1月29日 もうこれ以上
必死に勉強しようにも、なかなか手がつかないのが本音だった。ただ、アイツは俺の受験に対して心配してくれていた。アイツのことを想うよりも、今は受験に専念した方がいいと何度も自分に言い聞かせた。ただ、言い聞かせれば言い聞かすほど集中できない。なんだろうこの感じ?まるで、何かに取り憑かれたかのような感覚だった。いつからだ?いつからなのか?やはり、手につかずシャーペンを置いた。考えてみろ?最初からおかしかったはず。それとも、最初からこうなることになっていたのか?
アイツがいなくなったのはGW前のことだった。急姿を消した僕は、気がつけなかった。それから、僕はアイツがいない日々が始まった。これまで、当たり前のようにいたアイツが突然姿を消したことに対して違和感しかなかった。なんとなく過ごす毎日だったが、アイツがいるのといないのでは全然違う。それがアイツのおかげだと気がついたのは夏頃のことだった。そこからは、アイツがどこにいるのかこっそり探す日々が始まったのだ。探せど探せどアイツがどこにいるかわからない。体調不良というのが本当なら、病院にしかいない。ただ病名がわからないから、どんな病院にいるかも絞ることができない。
ただ、僕は諦めることができなかった。夏休みという期間を使ったいくつかの病院に行ったのだった。普通、そんなことはしない。ある意味、変態だと言われても仕方がないだろう。こっちにはいないという情報だけはわかっていた。おそらく、東京だろうと考えていた。調べに調べ夏休みの期間を使って、僕は3つの病院に行ったのだ。当たり前だけど、そんな簡単に入院している中に入れない。そのため、アプリを使ったりして、アリバイまで作ったのだった。3つ行った内の2つは、検討はずれという結果だったけど、最後の1つの病院からは手がかりがあったのだ。その病院は、アイツの転院先の場所。
結局、どこにいるかはわからなかったため僕は、戻ってくるのを待つことにしたのだ。待つこと6ヶ月。ようやく戻ってきたのが11月9日だった。そこからは、いなかった6ヶ月についていろいろ話をしながらこれからのことを考えていたのだ。あの時は、ずっと一緒だったと思ったのに。戻って来て安心した僕は、本当にバカみたいだ。おそらく、ここで再び探すことをアイツは望んでいないだろうと僕は思った。もうこれ以上、、、、、、、、。僕は、再びシャーペンをもち始めた。