1月5日 UNO
明日から、3学期が始まる。この3学期が終われば、僕たちは、自動的に卒業となる。寂しい気持ちとかはないけど、アイツと会えなくなると思うと、なんだか複雑な気持ちではあった。
ー12月26日ー
小野田「来るまでどうするの?」
アイツ「じゃあ、待っとこうよ」
宝来が来るまで、どれくらいかかるんだろうか?
小野田「何するの?」
林 「じゃあ、UNOする?」
なぜ、UNOなのか?
寺崎 「持ってるの?」
林 「うん、持ってきたよ」
寺崎 「準備がいいね」
その通りだ。なぜ、林のカバンに入っているのだろうか?不思議だった。林がカバンから取り出すのを見つめた。
林 「任せてよ」
尚也 「UNOなんて久しぶりだな」
小野田「しないの?」
尚也 「たぶん、中学生以来してないと思う」
林は、UNOをシャッフルしていた。どうでもいいけど、絶体絶命ゲームはどうなったんだろうか?僕の中でモヤモヤが止まらなかった。
小野田「ずっと、野球してるからじゃないの」
尚也 「それはそうかも」
さっきも野球について深く語っていたな。
小野田「そんな野球って楽しいの?」
尚也 「ああ。楽しいぜ。お前にもあじわってもらいたいよ」
本当に野球一筋のようなイメージの奴だった。
小野田「何がそんなに楽しいの?」
尚也 「俺はやるのが楽しいな」
林は、カードを配り始める。
小野田「打つのとか?」
尚也 「俺は、打つのじゃないけど」
打つのではないということはピッチャーということだろう。小野田よりは、野球を知っているけど詳しいわけではない。
小野田「あぁ、投げるやつ?」
尚也 「そうそう。俺は、そこそこ凄いんだよ?」
小野田「そうなの?」
ちゃんと聞いているような聞いていないような。
尚也 「うん。また、野球の試合見に来てよ」
小野田「今、冬なのにしてるの?」
僕もそう思った。このオフシーズンに野球の試合なんてあるのだろうか?
尚也 「そうそう。また、やる時言うよ」
小野田「ありがとう」
カードは、ちょうど僕のところに来て終わった。どうやら、手札は7枚からスタートするみたいだ。僕のカードは全然よくなかった。赤色の2、4。緑色の6、5、8。青色の1、9。色変えのカードやドロー2やドロー4のカードがきていない。不運としかいいようがなかった。