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インスタントシリーズ

寝取られたのは僕だった

作者: 井村吉定

勢いで作ったのでかなり短いです。

 僕、池間陽一(いけまよういち)には自慢の彼女がいた。彼女の名前は桜井朱音(さくらいあかね)。僕はいつも彼女のことを朱姉(あかねえ)と読んでいた。


 朱姉は僕より一つ上の幼馴染で、高校では生徒会長をしている。容姿端麗で周囲からの評判もよかった。


 ただ、僕には大きな悩みがあった。朱姉と違って僕には何の特技もなく、容姿も普通だった。つまり、彼氏として朱姉と釣り合いがとれていないのだ。


 そんなある日、僕は見てしまった。朱姉とイケメンの副会長が抱き合っている姿を。


「ようくん、これは違うの!」


 朱姉は必死に弁明しているけど、僕には来るべき時が来てしまったのだと思った。


「朱姉、ごめんね……。僕は恋人に相応しくないってことだよね……」

「違うの! 副会長がいきなり――」


 僕は朱姉の話も聞かず、その場から逃げた。


「ようくん、待って!」


 情けなかった、悔しかった。彼氏なのに、僕は副会長に負けてしまったのだ。


 ★★★★★


「陽一、大丈夫?」

「わぁ!」


 とぼとぼと帰り道を歩いていると、もう一人の幼馴染、山下美津希(やましたみづき)から声をかけられた。


「美津希か、びっくりさせないでよ」

「驚いた? それで、何かあったの?」

「実は……」


 僕は美津希に全部話した。美津希は僕の言うことを否定せず、頷きながら話を聞いてくれた。


「そっか……辛かったね、陽一」

「うぅ……」

「大丈夫! 朱姉にフラれても私が傍にいてあげるから! 私なら陽一と釣り合いもとれてるよ」

「うぁあああああ!!」


 僕は美津希の胸で泣いた。美津希は嫌がりもせず、僕の頭を優しく撫でてくれた。


 失恋した僕は、その後美津希と付き合うことになった。


 ★★★★★


 アーハハハ! おっかしい! 副会長、朱姉が惚れてるって私が言ったら信じちゃうんだもん。ホント、馬鹿だよね。


 「この泥棒猫! 絶対許さない!」とか言ってたけど、泥棒はあんたよ、朱音。


 幼稚園の時にいきなり陽一の隣に引っ越してきて、私の陽一を奪ったのはあんたなんだから。


 それだけじゃない、あんたは陽一を苦しめてた。劣等感に苛まれてた陽一の気持ちがあんたにわかる?


 あんたと付き合ってた時よりも、私と付き合ってる時の方が陽一は笑顔が多いの。


 陽一のファーストキスも純潔も私が貰ったって言ったら、あんたが大泣きしてこっちは最高の気分になれたわ。ありがと、私の踏み台になってくれて。


 陽一、大好き。私がずっと一緒にいてあげるからね。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 朱姉視点も読んでみたいですね!! 他の人も言ってたけど、いきなり抱き着かれた立場なら、痴漢の被害届出してすぐに対応すれば主人公との誤解は最低でも解けたと思う。 実際にいろいろ被害者なわけだ…
[一言] 현실적인 전개 : 내 여자친구한테 무슨 짓이야! > 바로 학교와 경찰에 성추행 피해신고 접수 > 해피엔딩
[一言] 副会長はどうなったのだろう
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