1月11日 費用
お母さん「体調どうなの?」
僕 「少しは、マシになったよ」
お母さん「そうか」
お母さんは、僕にどうなってほしいのだろうか?こういう時、親心というのはよくわからない。
僕 「うん。それよりいつ帰ってくるの?」
お母さん「那由多?」
すぐさま那由多であることがわかった。意外と僕たちは、仲がいいと思われているのかもしれない。
僕 「うん」
返事をした後、恥ずかしくなっていた。
お母さん「当分、帰って来ないんじゃないの」
僕 「なんで?」
お母さん「知らないわよ、私は」
何かを知っているみたいだったけど多くは語らなかった。それは、何を意味するのか?僕にはわからない。しかし、そこに何かがあるのは確実だった。
僕 「ふーん」
お母さん「何、会いたいの?」
煽るように話してきた。僕は、それに応えないようにゆっくりと冷静に口を開いた。
僕 「違うよ。ちょっと話したいことがあって」
お母さん「あっ、そう」
僕のお母さんは、よく人を見ている。それがイメージだった。感情的に話す場面はあまりない。それができるのは、いつも冷静に周りを見渡しているからだと思っていた。
僕 「今日、帰るの遅くなるから」
お母さん「どっか寄るの?」
僕 「今日、図書館で勉強して帰ってくるわ」
図書館は、20時まで空いている。そこまで勉強していたら、大体1日が終わるのだ。そこから、家に帰るから、一息ついていたら22時は過ぎるだろうな。
お母さん「わかったわ。気をつけなさいよ」
僕 「うん」
お母さん「今、風邪も流行ってるから」
僕 「わかった」
僕が風邪をひいた後、お母さんも調子が悪そうだった。僕がうつしたのかなと勝手に想像すらしてしまっていた。実際のところわからないから、なんとも言えないけど。
お母さん「あと、試験の費用払うから、決まったら言いなさいよ」
僕 「ああ、わかった」
共通テストが終われば、完全に志望校を決めなければならない。おそらく、2つの高校はうけるから2、3万の試験費用を出さなければならなかった。
お母さん「どこ受けるかしらないけど」
僕 「まだ、決まってねぇからな」
お母さん「早めにしときなよ」
僕 「はーい」
僕は、お茶を口に入れた。