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放蕩駆ける  作者: 無花果 涼
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焦がれて

いたって晴れやかな日だ。冬にしてはとても温かい。

火を焚くための薪を肩に背負いながら山道を歩く。

「ふわぁ~」

あまりの心地良さに欠伸がおもわず口から零れ出る。少し目に涙が浮かんだ。それを袖でゴシゴシと拭い取る。

パキ パキ

枯れ落ちた枝を踏む音が耳元に入ってくる。

風は草木を揺らす。舞う葉に鳥は遊ぶ。鳥は川と歌う。流れる水に心を洗う。

山は常に人生と共にある。生活の中に常に山がある。

この世に生まれ落ちて早20年。未だに女を知らぬ、可愛そうな青年。ご近所づきあいはいたって良好、友人関係もとても良い。女の子にだって嫌われてはいない。ただ、友達終わりなだけ。

「なんで俺はもてないんだろうなぁ」

言葉にしてみる。すると凄く虚しく、みっともなく感じた。

言霊なんて言葉があるけれど、本当そうだと思う。言葉にしてみるとぜんぜん違う。感じ方が変わってくる。

「馬鹿ばかし」

また一人呟く。

歩きながら昨日読んだ歴史書を思い出す。

今から500年以上前までは常に戦に明け暮れていたこの世界は、沢山の人が生きるために、守るために、必死にお互いの命をやり取りしてきた。乱世は3000年を下らない。長い間、沢山の人が戦いに挑み、死んだ。また、安静を求めて旅に出た者もいた。

国と国はお互いの存亡をかける。その中で筆頭を表す者がいた。そういう者たちは、武将となり沢山の民をまとめ、描いた戦略図の基、戦った。

戦乱の世は、人々を疲労させ、絶望させる反面、一部の土地を発展させ、高度な専門術や戦略を生み出したのもまた事実。

俺には、当時の人々がどんな風に感じながら生きていたのかなんて知らない。だからこそ、憧れてしまう。

別に誰かを殺めたいわけでも、絶望したいわけでもない。

ただ、

「ただ、もっと生きるって事の難しさや尊さを知れるそんな人生を歩んでみたいな。んでもって、誰かを心の底から愛してみたいし、愛されたいなぁ。まあ、そんなの夢物語でしかないんだけど・・・。って、俺何言ってんだろ」

それこそ馬鹿馬鹿しい。


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