとひとりごとを言うことになるからな!


『なるほど……皆が様々な衣装を身に着けているな。我の場所には似たような衣装の者しか来ぬので興味深い』


『それなら、服屋に行くと面白いかもね!』


『ほう、服屋とはどんな所だ?』


 紫帆先輩を待つ間でも、アクアと一緒に会話できるので退屈しない。ずっと山に居たから、見るもの全てが珍しいのか色々な質問があった。


「おまたせ。……アクアさんとお話かしら?」


「うん! 服が珍しいんだって」


「なるほど。そういえば、元の山には今のギンガさんの姿をコピーしたのよね?」


「うん!」


 紫帆先輩がギンガをジッと見てくる。


「……良くないわね。こんな初期装備、威厳も何もないわ。服屋に行きましょう」


 そうして街中をぐるぐると歩き回り、服屋を発見する。買うわけでもなく、展示された服を次々にギンガに当てていく紫帆先輩。


「アクアさん聞こえて? この服をギンガが着ている想像はできて? その想像を貴女の山での服装に着替えて頂戴」


 最終的に決まったのは、白をベースとしたゆったりとした服装だ。ギリシャ神話に出そうな雰囲気がある。値段は高そうだけれど、買うわけじゃないからいいのかな。


『ギンガ、我はよくわからぬがそれでよいのか?』


『神様っぽい雰囲気にはなると思うよ!』


『神ではないのだが……まぁよい。変えることにしよう』


「あと、これとこれ、下着ね。これは必ず着用すること。そうでないとギンガさんが困ることになるわね」


「困ること?」


「スクリーンショット取られるわよ?」


「それは困る!」


 髪色が違うとはいえ、ベースがギンガだから出回るのは困る。アクアにもそのあたりはしっかり伝えておこう。


「あとは、アクセサリー……いえ、メイクもいいわね。でも所持金的に無理か」


 店を出てからも、紫帆先輩は他の店を探すように周囲を見ながら色々つぶやいている。


「シホ先輩? そこまでしなくてもいいんじゃないかな?」


「ギンガさんと会う前に、兵隊が通過したって言ったわよね? 冒険者ギルドで換金中に聞いたのだけど、あれって山の神様に会いに行く人たちって言ってたわ。……山の神様って、アクアさんよね?」


『アクア、神様って言われてたの?』


『龍の神とかは言われていたな。当然、名前でないのは分かっていたぞ』


 アクアは見えないけど、ちょっと誇らしそう。


「龍の神って言われたことがあるって」


「そう。じゃあやっぱりあの兵士の行先はアクアさんの住む山の上ね。王族の儀式でアレを手に入れるのよね?」


『素質さえあれば渡していたからな。ハイエルフのシホも素質はあるぞ』


「シホ先輩も入手できるって」


「ん~、それは部員が全員そろってからかしら? どちらにせよ、王族に素のギンガさんを見せるわけにはいかないのよ。こっちのギンガさんの顔を見られて妙なことになっても困るし」


「確かに!」


 その後アクセサリーショップに入るけれど、気に入ったものが無いからってそのまま出てきた。メイクが出来るお店はなかったみたい。


「現実の写真って持ち込めたかな? 部室でギンガさんをメイクして写真撮るのが一番手っ取り早いのだけれど……いえ、ファッション系のゲームでもいいわね」


 これは……あとで色々いじられる? 時々黄金音ちゃんにされるようなアレだ。同じ雰囲気を感じる。


「ちょっとログ見てくるね!」


「そう? いってらっしゃい」


 とりあえず、慌ててログを見に行く。あのまま流されたら着せ替え人形になりかねない!



コガネ:王都に着いたけど、誰かいる~?

キリ:まだ遠いです。

ミク:あかちゃんと合流して今はさびれた村なんよ。

アオナ:まだ洞窟内。

アカネ:;;

ギンガ:ファイト! ギンガは登山再開だ!

チャコ:登山~?

ギンガ:上から街を探すついでに登るのだ!


モエギ:フフフ、飛行と滑空のレベルが既に3! ……島から出れない。

ミク:本当にその手段しかないのか。

モエギ:空腹の解消手段はリスポーンしかないのだ!

キリ:つらい。

アカネ:つらい。

ミク:つらい。

モエギ:ゲームスタートさせて;;


シホ:今は森の中のダンジョン内ね。ちょっとレベル上げ。

キリ:ダンジョンマップは?

シホ:あるわけないじゃない。

キリ:あっ。

ミカン:あっ。

シホ:あ゛?


アオナ:ようやく日の光を見た。

アカネ:おつかれ!

ミカン:王都に着いた。とりあえず何かクエストするぞ!


コガネ:ミカンちゃん着いたのか。今チャコちゃんと一緒だから城の正面の噴水で合流しよう。1時間ごとにログ見に来る。


ミク:そろそろベリク出発。フローベール経由で王都に行くんよ

アカネ:猫状態で無賃乗車にゃ。

コガネ:賢い。


アオナ:大陸地図入手。この国は円形大陸の北西。モエギ先輩、ベータと同じなら太陽は日本と同じ運動するので、それを手掛かりに東から南東の範囲に飛べば陸地は見つかるはず。

モエギ:神! アオナちゃん、ほんっっっとにありがとう! 愛してるよ!!


ミカン:見ました。行きます。

コガネ:お、じゃあ噴水いくね。


ギンガ:シホ先輩と合流! まだどこかの街だけど!



「ただいま! 3人が王都で集まりそうだって!」


「待たせても悪いし、合流を優先させたほうがいいわね」


 よし、流れが変わった! 無事に着せ替え人形回避?


「ギンガさんがログアウト中に、私もログアウトしてファッション雑誌ダウンロードしてきたから馬車の中で見ましょうね。最終的に数秒でも姿を見せてくれると調整できるわ」


 回避! 写真を見せるだけならきっとセーフ! 


「本が持ち込めるんだね!」


「販売している書籍だけみたいね。個人で撮影した写真はここでは使えないみたい。プライバシー保護だと思うわ」


 VR空間で暇つぶしに本を読む人も居るから、ゲームによっては本を持ち込めるものもある。移動時間が長いゲームは持ち込める傾向があるけど、このゲームも移動時間が長いのかな?


 紫帆先輩は、王都までのルートを調べようってことで、一緒に近くのお店に入って聞いてみたら、乗合馬車でフローベールに向かうのが一番近いそうだ。

 フローベール?


「ミク先輩がフローベールに向かってるって!」


「そうなの? 追いつけるのかしら。ログの時間はわかる?」


「ううん。最近だったけど、時間は見てない!」


 ギンガの返事に、紫帆先輩がログを見に行った。戻ってから近くの住人に街の名前を尋ねたら、この街はベリクだと判明。

 そこからの紫帆先輩の動きは早かった。


「ログを見てくれるかわからないけど、フローベールで会いましょうって書いておいたわ」


 街の名前が分かった瞬間に、ログを残しにログアウトし、戻ってきたかと思えばすぐに教えてもらった乗合馬車のある場所へ移動し、乗り込む馬車を決めてしまった。この間5分もかかっていない。


 乗合馬車が出るまでの間20分くらい時間があったから、ここで待つのかなと思ったら「リバ石を探しましょう」と話してすぐに、付近の街の人に声をかけ入口を尋ねる。その人に入口が見えるあたりまで案内してもらい入口まで移動すると、すぐリバ石が発見できたのでセーブした。


 何があるかわからないから、セーブは必要だな! と思ってたら「次は商業ギルドね」とつぶやいて、すぐさま門番さんからギルドの場所を聞き取り、手をつないでギンガの案内で向かう。

 ストレージがあるので、商業ギルドではすぐに登録が完了。即座ににフローベールへの運搬依頼を先輩が見つけ、ふたりで受ける。

 途中でラブレーダンプリング2個と水袋を買って乗合馬車の乗り場まで戻る。これで出発5分前。


 馬車に乗り込んだら、水魔法で水袋を満たしてギンガと回し飲みをして喉を潤す。ラブレーダンプリングは美味しかった。野菜の多い肉まんかな?


 そうして美味しい饅頭に舌鼓を打ってると、馬車がゴトゴトと動き出した。上手くいけばアカネと合流だ!

 王族に素のギンガを見られたらどうなるんでしょう、決めていません。祭り上げられて貴族にでもなるんだろうか。

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