表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

アクト ピクルス

「はぅっ。」

今、物心ついたわ。

メイドが見下ろしてくる。

「どうされましたか。アクト様」

「俺、何歳?」

メイドは不思議そうな顔しながら答えてくれる。

「五歳です。」

「俺、イケメン?」

「はい。領主様に似てイケメンですよ。」

よし!これで一安心だ。

「お父さんって領主なの?」

「そうですよ。さっきまで廊下を走りまってキャッキャ言ってらっしゃったのにどうされたんですか。」

やばい。不審に思われてる。

「メイドさん、お部屋に連れてって。」




部屋は装飾がすさまじかった。

ごてごてのベットに座る。

「ステータス」


――――――――――――――――――――――――

名前 アクト ピクルス

レベル 1


スキル


再生 level1 (1/100)

痛覚耐性level1 (1/100)

強奪 (制約付き)

剣術 level1(1/100)

――――――――――――――――――――――――


よし、ちゃんとスキルが全部あるぞ!

とりあえず痛覚耐性をあげたいな。

あと剣が欲しい。


部屋から出てメイドを探す。

「メイドさぁーん」

すぐに別のメイドが来てくれた。

「アクト様どうされました。」

「剣が欲しい!」

「それはちょっと…、夕食時に奥様に相談してください。」




夕食の時間になり食堂に行く。長机にデブが三匹座っていた。

長男っぽいキモデブが飯を食い散らしながら

「母上、新しい女奴隷が欲しいです。」

と言う。

「この前買ったじゃない。あれどうしたんですの。」

と母上が答える。

「あれ壊れてしまいました。」

「そうなの。じゃあ、買いなさい。」

長男がニヤつきながら

「ありがとうございます。母上。」

と呟いた。


剣をどうやってねだろうか考えていた俺は

奴隷と聞いて思うところがあった。

奴隷か。


ドアのところで立ったままでいる俺を見て母上が

「アクト。何してるの。早く食べなさい。」

と指示する。

ぴくっと反応した俺は

「はい。母上、」

と答えて、母に従い席に着く。


ちょっとねだってみるか。

「母上!剣と剣の師匠が欲しいです。」

ふふっ、と微笑んだ母上は

「まぁ。たくましいわね。買いなさい。」

と許してくれた。


翌日、屋敷に商人が来た。


キモデブでごてごての服を着た商人が手をこねこねして

「アクト様、本日はどのようなものをお望みですか。」

と訊いた。

俺は即座に

「剣十五本と剣が使える奴隷を十六人だ。」

と答える。

商人は

「承りました」

と言って、

装飾だらけの剣とムキムキを十六人連れてくる。

俺は

こんな装飾だらけの嫌だな…

と思った。

俺はいらいらしながら、

「もっと使いやすい片手剣はないのか、装飾はいらない。初心者用のだ。」

と言った。

商人は申し訳そうに

「失礼致しました。」

と言ってロングソードを持ってきた。


早速練習したい俺は

「奴隷ども剣を持って訓練場に来い。」

と命令した。



訓練場は屋敷の地下にある。

昔の領主がここで色々とやっていたらしい。

訓練場には

不安そうな奴隷どもと俺とメイドがいる。

みんなの前で仁王立ちしている俺は

「強くなりたい。だが弱い奴に稽古をつけてもらう気はない。そこで一対一の模擬戦をしてもらう。ただし殺さないために刃を潰した剣を使ってもらう。メイドもってこい。」

と演説した。

メイドはそそくさと退散して、刃を潰した剣を持ってきて配る。

地面によいっしょと座り俺は

「じゃあ適当ペアを組んで始めてくれ。相手を気絶させたら、俺のとこまで連れて来いよ。」

と命令した。

命令には逆らえない奴隷どもはペアを組んで戦った。そして負けた八人は俺の前に並んでいる。

うきうきしている俺は買ったばかりのロングソードを持って負けた奴隷どもに

「座れ」

と命じる。

不安そうな顔をしながら奴隷どもは座る。

俺は奴隷の首に剣を添えてスパッと剣を引く。

血飛沫が舞う中、笑顔の俺は

これって楽しい

と感じた。

同じ動作を繰り返した。

血溜まりの中、八体の死体に囲まれた俺は

「戦え。」

と言った。

見違えるほどみんな真剣に戦っている。

それから四人斬り、二人斬り、一人斬り、

そして一人だけが残った。

人を斬る快感をすっかりと覚えてしまった俺は

「まず、勝ち残りおめでとう。俺の名はアクト ピクルスだ。よろしく。敬語とかいらないからな、自己紹介してくれるか。」

と言った。

満身創痍の彼は

「…わかった、俺の名前はアストラだ。元Aランクの冒険者だ。よろしく。」

と答えた。

その後アストラに体を鍛えるための基礎トレーニングと素振りを教えてもらって部屋に戻った。

俺はうきうきしながら

「ステータス」

と唱えた。

――――――――――――――――――――――――

名前 アクト ピクルス

レベル 6


スキル


再生 level1 (1/100)

痛覚耐性level1 (56/100)

強奪 (制約付き)

剣術 level4(542/1000)

――――――――――――――――――――――――

剣術はlevel4まで上がった。痛覚耐性は持ってたやつが少ないのか あまり上がらなかった。

もっと斬れば上がると思う。


翌日

朝のランニングを終えて、俺とアストラは訓練場にいた。

包帯だらけのアストラに言われた通り素振りをする。

驚いた様子のアストラが

「アクト、五歳とは思えないほどの剣術だ。これなら今すぐ模擬戦をしてもいいくらいだ。」

と言った。

その後、アストラと模擬戦をした。

ロングソードを振り抜くが、余裕の表情のアストラにかわされ腹を蹴られる。

木刀を肩にかつぎながら、アストラが

「いやぁ、アクトの剣速は凄まじいな。だがな、経験が不足してるな。剣筋がばれてら。あと体術がなってないな。蹴りの防ぎ方も知らないようでは実戦では死ぬぞ。」

過呼吸になっている俺は痛みに耐えながら立ち上がり剣を構える。




痛みで立てなくなったので、訓練を中断した。

俺は横になりながら

「おい、体術を習得すれば剣の腕も上がるのか。」

と水を飲んでるアストラに訊いた。

アストラは頷きながら

「そりゃあ上がるよ。体のさばき方も身につくし、拳や蹴りも防げるからな。」

と答える。

なるほど、体術を習得する必要があるらしい。

でもとりあえず、再生と痛覚耐性を習得したい。

痛いのは嫌だからな。

「アストラ、再生する魔物や痛みを感じない魔物を知ってるか。」

と足を投げ出して座っているアストラに尋ねる。

「えっと、再生するのスライムだな、痛みを感じないのは知らないな。」

と答える。

じゃあ、スライムを狩るか。

俺は立ち上がり宣言した、

「明日はスライム狩りだ。」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ