『亡国の異世界 7つの王国と大陸の覇者』242
~~~アオナ~~~
王都マーキュラスの近くにあるカフェで皆が集合した。拠点以外で全員が集まるのはかなり珍しい気がする。
「アカネを久しぶりに見た!」
「ずっと猫だったからね~」
今の茜は、人の姿に戻って座っている。この時代ではプルトさんたちに猫の姿を認識されたら面倒なので、街中では人の姿のが良い。[シェイプシフト]を使ってるので10分ごとに魔力を使用して魔法を維持する必要はあるけれど、街中なら戦闘のために魔力を温存する必要もなく、魔力を譲渡できる萌黄先輩もいるので問題なく過ごせる。
テーブルは学年ごとに3つに分かれて座っている。それぞれ距離は近いけれど、丸テーブルなので寄せ合って集まることはできなかった。
「探索魔法か。今からだと僕が覚えるのはまだ先だろうね」
「私も最近探索を覚えたばかりだから難しいかもね」
茜は猫の姿で調べものをし続けたら探索スキルが身についたらしい。当初の格闘ヒーラーからは大幅にずれている。
なお、仲間内では蜜柑先輩が探索魔法を覚えている。茶子以上に探索に特化させているこだわりがすごい。
「アオナなら、知識魔法覚えられると思う!」
「古代語と神聖語が該当するのかな?」
「それが知識系なのは間違いなさそうだよ~」
知識魔法は誰も覚えていないので、覚える価値はあるかも。僕以外だと、コガネ先輩が古代語と解読のスキルを覚えているから、魔法を覚える可能性があるはず。特殊能力の魔法の素質も持ってるから、その気になればすぐに覚えそうだ。
店員さんがザッハトルテを持ってきてくれた。茜はいちごのミルクレープ、茶子は焦がしカラメルの濃厚プリン、ギンガは3種類のベリーを使ったムースケーキを頼んだ。ドリンクは全員が紅茶。
「アカネの、思ってる以上に苺だね」
「上のソースも中のクリームもいちごの色してるね~」
「チャコもプリンだけじゃなくて果物もあってカラフルだね」
「クリームも入ってておいしそう!」
「ギンガのもベリーが沢山上に敷き詰められてておいしそうだ」
見た目が派手なケーキとプリンが3つ並んだ。比べると、僕のはチョコレートがケーキの表面を覆ってるだけで、上に何も乗っていないから派手さはない。
フォークをケーキの尖っている場所にあてがって切る……切れない。なんだこれ、表面のチョコレートが硬くて、フォークが通らない。強く押すと下の皿が少し浮き上がったから、お皿の縁を左手で持って、フォークを持つ右手に力を入れて押し込む――入った。表面のチョコレートのコーティング部分がかたいし分厚い。中のスポンジ部分はさすがに硬くないけど、重い感じがする。
何とか切り取ったので、口に入れる……あっま! いや、甘すぎない? 甘いのは好きなので問題ないんだけど、口の中にチョコの味が充満するというか、チョコをこれでもかという程に押し込まれた感じがする。それに、ブランデーのような香りが結構強い。ひと口で結構衝撃を受けるな。
紅茶をひと口飲む――うん、紅茶があってよかった。
「アカネ」
ザッハトルテの乗った皿をアカネに向けると、茜もミルクレープを差し出してくる。茜が少し食べたミルクレープをフォークで切り取って口に入れる。
うん、いちごの甘みと酸味がクリームとクレープのふんわりした甘さにちょうどマッチして優しいケーキになっている。素直においしい。
茜は僕がケーキを切り取るのに苦労したのを見てたので、最初から片手に皿を持って切り取った。それでも切り取るのに少しだけ苦労してたので、このケーキの硬さがどれほどかよくわかる。
「ん――っ。あっま! 凄いチョコの味。あとお酒っぽい香りがする」
「ね。思ってた以上に甘い」
「あたしも貰っていい~? あたしのも食べきれないから持っていって~」
「いいよ。ギンガもどう?」
「もらう!」
さすがに茶子だけでケーキを切るのは大変なので、切り分けて茶子の皿にのせる。ギンガには皿ごと渡したけれど、切り方が遠慮して角の少しだけ切ろうとしてたから、「このあたり全部いいよ」と言って大きく切ってもらった。
茶子のプリンもおいしい。表面の焦がしカラメルのパリッとした食感が、本体のプリンの柔らかさと混ざって噛むのが楽しいし、カラメルの香りがちょうどいいアクセントになっている。クリームも癖のない生クリームで、味は間違いがない。
ギンガのムースケーキは、ケーキの一番上の部分にストロベリー、ラズベリー、ブルーベリーがちりばめられていて、ゼラチンでまとめられているから見た目に可愛い。3種のベリーのうちラズベリーとその下のムース部分だけもらって一口食べる。ちょっとした甘みと強い酸味に加え、プチプチとした食感がするラズベリーは好みが分かれそうだが、これでしか味わえない良さがいい。ムースはストロベリームースで優しい味。下の層のムースは、ホワイトチョコか。これも優しい甘さだ。
「あま~い」
「すごい甘さ! でもおいしい!」
茶子とギンガがザッハトルテを食べた瞬間に、僕や茜と同じような反応をした。やっぱり他のケーキと比べてかなり甘いよね。
一通りみんなとケーキをシェアしたので、あとは自分のケーキを食べながらおしゃべりを楽しむ。紅茶にお代わり用のポットがついていたのがよかった。甘すぎて紅茶が必須。
「アカネは装備整えないの?」
ギンガがケーキを食べながら茜を見る。アカネの装備は初期装備じゃないけれど、かなり前からほとんど変わっていない。ギンガはこの数日で装備を整えていて、全身をマアズ鋼を使った装備に変えている。もちろん、ここでは装備していない。
「この状態で居ることが少ないからね。それに、買う機会もなかったし」
ほとんど猫の姿なので、不自由はないそうだ。まぁ、そうなるよね。
装備の話で、あれを思い出して茶子を見ると、茶子も同じなのかこちらを見ていた。
「アオナ、渡した~?」
「ううん。4人揃ったときのが良いと思って」
アイテムボックスから手のひらサイズの袋を4つ取り出す。
「前にヴィナス王国のお店でアオナと一緒に買ったんだよ~」
「これが茜で、これがギンガ。こっちが茶子」
袋で見分けがつくようにしてもらったので、開封することなくそれぞれに渡す。
「いいの? ありがとう!」
「ありがとう! うれしい!」
「開けてみて~」
茜とギンガが開ける様子を茶子と眺める。選んだのは、和柄の組紐で作られたリボン。どの装備とも組み合わせがしやすく、猫状態の茜でも首輪として身に着けられるのでこれを選んだ。紐の色はそれぞれの色で別々だけれど、組紐がお揃いの花の形に結ばれている。
ふたりが「かわいい」とか「手触りが良い」と感想を話してから、それぞれ身に着けることにした。
装備品なので指定した場所にあてがえば装備状態になるため、結ぶ必要が無い。同じ理由で、茶子が持てばサイズが小さくなるためどこにでも装備が可能。結果、お互いにどこに結べばいいか、服に合わせたり髪に結んだりと色々遊びながら相談をする。ひとりで全部のリボンを着けるのを全員で試すなど遊んだ後で、好きなところに結ぶことで落ち着いた。
おしゃべりしながら過ごしていたらケーキも食べ終わったので、デザートが食べたいって話になってアイスクリームを4人分頼んだ。最後にさっぱりしたのが食べたい。
届いたアイスを食べながら先輩たちの方をちらりとみると、あちらも同じように話が盛り上がっている。普段、僕らに見せる先輩たちの表情とは違った感じの様子を見ると、同級生というのはやっぱり特別な相手なんだと再認識する。
「アオナはこれどう思う~?」
茶子の言葉に、先輩たちを見るのはやめて話に戻る。なんだかんだで、この4人で過ごすのは楽しい。
前回のステータスが7王116話で全然更新をしてませんが、話のキリがいいので更新。探索系の茶子が感知が低いのは、ステータスAに割り振っていないため。戦士系の気配察知の側面もあるため、銀華の方が素の能力は高いです。知力も関係するので、蒼奈も高めです。
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名前:アカネ 種族:猫 (アースキャット) 年齢:15 性別:女
レベル:24 職業:猫 状態:正常
HP:310/310
MP:345/345
筋力:16
体力:27
耐久:38
敏捷:85
器用:45
精神:32
知力:27
魅力:25
感知:23
ステータスポイント:0
A:5 B:15 C:8
武器:
防具:革の鎧 ベリクTシャツ改 ベリクショートパンツ改 革の小手 革の靴
装飾:組紐のリボン 龍の首輪(水金木天海)
スキル:探索1 格闘2 回避2 走り5 跳躍5 鋭敏聴覚5 治癒魔法3 物質魔法3 獣人魔法3 猫格闘4 猫潜伏7 猫五感8 猫適応10 低重力遊泳3
固有能力:暗視
特殊能力:子猫化 ソウルリンク
称号:母ネコの子 時空開拓者 時空適応 木龍のお気に入り
ストレージ
ナイフ 木の板 彫り物 ロープ 鏡 方位磁針 魔法書(物質)王笏の欠片(水金木天海) アストロラーベ ヒーラーワンド 歴史書 生物図鑑 中央の街地図 毒薬瓶
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名前:アオナ 種族:ヴァンパイア 年齢:15 性別:女
レベル:23 職業:中級根源魔術士 状態:正常
HP:185/185
MP:590/590
筋力:7
体力:7
耐久:7
敏捷:6
器用:25
精神:58
知力:125
魅力:54
感知:29
ステータスポイント:0
A:2 B:2 C:23
武器:ゴールドワンド
防具:水模様の着物 着物用胸当て ショートブーツ
装飾:組紐のリボン ベルトポーチ
スキル:杖術1 古代語6 神聖語6 鑑定4 魔力感知7 魔力操作6 魔法射撃2 光魔法5 闇魔法5 火魔法5 水魔法5 雷魔法5 土魔法5 木魔法5 時空魔法2 魔化1 吸収魔法1
固有能力:闇視
特殊能力:真祖の血縁 能力封印 眷属変身 再生 ソウルリンク
称号:救世主 残存者 時空開拓者
ストレージ
ナイフ 魔法書(根源魔法概説)(時空魔法)(混融魔法概説)(魔石除去) 帰還石 毒薬瓶
アイテムボックス
王笏の杖 古い本(日記1)(日記2) 書籍や書類多数 貴金属多数 魔石 各種書籍類 ヒトの骨 アストロラーベ(偽) 歴史書(最新の年代で星暦988年) 古い魔法書(生活) 丸い魔石 ロープ 鏡 方位磁針 毛布 ブドウ 瓶 厚手の上着 丈夫なハーフローブ ラブレーボア革の胸当て ベリクポロシャツ改 ベリクスカート改 皮のグローブ ラブレーボア革の脛あて 革の靴
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名前:チャコ 種族:妖精(エルダーピクシー(水))年齢:15 性別:女
レベル:25 職業:祝福使い 状態:正常
HP:255/255
MP:455/455
筋力:1
体力:18
耐久:34
敏捷:94
器用:68
精神:45
知力:27
魅力:19
感知:13
ステータスポイント:0
A:1 B:21 C:7
武器:なし
防具:ヴィナスの漢服 チャイナシューズ
装飾:龍のブレスレット(水土) 龍の指輪(金火) 龍のイヤリング(天海) バレッタ 組紐のリボン
スキル:探索6 開錠3 罠解除3 採掘2 回避1 高速飛行6 魔法射撃1 水魔法4 妖精魔法7 精神魔法3 気配察知2 魔力感知1
固有能力:飛行 妖精眼
特殊能力:無限飛行 妖精の消失 妖精の隠れ家 古の妖精 ソウルリンク
称号:時空開拓者 ニャット(エルダーピクシー)の友 幸運の妖精
ストレージ
ナイフ ショートソード 王笏の欠片(水) 他食料品 ロープ 縄梯子 鏡 方位磁針 ツルハシ 毒薬瓶
妖精の宝箱
食料品
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名前:ギンガ 種族:ドワーフ(ジャイアント) 年齢:15 性別:女
レベル:30 職業:斧戦士 状態:正常
HP:725/725
MP:240/240
筋力:145
体力:71
耐久:47
敏捷:15
器用:15
精神:11
知力:9
魅力:28
感知:50
ステータスポイント:0
A:26 B:5 C:3
武器:マアズ鋼の重戦斧
防具:マアズ鋼の盾 マアズ鋼の帽子 マアズ鋼の鎧 ベリクブラウス改 ベリクハーフパンツ改 マアズ鋼の小手 マアズ鋼の靴
装飾:龍のブレスレット(水) 龍の指輪(金火) 竜のサークレット(木) 龍のイヤリング(天海) 組紐のリボン ミスリルリング(鑑定阻害)
スキル:斧7 盾4 格闘4 魔力操作4 魔力感知1 運搬1 木工3 細工4 装飾品鑑定2 回避3 山岳適応3 土魔法4 肉体魔法5
固有能力:暗視
特殊能力:剛力晩成 巨体特攻 龍種特攻 ソウルリンク
称号:ジャイアントキリング 水龍の友 時空開拓者
ストレージ
王笏の欠片(水金火木天海) ナイフ 手斧 鋼の斧 ロープ 鏡 方位磁針 毒薬瓶
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