1月2日 蜂谷隆
新年になって2日目。今日も図書館に行って勉強をしていた。試験が行われるまで、残り20日もなかった。とりあえず、やれるところまでやろうというのが今の自分にできるところだった。今日は、英語と数学を重点的に行うと決めていたけど、なかなか思うように勉強が進まなかった。
ー12月26日ー
俺と尚也の話を遮るかのように、アイツたちが入ってきた。「ひさしぶりー!元気だった?」。開口一番、アイツは、小野田に向かって声を出した。やっぱり、二人は知り合いだったのか。なんとなく、わかってはいたが、どうにも納得まではいってなかった。
寺崎や林が奥の席に案内して、アイツは、俺の目の前に座るハメになった。そして、横にいた、藤岡がメニュー表を渡したのだった。すると、後ろからテレビの音声が。尚也がつけたのか。なるほどな。
店員を呼び出しそれぞれの飲み物や食べ物を注文しだした。その間も、私たちの話題は、様々に変わっていく。最初こそ、近況報告みたいな感じだったけど、徐々に次第に昔話や自慢話。そして、進路、恋愛と次々に広がっていく。
俺は、どこか話についていけず聞き側に回ってしまっている状況だった。当然、話をしているうちに興味もそれていく。そんな状況を変えてくれたのが、尚也の一言だった。尚也はテレビに映る野球選手だった。尚也が注目した野球選手は、蜂谷隆だった。
蜂谷隆は、俺たちが住んでいる長野県の道和高校を卒業してプロ入りしている選手だった。テレビには、10月に行われたプレーオフでの試合映像が映し出されていた。蜂谷は、この試合2本のホームランを打ち、チームを勝利に導いたみたいだ。
那奈、この試合、見たか?。那奈は、全く見ていない様だった。そりゃあ、那奈が野球なんてあんまり興味がないから当たり前だろう。すると、横から、蜂谷もスゴイけど、内山もすごいと思う。カッコいいし。声を出したのは小野田だった。
小野田は、アイツより野球を知っているみたいだった。俺たちは、野球の話をしながら、お茶やジュースを飲みながらリラックスをしていた。すると、小野田から突然、「じゃあ、ゲームしようよ」と言い出した。なんだ、ゲームって?よくわからない俺たちは、唖然としていた。今度は、前から「やるやる!!」と声が聞こえてきた。その主は、アイツだった。もしかして、、、、。なんとなく嫌な気がしてきた。それは、あの時経験していたからだ。