白雪伊織
めっちゃ期間あいた。すんません
「いったい、これはど〜いうことですか?会長」
「どーいうつもりもなにも彼をここにいれるだけよ」
「私が男嫌いなの知ってますよね?なのに、ガキンチョアイドル?下心しかないに決まってるじゃないですか!」
”しろぷろ”東京本社の会長室で苛烈なレスバが繰り広げられていた。
男嫌いで有名な、新島綾乃。そのため、偶に行われるネット配信では男性に対する過激な発言が少々見られるが、それはそれで、一部の変t...特殊なファン達に受け入れられているので人気は高く、しろぷろのトップアイドルだ。
「したごころぉ?お前に〜?その胸でよくそんな事いえんな?」
「胸に関することは禁止です!禁句です!禁忌ですぅ!!」
ハッハッハ、と高らかに笑う恵理はその大きい目を薄めて
「伊織くんはそんな奴じゃない。私がスカウトしたからまずそんなことはない。」
「ッ!そう断言はできないじゃないですか!!それか、なんですか?なにか私を納得できるような理屈があなたにあるんですか?」
ふぅ...と息を吐いて彼女はこう告げた
「彼は私の娘と同居している」
「オッフ、、、」
それはしないわぁ、と納得しかける綾乃、しかしアイドルとなる上では綾華には聞き捨てならん言葉があった。
「っていうか、同居ぉ!?それって、母親としてどうなんですかぁ?!それよりアイドルが異性と同居っていいんですかぁ?!」
「ああ、そのことについてはもう考えてある。あまり私を舐めるでないぞ??」
ゴクリ。
「秘密にする」
「あぁっ。単純明快すぎて死にそう。アホなの?この人、馬鹿なの?」
「おいおい、この国から財閥が無くなりそうになったのを立て直した天才にそんな事言うとは...心外だよあやのん」
「わざとらしく泣き真似しないでください。ハァ、わかりましたよ。っで、こんなとこ呼び出して、私になにをさせるつもりですか?」
「伊織くんの先輩代表でお世話してあげて?」
それを聞いた綾乃、、改め、あやのんは口を大きく開き、坊主頭がチャームポイントのある芸人を真似て叫んだ。
「なんて日だ!!!」
先のレスバから2日たった日の12時ちょうど白雪伊織のオンラインライブが始まった。
「どう?緊張してる?」
「大丈夫ですよ、先輩。小さい頃人前で歌ってたんで」
「そう、って先輩やめて綾乃って下の名前で呼んで」
「ええ、そんな。恐れ多いですよ」
「呼、べ」
「あ、ハイ」
初ライブは、本人の希望もあり綾乃と臨まれる事となった。ぶっちゃけ誰でも良かったが、一人だと心もとなかったからだった。あと、オンラインも伊織の要望だ。いくら人前で歌った経験があったとしても3万人近くの観客相手に歌えるほどの度胸は伊織にはなかったのだ
「でも綾乃さんは男嫌いじゃなかったのでは?」
「あなたの顔が女らしいからあまり気にならないのよ」
「そんなに俺の顔は女々しいですか...」
「そういう意味で言ったんじゃないわよ!!」
そんな二人のやり取りを見てライブの視聴者は各々の反応を示していた。
『この女、、男の子が新しいアイドル?めっちゃかわいいんですけど!!』
『あー。俺全然行けるわ』
『男の娘枠。フッフッフ、嫁がまた増えましたぞ』
『っていうか、この子誰!?いつもの綾乃はもっとツンツンしてるドSキャラだぞ!?』
「たまに気持ち悪いコメントが見受けられるけどッ!今日は伊織くんのデビュー初ライブ!さぁ自己紹介して!!」
「あーハイ。白雪伊織です。これからよろしくお願いします。趣味は歌を歌うことで、得意なことも歌を歌うことです。踊りはできないので歌手路線でいきます。よろしくお願いします」
「いや、学校の自己紹介かよ!!」
ナイスツッコミ、というカンペを上げている恵理。カメラの向こうでゲラゲラ笑っているのどか。
3人の反応にいまいち理解ができない伊織は本当に純粋な気持ちで答えた。
「自己紹介でこうじゃないんですか?」
「違うわ!!もっと、、こう、なに?あ゛あ゛!とにかく、もうちょっと女性らしくしなさいよ!」
「えぇ...?ガラじゃないし、、ってん?」
ステージ裏で恵理が『やれ、会長命令』というカンペを上げて、怪しげな笑みを浮かべていた。
「うへぇ...わかりましたよ。やります」
決意を固めた裏腹にのどかは内心浮かれきっていた
(うへぇ、、伊織の可愛い声もっと聞きたいなぁ...でも地声の伊織は私だけのものなんだ〜。フフフフフ)
「うわぁ..」
娘の締まりきらない顔に、恵理は母親として複雑な気持ちになるのだった
「じゃあ、もう一度。伊織の自己紹介、3,2,1どうぞ!」
「改めまして初めまして。俺は白雪伊織。趣味はみんなを笑顔にすること、、かな?得意なことは歌を歌うことで、踊りはできないから許して、ね?」
口角を少し上げ、フッと笑って言うその様は女性ウケのいいカッコいい女の子そのものを演じていた。
「.....んーー???オレっ娘(?)なんかカッコ可愛いくて、めっちゃいいんだけど?こりゃ私達のほうが自信失うな」
『やりすぎー!!』とカンペを上げる恵理だが、満足そうな顔をしていて、うまくいったと伊織はやっと肩の力を抜くことができた。
「っとまぁ、自己紹介はここまでにしておいて。今日は伊織のお披露目でもあり、初ライブでもあるんだよね。視聴者の皆さんも早く聞きたい感じなので予定より少し早いけど、伊織くんは準備できてる?」
「緊張しますけど、OKですよ」
するとコメントでは伊織の曲が聞けると期待からとんでもない盛り上がりを見せ始めた。すでにこのときには同説10万人を超えていて、それをみていた綾乃はドームライブかな...?と信じられない様子でいた
「スタッフさんも準備できたみたいなので、俺のデビュー曲、披露したいと思います!!」
ふぅ、と息を吐き、歌い手としてのスイッチをいれる
「それでは聞いてください『恋の軌跡』」
〜〜〜〜〜〜〜〜♪♫〜〜♫〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪♫〜〜
まるで男の喉から到底出ているとは思えない甘酸っぱい乙女の恋の歌に、、一度聞いたことのあるのどかや恵理はともかく、初めて聞くリスナーや綾乃はその歌声に息を呑んだ
;ふぁっ!?これで男とかありえんだろ!
;さっきまでカッコいいダウナー女子みたいだったのに、今は恋する乙女だ...!!
;自己紹介もよかったけど声高すぎんか?
「ほーん?本気出してきるね。面接のときよりさらに磨きがかかって可愛い」
「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い、結婚してぇ〜〜〜」
「ちょっとのどか?!素に戻ってるわよ!?早く戻りなさい!!」
「はっ!!今まで私は何をしていた??」
「ったく、伊織くんのこととなるといつもこうなるんだから」
ハァ...とため息を吐く
「だけど彼、ほんとに歌が上手ね。一瞬でこの国の芸能界を牛耳る未来が描けたわ」
「ほんと、そうだな...」
のどかは目に映る伊織から、白雪伊織の放つ輝きに見入りながら呟いた
「ずっと私の憧れだ」
「ありがとうみんな。どうだったかな?」
「いやいやいや、すごすぎるよ伊織くん!それどっから声出してんのさ!!」
「アハハ。ありがとうございます綾乃さん、うまく歌えて良かったです」
「ッ悔しいけど!私より可愛いわ...」
「いやいや、可愛いだなんてやめてください!!男ですよ?俺」
「いーや私は信じないね。もし男なら私アイドルやめていい?化粧してるとはいえ、そんなに美人なのは反則だよ..」
「え?すっぴんだけど.?」
「なんて不条理なんだ!!!!!!」
『白雪伊織』のデビュー配信は文字通り大成功に終わり、SNSのトレンドは俺に関するもので埋め尽くされていた。その中には男の娘など不本意なものも含まれていたが...解せぬ。
「やはり彼のアイドル化はしろぷろにとって新しい転機となりうるだろう。私の判断はまちがってなかっただろう?なあ、蓮也?」
そういって恵理が話しかける相手は額縁のなかに収まったひとりの男性だった。
こっからストーリー性出していきたいなーとかなんとか




