12月16日 4人
お兄ちゃんの話の途中だった。お兄ちゃんが言っていた"喜早旭"という人物は、どうやら聖徳高校出身みたいだった。聖徳から、こんなスポーツが上手い選手が出るなんて意外だった。たしかに、うちのサッカー部は、毎年、県大会で上位の成績をおさめているけど全国クラスとはな、、、、。
喜早旭とダブルエースだったのが、伊東新という人らしい。お兄ちゃん曰く、伊東という人物の方がサッカーが上手いらしい。どちらも聞いたことのある名前ではなかったが、仲のいい友だちだがたくさんいることは羨ましい限りだ。
那由多「どう、決まった?」
俺 「うん。行くわ」
この"喜早旭"って人がどんな人か気になった。
那由多「よっしゃー。ないす」
俺 「でも、半額だろ?そんなにじゃない?」
よくわからない表情で俺を見つめてくる。
那由多「半額じゃねえよ」
俺 「えっ、どういうこと?」
ますます理解できなくなった。
那由多「俺の金額が半額になるってこと」
俺 「いや、よくわかんねぇよ」
何が言いたいんだろうか?
那由多「ホントはもっと高かったんだけど、人を誘って安くしてるんだよ」
つまり、俺だけじゃないってこと?
俺 「えっ?何人誘ってるの?」
那由多「今は、俺たち合わせて4人だよ」
4、4人だと。俺は、驚かされた。何考えてんだよ、ホントに。
俺 「俺、みんなといるの?」
那由多「嫌?」
平然と聞いてきた。
俺 「嫌に決まってるだろ」
那由多「そう言うなよ」
お兄ちゃんは、俺の方を見てきた。
俺 「お兄ちゃん以外に来るなら、行かないよ」
那由多「そんなこと言うなって」
俺 「嫌、無理だって」
必死に抵抗を見せるもお兄ちゃんは、笑っていた。何が言いたいんだよ。心の中でつぶやいた。
那由多「いいじゃねえか、たまには」
俺 「えー。俺が知らない人が苦手なの知ってるだろ?」
那由多「だから、たまにはいいいだろって」
ダメだ、聞く耳もたねぇ。これは。
俺 「どんな奴がくるの?」
那由多「えーっとな。同じ大学生が一人とその妹が一人だな」
俺 「うわー、絶対無理だわ」
那由多「そんなこと言うなよ」
お兄ちゃんの話が聞こえるが、できるだけ聞こえないフリをしていた。