12月14日 大学サッカー
僕は、休憩の合間を縫って、リビングで本を読んでいた。すると、歯磨きをしていたお兄ちゃんがやってきた。どっか行くのだろうか?私は、気にも留めずに本に読んでいた。
那由多「学校どうなの?」
僕 「普通だよ」
以前から、この質問はよくある。僕は、相当、学校に困ってるように思われてるんだろうな。
那由多「なんだよ、それ。友だちと上手くやれてるか?」
僕 「そう言うの苦手なの知ってるだろ?」
前にも言ったが、全然聞く耳を持たねぇみたいだな。
那由多「知らねぇよ」
僕 「そっちは、いつ帰るの?」
もう、そろそろ帰ってほしい。それが本音だ。
那由多「話変えるなよ。受ける授業ねぇからな」
僕 「変えてないよ。いつまでいるんだよ?」
那由多は、真剣な表情をしていた。
那由多「まぁ、お金ないし、もう少し居させてくれよ」
僕 「バイトしてお金くれ」
どうせいるなら、お金がほしい。そして、本を買いたい。
那由多「そんなお金ないの知ってるだろ?」
僕 「知ってるよ」
お兄ちゃんがお金ないのは知っている。ずっと、遊んでいるし。
那由多「なぁ、今度さ。東京行くんだけど、お前来る?」
僕 「えっ?どうして?」
急に話題が変わっていたから、驚いた。
那由多「ずっと、行きたがってなかった?東京に」
ずっと東京に行きたかったのは本当だ。
僕 「なんで、東京行くの?」
何しに行くんだろか?遊びが?それとも勉強か?
那由多「サッカー見に行くんだよ」
僕 「サッカー?」
めずらしいな。お兄ちゃんがサッカー観るなんて。
那由多「ああ」
僕 「なんで、サッカーなの?」
那由多「大学サッカーなんだけどさ。知り合いで、試合に出てる奴がいて」
お兄ちゃんなら、あり得るな。昔からたくさんの友だちがいたし。サッカーが上手い友だちがいてもおかしくない。
僕 「大学のサッカーてこと?」
那由多「そうそう」
大学サッカーか。かなりマイナーだな。
僕 「ついて来たらいいことあんの?」
ついて行くメリットを聞いた。
那由多「俺と半分のお金でいけるぜ」
僕 「それ、自分が半額にしたいだけじゃない」
すかさずツッコンだ。
那由多「バレた?ハハハ」
いつものように笑っていた。