1月7日 最下位
昨日は、なんとか学校に行ったが、体調が回復することはまったくなかった。今日も行って回復しなかったらどうしようか?僕は、不安だった。早く病院に行った方がいいのだろうか?それともこのまま学校に行った方がいいのか?僕には全然わからない。スマホの時計を見ると、まだ余裕があることに気がついたのだった。
ー12月26日ー
最後の一枚を出した小野田が先に上がった。僕は、8枚残して最下位となってしまった。もう運がないのか、弱いのかよくわかっていなかった。
小野田「じゃあ、世田くん最下位だね」
僕 「あー」
他のみんなはすでに、食事に戻っていた。僕たちの最後を見届けていたのは、アイツしかいなかった。
アイツ「どうした?」
僕 「どうもしてないわ」
負けたことはどうでもよかったが、朝からついていないなと思う。
アイツ「元気出せよ、最下位」
僕 「うるせぇよ」
こういう時のイジリが一番嫌いだ。
小野田「そう言えば、二人って仲良いよね」
アイツ「そうかな?」
さらっとかわした。
小野田「うん。昔から?」
アイツ「そうだね。小学生くらいになるかな」
僕たちの付き合いは、たしかに長い。けど、仲のよさは、長さじゃないと思っていた。
小野田「じゃあ、私がいた頃から仲良かったの?」
アイツ「どうだろ?優斗?」
咄嗟の質問に反応が遅れた。
僕 「ん?覚えてねぇよ」
アイツ「深雪がいたのは、覚えてるでしょ」
僕 「うん」
アイツと仲良くなる前は、小野田の方が印象に残っていた。
小野田「私って、どんな印象だった?」
僕 「どんなって言われてもな、、、」
こういう質問が一番困る。
小野田「静かだった気がするけど」
僕 「ずっと本読んでるイメージだよ」
友だちもいたんだけど、暇さえあれば本を読んでいた。これが彼女のルーツなのだろうか?
アイツ「そうだったんだ。私、一緒のクラスなったことないよね?」
小野田「ないね」
たしかに、アイツと小野田が深くからんだことはみたことがなかった。
アイツ「深雪は、私のこと知ってた?」
小野田「もちろん。元気な子だなって思ってたよ」
アイツ「えー。そういう風に思われてたんだ」
今もそうだろ。勝手にいろいろ思ってしまう。僕たちは、これからどうするか迷っていた。