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 目覚めた。刺された。消えた。


 再度、起きた。

 今度は、子供部屋だ。

 辺りでは、信じられないほど巨大な、おもちゃの機関車が走っている。


 ・・・目が覚めた。

 僕は、木で出来た線路の上にいる。

 目の前には、黒煙を噴出し、

『ブオー』

 と死する獣の様な唸り声を上げる、木製の機関車が走ってきた。


「あぁあぁ!」

 叫び声を上げたが、

『グシャ』

 小さく、弾ける音が響くだけだった。


 起きた。辺りは、

『シーン』

 と静まり返っている。


 突然、

『ゴー』

 とガスが漏れる様な音、臭いが充満した。


「うぅぅうう!」

 今更気づいたが、僕は、椅子に縛られ、口に布を巻かれていた。

『シュボ』

 の様な音と共に、小さな、小さな、灯火が生まれ。

 爆発と共に、僕の意識は消えた。


 また目覚めた。今度は、駅のホームだ。

 電車が到着するアラームが響く。

 辺りには、誰もいないというのに、喧騒が響く。

 僕は、押された。

 辺りには、怒号が響き渡る。


 カメラを向ける人々。驚く人々が見え。

 押した人間が、嘲る様に笑った瞬間。

 僕は、弾けた。


 目覚めた。

 僕の首には、縄がかかっている。

 ・・・・

「ぐぅぅぃぅううぅ」

 うめき声が響き、

『ボキっ』

 無情な、乾いた音が響いた。


 覚めた。

 学校に居た。

 見知らぬ学校だ。


『パン』

 冷たい、人の髄を凍らせる鋭い音が響き渡った。

 僕の服は、腹を中心に、同心円状に、赤く、紅く染まっていった。


「あああぁ!あぁああぁあ!」

 声を漏らす。

『ヒソヒソヒソ』

 周りから、小さく笑う声が聞こえる。


『パリン』

 窓が割れる音が響き、再度、銃声が響いた。

 そして、僕の足は弾け飛んだ。


「うわああぁあ!痛い。いらい!痛い!」

 声を漏らす。目に前からは、散弾が飛んできた。

 両方の腕が吹き飛んだ。残っていた足が吹き飛んだ。


 血が、とめどなく吹き出す。

 これほど、人体には詰まっているのかと驚くほどに。


 そして、再度の銃声により、だるまの頭は、消し飛び、脳髄を、脳みそを、頭蓋骨を弾け飛ばし、冷たいタイルを彩った。


 目覚めた。

 今回は、山の上にいた。

『バサバサ』

 土を掘る音が聞こえる。


「うぅうkうt」

 口を縛られているせいで、うまく発生ができない。


「くひひひひひ!」

 辺りに、笑い声が木霊した。

『バサバサバサ』

 笑い声に驚いたのか、鳥達が飛んでいくは音が響く。

 その音は、僕の精神を恐怖に落とした。


「うう!ぅぅうう!」

 声を必死に出して、助けを乞い願いう。

 誰もこない。誰にも救われない。


『パキパキ』

 枯葉を踏む音が響いた。


 そして、僕の眼前には、薄ら寒い、狂気の笑顔を浮かべた男が立ち、僕を持ち上げ、掘られた穴に投げ込んだ。

「うぅ!うう!うぅう!」

 うめき声をあげる。救いを求める声を出そうとしたのに。


『バサバサバサ』

 土が降ってくる。

 それは、まるで、雨の様に。

 それは、まるで、こうなるのが宿命である、と言った奇跡を描き。

 そして、僕は、埋もれた。冷たくて、厚くて、暗い土の層に。

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