1月13日 夕飯
共通テストまで、残り2日。僕は、いつものように狭い部屋で机に向かっていた。机の上には、単語帳、電子辞書、問題集、ノートが乱雑に広がっていた。さっきから、ずっと勉強していたから、気がうつろで、疲れがにじみ出ているような気がしたのだった。2時間も勉強を続けているが、頭には何も入っていないような気がしていた。時が迫っているのもあるのか。僕は、絶望感に押しつぶされそうになっていた。
明日は、共通テストまで最後の1日となる大切な日。僕は、準備を必死にしようとしていた。僕は、ため息をつきながら、「明後日は、模擬試験かぁ」と呟いてしまっていた。心配だな。でも、僕は全然準備できいない。アイツからは、「心配だと思うけど、気にしない」と言われていた。僕は、アイツの言葉が半信半疑で納得がいかなかった。それでも、他に頼るものがなかったので、なんとか自分に言い聞かせていた。
もうそろそろ、疲れてきたから勉強は終わりにしたい。今日、学習したところを確認するためにテストをすることにした。そういえば、アイツは今、何をしているんだろうか?一週間前に連絡をくれてから、全く連絡がない。アイツも自分の進学に向けて頑張っているんだろうか?俺にとって、アイツは、親身になってくれるいい友人だった。けど、これからずっとということはありえない。自分の弱さをさらけだせる唯一の存在だった。僕は、最後の勉強を終えた。机に伏せていた。疲労感はあるものの、達成感もあった。ドアのノック音と共に、俺は後ろをふりかえった。
お母さん「優斗」
僕 「なに?」
お母さん「夕飯できたよ」
もう、そんな時間かぁ。スマホを見ると、時刻は18時50分だった。たしかに、いつもなら夕飯の時間帯だ。
僕 「わかった。今日、何?」
お母さん「今日は、生姜焼きだよ」
僕 「そうなんだ」
生姜焼きかぁ。なんとも言えないな。よくも悪くもない。何とも言えないレベルだった。まぁ、僕の中でいい料理がハンバーグやカレー。悪い料理が野菜炒めやチャーハンだった。
お母さん「食べてるから、食べたくなったら来なよ」
僕 「おっけー」
お母さんは、部屋の扉を閉めて、出て行った。ちょうどキリがいいし、俺も夕飯食べに行こうかな。ゆっくり立ち上がり、扉の方へ向かって歩きだす。僕は、扉を開けて夕飯を食べることにしたのだった。