金目鯛の詩
目前に一匹
金目鯛
丸々太って
澄んだ目が
こちらを見るは
食えと 聞こえる
鮮度良し
どれ
シンプルに
刺身にするか
酒も良い
いや
ご飯と食べよう
腹を裂いて
内臓取り出し
包丁の背で
鱗を 削いで
削って 削って
水で濯いで
また削り
満足したら
バッテン 切れ込み
フライパンに
水を入れ
調味料
金目鯛
アルミホイルに
穴開けて
落とし蓋して
弱火で
火攻め
液を掛けるは
回して 掛けて
回して 掛けて
出来上がり
丸々艶々 湯気上がる
金目の煮付け
バッテン印が
染まる姿に
涎を垂らし
いただきます
まずはそのまま
箸を入れては
持ち上げて
息を吹きかけ
口に入れるは
美味しいしか言えない
脂の乗った
ホロホロ崩れる身を
僅かに噛み締め
更にひと口
甘塩っぱい
煮汁を絡めて
ご飯と共に
嗚呼 最高
身を食い尽くして
行儀悪くも
骨もしゃぶって
最後は煮汁を
ご飯にかけて
混ぜて 啜れば
堪能し尽くし
歩き出す
水族館で 泳ぐ魚に
食欲を掻き立てられ
次の水槽
タカアシガニ
脚一本くれと
呟やき残すは
仕方なし
※タカアシガニ
大きさもだが、尋常じゃない程脚が長いクモガニ科。蒸すのが美味しいらしい。
メモ:キン