1月10日 別れ
まだ完全に回復しきらない体をゆすりながら、自宅へと帰ってきていた。もうすぐテストだから、体調管理にも気をつけなければならなかった。
ー12月26日ー
アイツと離れた僕は、みんなが見えない場所に来ていた。どうやら、小野田は、スマホを触っているみたいだった。
小野田「おう!」
僕 「うん」
僕の方を振り向いた。
小野田「どうしたの?」
僕 「いや、もう今から帰るんだ」
小野田「えー、帰るの?」
少し残念そうな表情をしていた。残念なのかどうなのか僕にはわからないけど。
僕 「うん。遅くなるといけないしね」
小野田「真面目だね」
僕 「まぁな」
久しぶりに会ったけど、もう慣れた。
小野田「今って時間あるの?」
僕 「ああ、少しなら」
小野田「今度さ、二人でどっか行こうよ?」
僕 「えっ?」
急な誘いに驚いていた。僕みたいな根暗な人間は、こういう誘いが一番困る。
小野田「次、いつこっち帰ってくるかはわからないけど」
僕 「いいよ。別に」
小野田「ほんと?」
言葉を探すがあまりいいものは見つからなかった。
僕 「うん。俺なんかでよければいいよ」
小野田「やったぁ」
僕 「喜んでもらえたならよかったよ」
すると、話が変わった。
小野田「大学はどこ受けるの?」
僕 「大学は、一応国公立受けるよ」
小野田「相変わらず凄いね」
僕 「そうか?」
小野田「うん。だって国立でしょ?凄いよ」
さっきまでの話が嘘のようだ。
僕 「まだ、受かってないし、わからないよ」
小野田「まぁ、そうだけど」
僕 「それより、宝来は会いにいかないのか?」
小野田「なんで?」
小野田は、宝来に会いたかったのはわかっていた。
僕 「会いたかったんじゃないの?」
小野田「なんで、そう思うの?」
僕 「昔から、宝来に興味あったじゃん」
小野田「うーん」
なんとも言えないみたいだ。
僕 「ちゃんと行ってあげろよ」
小野田「‥‥‥」
僕 「じゃあ、俺は行くわ」
小野田「あっ、、、、、うん」
小野田は、どこか寂しそうだった。わざわざ東京から来てくれて申し訳ない気持ちもあった。けど、こっちも大変なのだ。仕方ない、わかってくれ。そんな気持ちでいっぱいだった。俺は、軽く手を振り、小野田の元から立ち去った。