1月23日 キーホルダー
僕は、2次試験に向けて勉強を続けていた。家だとどうしても集中できない。かといって、学校に居てもな。そう思って、カフェに来たらアイツがいたのだった。ちょうど、学校の補習が終わったんだろうか?スクールカバンを持っていたのだった。
僕 「ふーん」
アイツ「何よ?」
アイツがカバンにずっと身につけていたキーホルダーは、俺が昔渡したものだった。
僕 「何もないよ」
アイツ「そう?」
いつもと変わらない様子を装う。たしかに、じっと見ていたらそう思う。そう言えば、なんであのキーホルダーをずっとつけているのだろうか?不思議だった。
僕 「うん。それよりも卒業できそうなのか?」
アイツ「たぶんね」
僕 「相変わらず、テキトウだな」
カバンについてあるキーホルダーは、いつまでついているのだろうか?僕は、勝手に心配になった。高校を卒業したら、このスクールカバンともお別れだろう。そしたら、このキーホルダーも、、、、。
アイツ「そんなことないよ」
僕 「まだ、学校行かないと行けないのか?」
質問とは裏腹に、アイツのカバンが気になった。このカバンもろともろ捨てられちゃうんじゃないかと思ってしまう。
アイツ「そうね。まだ、できてないところもあるからね」
僕 「あんま無理するなよ」
あんま気にせずに話をしていると、いつの間にかカッコつけていることを言っていました。
アイツ「優斗こそ、勉強しすぎないようにね」
僕 「僕は、今しないと後悔するから」
アイツも僕も卒業したら、どうなるのか?
アイツ「それは、私も一緒だよ」
僕 「そうだけど」
すると、アイツはカバンを触り出した。
アイツ「そう言えば、このキーホルダー覚えてる?」
僕 「うん」
俺が渡したキーホルダーの話をされるとは思ってなかっただけになんだか恥ずかしかった。
アイツ「これどこで買ったんだっけ?」
僕 「たしか、東京じゃなかったけな?」
アイツ「そうそう。これね、この前見たんだよね」
同じキーホルダーをどこかで見たっていうことか?
僕 「同じやつ?」
アイツ「全く同じやつ。凄いよね、時間が経っても変わらないものっていうの」
僕 「そうだね」
アイツが何が話したいのかはわからなかった。ただ、昔に戻れたような気持ちになっていた。