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12月15日 比較

 お兄ちゃんからもらった雑誌をめくると、そこには大学選手権の予想が書かれていた。どうやら、予選は1月から始まり、2月に全国大会が始まる。その中でも、東京は、下北沢西南大学、東京精華大学、城南大学が優勝候補に挙げられている。

 お兄ちゃんの友だちがいるのは城南大学。城南大学は、司令塔の久保英人、柴山春翔を中心に試合を展開する。攻撃陣は、エース大屋江、外山広野、喜早旭の3枚を筆頭に、どこからでも得点する力があった。守備陣は、田上京也、畑川尚弥、中釜慎也を中心に他大学の攻撃を無失点に防いでいく。

 夏の大会では、5試合全て完封勝ち。圧倒的強さで東京予選を勝ち進んだらしい。得点は、大屋、外山を中心に15ゴールを挙げていた。特に、エースの大屋は、5試合全て得点を決めており、大会MVPにも選出されたらしい。

 たしかに、見に行くに値するとても強そうなチームだ。特に、キャプテンの外山って選手。イケメンすぎるだろ。芸能人にいてもおかしくないようなカッコよさだった。城南大学サッカー部かぁ。俺は、雑誌をめくりながら色々考えていた。

 俺は、予選会の日程を見ていた。初戦は、1月5日。お兄ちゃんは、この試合を見にいくらしい。お兄ちゃんの知り合いが誰なのかは、まだ聞けていない。ただ、出身高校で調べると大体2.3人に絞られる。試合を見に行くっていうくらいだから、おそらくその人物は、レギュラーなのだろう。そうなると、そいつは、この"喜早旭"っていう人物になるだろう。

 俺は、全く認識もなかったので、知らなかった。お兄ちゃんの同級生なのだろうか?俺は、雑誌を深く読み込んでいた。イ、イタイ、イタイイタイ、、、、。俺の首をお兄ちゃんが後ろからしめてきたのだった。


 俺  「やめろよ」

 那由多「ハハハハ。どうだ?」


 楽しそうに俺の顔を見ていた。


 俺  「コイツか?」


 雑誌の写真を指差した。


 那由多「ん?何が?」

 俺  「知り合いって言ってた奴だよ」


 お兄ちゃんは、理解した様子だった。


 那由多「そうだ」

 俺  「レギュラーって、すごいな」


 お兄ちゃんの友だちは、相変わらず派手だな。いろんな友だちがいて、俺とは比べものにならないくらいだ。


 那由多「そうか?」


 お兄ちゃんは、別に何とも思っていない様子だった。誰かと比較することがないお兄ちゃんには、俺の気持ちはわからなかった。

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