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12月13日 図書館

 15時くらいまで、勉強をしてから、昨日借りた本『わけない猫』を読んでいた。なんとなく兄から言われたことが妙にひっかかっており、なかなか読むペースが進まなかった。


 ー12月12日ー


 俺は、図書館で30分ほど、欲しかった本を探していた。俺が好きな小山優の『わけない猫』という本がなかなか見つからないで困っていた。兄の那由多は、本に興味がないからと言って、図書館には入らず車で待っていた。


 俺 「ただいま」

 兄 「おぉ、ーん。おかえり」


 俺 「これから、どうする?」

 兄 「そうだな、、、。飯でも食いに行くか?」


 時刻は、16時過ぎと晩飯には、まだ早かった。


 俺 「いいよ」

 兄 「何食べたいとかあるの?」

 俺 「うーん、特にないよ」

 兄 「どうしよっかなぁ」


 兄は、人差し指でハンドルを叩いた。これから、どうするか迷っている様だ。


 俺 「金あんの?」

 兄 「まぁ、多少はな」

 俺 「じゃあ、寿司食いにいこうぜ」


 俺は、金を気にせずボケてみた。


 兄 「いいけど、俺の金減らすきかぁ?」

 俺 「金、あるんだろ?ハハハ」

 兄 「そうだけど、、、」


 兄は、俺の希望を受け入れてくれた。思い返せば、昔からそうだったかもしれない。4つ離れていた兄は、いつも俺の先を行く存在だった。いい大学には入らなかったが、賢さだけでいえば俺よりすごい。そんな兄がいたから、俺はこんなにもひねくれたのだろうか?なんかわらけてきた。兄は、ハンドルをきって、車を動かした。


 俺 「向こうの生活は、楽しいの?」

 兄 「まぁ、ボチボチかな。優斗は、地方の大学行くんだろ?」


 前にいた車を悠然とぬかした。


 俺 「なんで、知ってんの?」

 兄 「お母さん言ってたぞ」

 俺 「そうなんだ」


 余計なこと言うなよ。心の中でイライラが募った。


 兄 「でも、大学行くんだったら、目的があった方がいいな」

 俺 「どういうこと?」

 兄 「遊んだり楽しむのもいいけどさ、いつか限界くると思うからさ」

 俺 「限界きたの?」


 兄は、左折するために、ハンドルを回した。


 兄 「ああ。もう1年前くらいからな。何のために大学行ってるのかわかんなくなるさ。高い金払ってもらってるしな。でも、遊んでばっかりでな」


 自分が大学を目指しているだけに、兄に言われた現実がなかなか受け入れられないでいた。


 

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