表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あちーぶ!  作者: キル
45/292

『ピッツァ! ピッツァ? シティ!?』15

[アカネ]先輩たちが犯人ってこと!?

[チャコ]うーん、直接ってわけじゃなくて、間接的にかな~?

[アカネ]どこでそう思ったの?

[チャコ]最初は、先輩たちのデリバリー先かな~。


 先輩2人のデリバリー先が、必ずアンダーピールの膨らみ部分。つまり、各所に配備された護衛艦に偏っているようだ。よくそんなの見てるよね。


[チャコ]あ~、でもミテラさんの落下は関係ないから~

[アカネ]外に居たの、驚いてたからね。


 話の途中で、先輩たちとアエラさん、ミテラさんを除くマードレ・ピッツァの人が入ってきた。

 手招きをしているのでそちらへ向かう。


「マーレさん、ミテラさんの様子はどうでした?」


 色々気になるけれど、まずはミテラさんの話が聞きたい。


「今は意識がある。頭も体も軽傷。首も、どこかぶつけたわけじゃ無いけど安静にする必要がある。足は骨折したけど、状況から考えると運がよかったかな。アカネちゃん、改めてありがとう。あなたが動いてくれなければ友達を失うところだった」


 マーレさんが頭を下げて、合わせるようにマドラさんもメエルさんも、頭を下げた。マドラさんとメエルさんは目が赤い。医務室で泣いてたのかもしれない。


「いえいえ! あ……はい。助けることができて良かったです」


 一瞬否定したけど、感謝を受け取った方がいいと思い直した。私が逆の立場なら、否定されたところで相手が受け入れるまで感謝の気持ちを伝えるかなと思ったからだ。


「ミテラさんには明日にでも上へ戻ってもらいます。仕事も続けられませんし、病院で適切な治療を受けてもらいたいからです」


 アエラさんから、ミテラさんの今後について話があった。救急用の浮遊ゴンドラに乗って地上へ戻るようだ。また、治療費も会社側から出ると聞いた。まぁ、そうだよね。

 ミテラさんには、早く上へ戻って治療に専念して欲しいけど、もし明日時間があるのなら会ってみたい。


「マーレさん、アカネさん、チャコさんには、リーマトさんがお礼を述べたいそうなので、後で来ていただくことになります」


「アカネやマーレさんはともかく、あたしも~?」


「はい。3人ともにお礼をしたいそうです」


 茶子はキョロキョロと周りを見てから頷く。


「今は忙しいので、申し訳ないのですが1~2時間後となります」


「はい、わかりました」


 ミテラさんだけじゃなくて、息子のスインさんも命の危機だったからね。どちらも無事に助けることができてよかった。


「鉄道の移動は明日の早朝予定でしたが、ミテラさんを見送ってから移動するので、予定時間より2時間ほど遅れます。このことはデリバリー先にも伝達済みです」


 さすがアエラさん、出来る女性って感じだ。事件から1時間程度しか経っていないのに、もう連絡を終わらせている。


「食事しませんか? 皆さん食べてないですよね」


 黄里先輩が提案して、それぞれがピザの自動販売機で購入する。うん、やっぱりピザっぽくはない。


「たまに食べるのならいいですけど、毎日これではやる気が出ないですね」


「昔と比べれば美味しくなったのよ、これでも」


 マドラさんの感想に、アエラさんが昔の自動販売機の味を教えてくれる。今はパンのような生地だけど、昔はもっと硬い生地だったらしい。保存と栄養に特化しすぎて、美味しさとは無縁だったそうだ。


 食事が終わり、解散となった。後からアエラさんが呼びに来るようなので、食堂か部屋に居るように言われた。


 先輩たちはトランプを手にマドラさんたちと遊んでいる。私は茶子とリバーシをやりながら、さっきの話の続きだ。


[チャコ]続きだけど~、護衛艦って聞いても驚いた様子なかった~。

[アカネ]確かに。何も聞かずに受け入れてたね。

[チャコ]うん。あと、この船の安全装置って、固定金属とT字アームでしょ~? それなのに、T字アームが壊れたって話しか出なかったのも変だよね~。普段の先輩たちなら、両方壊れた可能性考えるのに~。


 確かに、T字アームしか注目していなかったのは変だ。固定金属の話も出たから、知らなかったってわけでもない。それなのに、固定金属が壊れている可能性を考えていない。


[チャコ]固定金属に問題が無いって知ってたんじゃないかな~?

[アカネ]異常があるならT字アームでしかないってことかぁ。


 最終的にT字アームの異常って話が出回れば、問題は無くなるからね。


[チャコ]最後は、聞き取り調査かな~。調査した人、先輩と同じピンバッジしてた~。

[アカネ]偶然じゃなくて?

[チャコ]座るとき、わざわざ襟を整えてピンバッジ親指で撫でてたから~、何かの合図だと思ったんだよ~。

[アカネ]ということは、話に出てたお金持ちの人が関係してるのかな。

[チャコ]多分、私たちと先輩たちは、シナリオが別のルートになってるんじゃないかな~?


 とはいえ、自分たちがどんな分岐になっているのかがよくわからない。先輩と完全に分かれる可能性も、合流する可能性も考えられる。


[アカネ]でもピンバッジって、他に着けてる人が沢山いるよね?

[チャコ]ピンバッジ自体は誰でもつけてるね~。


 形状や種類で区別をつけている可能性はある。先輩たちと調査の人のバッジは、8分の1サイズにカットされたナポリピザのマルゲリータで、バジリコが2枚。普通過ぎて見かけても当たり前に見落としてしまいそうだ。


[チャコ]ピンバッジじゃないけど~、アエラさんとマドラさんも同じの持ってる~。

[アカネ]偶然……いや、デリバリー先の割り振りを考えるとアエラさんは先輩側っぽいね。


 こうなると、バッジに限らず誰がどのピザのアクセサリーを持っているか確認しないと、思わぬ事件に巻き込まれてしまいそうだ。


[チャコ]じゃあ、リバーシを終わらせて、呼び出し待ちだね~

[アカネ]そうだね、何か進展あるかも。


 そう思ってリバーシの盤面を見る。


「……パス……パス……パス……パス」


 茶子が駒を置いたのに、私が駒を裏返せる場所が無いのでパスをずっとし続けるしかない。結果、盤面のマスを余らせた状態で全部の駒が茶子の駒に変わって終了した。


「強すぎない?」


「家族の中では弱い方だよ~」


 恐ろしい家族だ。私は瞬殺されるんじゃなかろうか。

 その後、先輩たちの場所に行ってトランプに参加。ババ抜きと同じルールのピザ抜きでは、メエルさんが負け知らずで、配られたカードが最初から手元に残らない謎の豪運も発揮。初めて見たよそんな手札。


 ゲームで遊んでるうちにアエラさんから呼び出しがあったので、茶子とマーレさんと一緒にゲームを抜けて移動。そのままゲームも解散となった。


 アエラさんを先頭に、前回リーマトさんと会った部屋へと移動した。

 ノックをしてから部屋に入る。ぱっと見た感じ変化はないけれど、本棚の並びが一方に偏っていたり、地面が濡れている場所がある。護衛艦ごと斜めになった影響は大きかったんだろう。

 また、奥の机に書類やファイルが積み重なっていることから、かなり忙しかったんじゃないだろうか。

 ソファーに座るよう勧められたので、並ぶように座る。


[チャコ]ピンバッジは別の種類だね~

[アカネ]まん丸のマルゲリータだね。


 リーマトさんはあのピンバッジじゃ無いのを確認した。


「呼び出してしまって申し訳ありません。本来なら息子の恩人には私から出向かねばならないのですが、そうも言っていられない状況になってしまいました」


「いえ、お忙しいのはこちらもわかっておりますのでお気になさらず」


 マーレさんの返事に同意するようにうんうんと頷いた。


「ありがとうございます。それと――息子のことを助けてくれて感謝してもしきれません。本当にありがとうございました」


 リーマトさんが頭を下げた。少し長めに頭を下げているのでどうしようかと思ったけど、しばらくしたら顔を上げてこちらを向いた。


「色々と話をしたいのですが、あいにくまだ忙しく時間が取れません。上に戻ったらお三方をぜひ我が家に招待し、改めてお礼をさせていただきます」


 そう言って、名刺と思われる紙を渡された。


「後日、勤め先の店に連絡を取って、皆様の都合のいい時間を確認したうえで招待したいと思います。もし連絡する必要がある場合は、そちらの名刺に連絡先が書いてありますので、そちらへお願いします」


 その後は、部屋を退出し割り当てられた部屋へ戻った。


「どうだった? 何か重要そうな話とか言われたかな?」


 部屋に戻ると、黄里先輩が尋ねてきた。


「簡単なお礼と、上に戻ったときに家へ招待してくれるって話だった」


「そうか。ま、状況的に忙しそうだし長話はできないか」


 蜜柑先輩は話を聞いて頷いている。


「今日はログアウト~?」


「一応、明日の朝までスキップしてからにしようか。この状況だと夜にイベントが発生するかもしれないからね。まだ強制ログアウトまで時間の猶予がある間に確認した方がいい」


 スキップでも、強制イベントが発生した場合はスキップが停止することがある。学校より、自宅でログインしている方が時間の融通が利きやすく、今は自宅ログインなのでイベント確認には丁度いい。


 全員ベッドに入って、スキップを実行。無事に朝まで飛ばせたので、そのままログアウトして、続きは明日学校で再開することになった。

 たまにカレーが出て曜日を確認できるとかそんな快適な環境ではありません。延々と自販機ピザです。ひょっとしたらトマトソース多めとチーズ多めの2択があるかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ