ラッキースケベ?俺は回避していく派だ
なんとかのどかがキャラ崩壊しないように気をつけるのがむずいです。ただこれもいつかはなれると思うと楽しみですね
「ふたりきりだね」
「えっ」
なんだこいつ。さっきまで態度でかかったのにいきなりなんなんだよ。
「フッ。本気にしちゃって、照れちゃってんの」
俺はそう言われてやっと自分の頬から耳にかけて薄い紅色に染まって行くのに気づいた。
見たわけではないが、直感的己の心情的にそう感じた。
「か、からかわないでくれ。所詮、お前のお見合いの練習相手だろ?」
のどかは笑って、でも少し悲しそうに
「そうね、気を和らげるために言っただけ」
「?」
「なによ、もう少しぐらい私に気をかけたっていいじゃない」
のどかは、キスするほど近くないと聞こえないぐらいに小さく呟いた伊織は気づかずに、このすこし気まずい雰囲気に耐えきれずなんの部屋かもわからない扉をあけて駆け入った。
クローゼットかよ!!大層な扉してるからなんかの部屋かと思ったわ。まずい、、このままじゃ急にクローゼットに入った変なやつみたいに思われる。いくら性格がああだからといって美人にきもがられるのはちょっと俺の男のプライドが許さない
「あんた、そんなにクローゼットが好きなの?」
困惑気味に聞くのどかに、俺は何故かうんと頷き、のどかはマジかと引き気味に。俺は営業スマイルを貫いた。
「伊織、あんた昼食べてないでしょ?何食べる?私もまだなんだけど」
「あー。マ○クかな?」
「ok。モスね、わかったわ」
ん?
「俺マクドって言ったんだけど、、」
「あんたがそういうからモス食べたくなったんだよ」
「じゃあ最初から聞くなよ!」
何だこの自己中は。俺の意見なんてハナから聞こうだなんて思ってなかったんだろうな
「ああそれでいい。もうどうでもいいわ」
「潔いのはいいことだ。これからも飯は私が決める」
もう勝手にしてくれ。おれはこれからの生活ですこし運動量を増やさないといけないと悟った。
昼飯が届いてから俺は極度の胃の痛さを感じた。そりゃそうだ、なれないバカみたいに広い家と昨日、初めて喋ったといっても過言ではないやつと同居、ストレスを感じないわけがないのだ。その点、この女は何なんだ
「食べねーの?」
あまりにも無神経極まりないこいつの態度には毎回うんざりする
「私がお前の分食べちゃうぞ?ほれほれ」
しかしお腹が空いているのは事実で、久しぶりにたべるハンバーガは少し胃に刺激が強かったが、ちゃんと美味かった。流石名チェーン店だ
「私のツケな」
「聞いてねえし」
「言ってねえからな」
こいつの冗談にはたまに笑って見過ごすことのできないものもあるが、学校での女神様モードのこいつよりかは断然話しやすいし好きだ。いい友人が増えた気分で楽しいものもあった。
夜になると、風呂は当然俺が洗うことになり、沸かすのも...といってもボタンひとつ押すだけだが。
洗った褒美に一番最初に入らせてもらえたのは最大の譲歩らしい。
「ふぅ」
足まで伸ばせる湯に浸かるのは気持ちがいい。自慢ではないが身長は170強あり、すでに人権を獲得していたのである。元の家の風呂は地味に足がつっかえる普通のサイズの湯船だったのでここまでのリラックスは味わえなかったのである。
そこに、俺の平穏を揺らがせるものが現れる
ガチャ。っとでもいうとおもったか!!
「なんで鍵かけてんのよ!男のくせに!」
やはり来たか、己の破壊力を知らない罪人め。なにが『お背中、流しましょうか?』だ。
こいつに理性が壊されるぐらいなら、死んだほうがマシだろう。
「入ってくんな!それと、入り口前で待機すんのやめろよ!?マジで」
「フッ今日のところはこれぐらいで勘弁してやる。いつかその理性壊してやるその時まで覚悟してるんだな」
諦めたみたいでよかった。まったく、言い争ったせいで少し体がだるい。のぼせてしまったようだ
風呂から上がった俺は、直前から待機していたのどかを華麗に躱して、高級ふわふわソファーへとタオルでつつんだ保冷剤とともにダイブした。ひんやり気持ち良い。
だが、親の顔とそれまでの生活を不意に思い出し、そのテンションは一気に暗闇へと沈む。これまでの人生でなかなかに修羅場を乗り越えてきてメンタルを鍛えてきたと思っていた。しかし、優しかった両親の悪い意味でのギャップにせっかくのふわふわソファーを少量の涙で汚してしまうのだった。
「どうした?親のことが気がかりか」
妙に勘が鋭い。と伊織はのどかを睨む。が、それは別のものへのジト目であった。
「それ、俺が持ってきたシャツじゃねえか」
のどかが着ていたのは俺が家からかき集めてきた服のなかのお気に入りのTシャツとトランクス。さすがにトランクスは自前のようだが。これが俗に言う『彼シャツ』。喋らなかったらなかなかくるものがある。喋らなかったら。
「彼シャツだよ〜?全男子が羨む、美少女の彼シャツ。1万円でいま着てるやつを売ってやろう」
「自分で言うな。そんで俺のなんだから売るもクソもないわアホ」
さっきまで沈んでいた気分もこいつといれば自然と薄れていくのであった。それは伊織の救いであったし、新しい居場所を手に入れた安堵感もあったのだ
「自分の着ろ」
「私、下着しか持ってきてなーい。明日、一緒に買いに行こうぜ旦那様?お前の分も奢ってやるよ」
ちゃっかりデートのお誘いを受け、おれは彼シャツ(今日だけ)で納得したのであった
デート。それは恋人がやるもの、、なのか??????