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 目覚めた。埋もれた。弾けた。


『グワングワン』

 視界は揺れる。水面に立つ波のせいなのか。

『グゥー』

 と大きな音を誘発させ続ける物のせいなのか。僕たちには分からなかった。


『ガヤガヤ』

 辺りには、それまでとは違う、喧騒が響いた。

 ・・・・肉が生まれた。僕たちは、貪る様にそれを、調理せずに食べた。


 一人が叫んだ。

『みんな、狂ってる。錯乱している。落ち着こう』

 ・・・・・肉が生まれた。

 僕たちは、再度、貪った。


 味は解らなかった。

 ・・・血の味と、涙の味以外。


 僕以外、みんな、みんな、みんな、みんな、肉になった。

 僕は、お腹が空いた。もう、肉はない。

 荒波に支配された此処は、もはや全ての命の灯火が消えてしまった。


 また、覚めてしまった。

 今度は、森だ。先の見えない、。暗くて、重くて、冷たくて、寂しい濃霧に覆われている。


 手に持っているコンパスは、回り続けて、使えない。

『ガサガサ』

 辺りからは、物音が響いている。


『うワァアアァ!やめっ!たすけ!』

 断末魔と、それを無情にも搔き消す

『グシャ』

 という音が響いた。


 肩から、力が抜けた。

 視界の端には、鋭い鏃が見える。


 鉈を振りかぶる

『ビュンビュン』

 と音が近づいてくる。


 あっ、終わった。

 狂った。気狂いの笑顔をした少年が、辺りから飛び出した。

 ・・・僕の頭は、二つに分かれた。

 片方は、犬畜生の餌に。

 片方は、蛆の餌に。

 身体は、深い深い、川の底。


 燃える。

 服が燃える。

 辺りは、業火に包まれていた。

 全てを消し去り、浄化する業火に。


 僕の罪を数える様にゆっくりと燃えた。

 皮膚が爛れ、骨が露呈し。指先が炭化し。足が焼け落ち。それでも、炎は冷酷に、優しく。全てを破壊しながら、そこに灰を生み出した。

 その灰は、風に乗って、どこかに散っていった。

 そして、灰は、生物に、植物に祝福を与えた。

 おしまい。おしまい。


 ・・・また、目覚めた。目覚めた。目覚めた。目覚めた。目覚めた。目覚めた。目覚めた。目覚めた。

『グシャリ』

 潰れて、弾けた。

『グサリ』

 腹を、刺された。

『ガシャン』

 僕は、頭の無い僕を見た。

『ブシャー』

 腹は、血を噴き出した。

 ───────いつまでも続いた。潰れて、弾けて、噴き出して、飛んで、埋もれて、腹を空かせて、焼けて、燃えて、割れて、落ちて、吹き飛んで・・・・・これは、いつまで続くの?

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