表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/80

1月10日 別れ

 まだ完全に回復しきらない体をゆすりながら、自宅へと帰ってきていた。もうすぐテストだから、体調管理にも気をつけなければならなかった。


 ー12月26日ー


 アイツと離れた僕は、みんなが見えない場所に来ていた。どうやら、小野田は、スマホを触っているみたいだった。


 小野田「おう!」

 僕  「うん」


 僕の方を振り向いた。


 小野田「どうしたの?」

 僕  「いや、もう今から帰るんだ」

 小野田「えー、帰るの?」


 少し残念そうな表情をしていた。残念なのかどうなのか僕にはわからないけど。


 僕  「うん。遅くなるといけないしね」

 小野田「真面目だね」

 僕  「まぁな」


 久しぶりに会ったけど、もう慣れた。


 小野田「今って時間あるの?」

 僕  「ああ、少しなら」

 小野田「今度さ、二人でどっか行こうよ?」

 僕  「えっ?」 


 急な誘いに驚いていた。僕みたいな根暗な人間は、こういう誘いが一番困る。

 

 小野田「次、いつこっち帰ってくるかはわからないけど」

 僕  「いいよ。別に」

 小野田「ほんと?」


 言葉を探すがあまりいいものは見つからなかった。


 僕  「うん。俺なんかでよければいいよ」

 小野田「やったぁ」

 僕  「喜んでもらえたならよかったよ」


 すると、話が変わった。


 小野田「大学はどこ受けるの?」

 僕  「大学は、一応国公立受けるよ」

 小野田「相変わらず凄いね」

 僕  「そうか?」

 小野田「うん。だって国立でしょ?凄いよ」



 さっきまでの話が嘘のようだ。


 僕  「まだ、受かってないし、わからないよ」

 小野田「まぁ、そうだけど」

 僕  「それより、宝来は会いにいかないのか?」

 小野田「なんで?」


 小野田は、宝来に会いたかったのはわかっていた。


 僕  「会いたかったんじゃないの?」

 小野田「なんで、そう思うの?」

 僕  「昔から、宝来に興味あったじゃん」

 小野田「うーん」


 なんとも言えないみたいだ。


 僕  「ちゃんと行ってあげろよ」

 小野田「‥‥‥」

 僕  「じゃあ、俺は行くわ」

 小野田「あっ、、、、、うん」


 小野田は、どこか寂しそうだった。わざわざ東京から来てくれて申し訳ない気持ちもあった。けど、こっちも大変なのだ。仕方ない、わかってくれ。そんな気持ちでいっぱいだった。俺は、軽く手を振り、小野田の元から立ち去った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ