12月18日 答案用紙
朝から、大学の過去問に解くのに疲れてしまっていた。今日は、数学で試験本番同様、50分間で問題を解いていた。思ったよりも、難しく解けた感じが全くしない。案の定、答え合わせをすると、54点というなんとも言えない点数になってしまっていた。54点って、、、、、。不合格ラインじゃないか。自己嫌悪してしまっていた。
ああ、なんかつらいな。このままだったら、受かんないかもな。テストの平均点は、68点だった。あと、14点。僕は、どんな間違いをしているのか?そうだ!計算ミスや解き方が間違えていれば、まだ望みはある。
僕は、必死にミスした問題がないか探し始めた。でも、どう頑張ってもミスの間違いじゃなくて、わからなくて間違った問題ばかりだった。これで、14点を埋めることはできないだろう。諦めて、問題用紙を裏向きに変えた。
天を仰ぎながら、考えていた。やっぱり、お兄ちゃんとアイツは同じ考えだった。昨日、アイツと話した内容をお兄ちゃんに伝えると、即答でOKが出てしまった。本当に最悪だ。結局、アイツも東京に行くことになったのだから。まさかの展開が続いた。お兄ちゃんは、自分が払う金額がさらに安くなったこともあり、とても喜んでいたみたいだった。でも、俺は、全然嬉しくない。
なんで、お兄ちゃんやアイツと一緒に東京に行かなければならないのか。僕には、理解できなかった。東京という文字が、どうも頭の中に入ってこない。お兄ちゃんとアイツが仲良くする姿だけは理解できた。問題は、アイツがどういう感じでくるのかだった。
昨日話をした時は、気分ルンルンだった。なんでアイツがそんなに気分が上がるのか?何が嬉しいのか?昔から初めてのことには興味関心があるタイプだったし、東京に行けるということに喜びを見せることもわかるけど。でも、なんでそんなに行きたいのかは理解できなかった。
アイツもまだ本調子じゃないし、これからのことを考えるともっと慎重に過ごしてほしいというのは本音だった。まだ、定期的に病院は通っているらしく、服薬もしているらしい。完全復活とはほど遠いことは聞くが、本当なのだろうか?昨日の様子を見ていると完全復活と言ってもいいくらいだった。
僕は、丸つけをし終えた答案用紙を両手でつかみ、天井付近についてある電球の上に向けた。答案用紙を突き抜けて光が目に入ってくる。突き抜けてきた光は、まるでお兄ちゃんやアイツのように眩しかった。