1月1日 知り合い
今日から、新しい年の始まりかぁ。まだ、信じられない自分がいた。
ー12月26日ー
寺崎 「那奈、今、駅着いたってきたよ」
小野田「じゃあ、あと10分くらいだね」
あと10分かぁ。長いようで短い時間だった。寺崎は、飲み物を確認し始めた。俺の分は、尚也が伝えてくれたみたいだった。
寺崎 「うん。深雪は、飲み物どうする?」
小野田「了解」
席は、奥の列と手前の列に別れることになった。奥の列から、寺崎、小野田、尚也、俺。手前の列に林、藤岡という風になった。なので、アイツは、必然的に俺の前に座ることになるだろう。
俺 「尚也くんは、今回誰に誘われたの?」
尚也 「俺か?」
横にいた坊主頭は、自分の方を指さしていた。
俺 「うん」
尚也 「俺は、小野田に誘われたからな」
やっぱりそうか。小野田と尚也は以前からの知り合いということ。
俺 「他にはないの?」
尚也 「どういうことだ?」
二人が知り合いであることは検討がついていた。でも、それだけじゃないはず。
俺 「だって、長野だよ?小野田なら、別に東京で会えばよくない?」
素直に疑問をぶつけてみた。
尚也 「あー、そっかぁ。俺が、下田さんと知り合いなの言ってなかったけ?」
俺 「えっ、そうなの?」
やっぱり、そうだったかぁ。なんとなく、辻褄があい始めた。
尚也 「そうだよ。で、小野田も知ってるからどうせならって」
俺 「つまり、尚也くんや小野田は下田さんと知り合いっていうこと?」
尚也 「そうそう」
俺 「なるほど。そういうことだったんだ」
尚也くんにとっては、小野田だけでなく、アイツも知り合いだったということか。でも、なんで、アイツと知り合いなのだろうか?
尚也 「なんか気になってた?」
俺 「小野田は、まだわかるんだけど、なんで尚也くんが来てるんだろうってずっと思ってたんだ」
しかし、小野田も尚也も東京の人。長野に住んでいるアイツとはどうしても接点が少ないはずなのに。
尚也 「それは、そう思うかぁ」
俺 「じゃあ、もしかして宝来くんも知ってたの?」
あまり出したくない名前を出してみた。
尚也 「あー、宝来ね。知り合いだよ」
俺 「どうして知ってるの?」
尚也 「宝来とは、高校2年の時に知り合ったんだよ」
俺は、尚也の話を夢中になって聞いていた。