12月26日 集合
そして、運命の日が来た。迷った結果、俺は行くことに決める。集合場所は、二つとなりの駅だった。俺は、電車に乗り、外の景色を眺めていた。最後まで、行くか悩んだ。昨日、アイツに聞いたが、体調が治ればという条件付きでの参加だった。万が一、参加するってなった時、また倒れてしまうことだけが心配だった。山川や寺崎たちがいるから心配はしてないけど、それでも、、、、、。
今日来る予定のメンバーは、小野田深雪、山川楓、寺崎美桜、林友紀、藤岡真衣、園田尚也。そして、アイツだった。俺は、小野田に会うというより、アイツのために来たという方が強かった。電車が目的駅に向かっており、どこか心配だった。
小野田深雪は、この会の提案者なのでおそらく来るだろう。そして、寺崎や林や藤岡もこうした会は好きなので、同様に来ると思っていた。しかし、問題は、尚也という子とアイツだった。尚也という人物は、どうやら野球部らしく、引退した今でも野球の練習を続けていることがわかった。
やりとりだけだから、詳しいことはわからないが、大学はスポーツ推薦で決まったらしい。小野田曰くとても上手いらしく、ポジションは、ピッチャーだそうだ。全国大会こそ出られなかったらしいが、準決勝でノーヒットノーランを記録するなど、東京では有名な野球選手らしい。だから、毎日野球の練習で忙しく、長野に来れるかどうかというところのようだ。昨日までに、来ないという連絡はなかったから来るとは思うが実際どうだろうか?
小野田は、長野に来るのはいいとして、どうして尚也という人物がこっちに来るのかということはあまりわからなかった。もともと長野の人だったのか?それとも全く関係のない人物だけど、寺崎たちの誰かと知り合いなのだろうか?
もう間もなく終点に着こうとしていた。俺は、久しぶりに心臓がバクバクしていた。定期試験や模試でもこんなに緊張することはなかったのに。自分でも驚いていた。だんだん電車のスピードは遅くなっていく。そして、車内のアナウンスも入ってくる。
俺は、座席から立ち上がり、ゆっくりと開く扉の間を通っていく。扉を出ると、すぐに階段があった。俺は、おそるおそる、その階段を登っていく。思いの外、自分が登っていくスピードが速いことに気づく。気がつけば、もう階段を登り切っていた。目的の北改札口が見えた。すると、背後から誰かが迫ってくる足音が聞こえたのだった。